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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
水の大精霊編
42/126

第32話:モンスターハウスとアクアクリスタルゴーレム

<ユーエリア視点>


アンナがドジで不用意にモンスターハウスの部屋に入って、

私たちは魔物の軍団に囲まれてしまいました。

部屋の中にはイソギンチャクみたいな触手を伸ばした魔物や

三又の槍を持った半漁人みたいな魔物、8本の足を伸ばしたタコみたいな魔物、

緑色の肌の醜悪な人型魔物の棍棒を持ったゴブリンや

犬が二足歩行した魔物のコボルトや粘着質なスライムなど

モンスターがたくさんひしめき合っています。

それらが一斉に襲いかかってきました。

私たちは覚悟を決めてそれらと戦って切りぬける事にしました。


コブリンが棍棒を振りあげて襲ってきましたが

私はカウンターで殴り飛ばしました。


「『散華連撃さんかれんげき』」


私は魔物の群れに突っ込み、蹴りと拳で周りの魔物を弾き飛ばしました。


「魔物が多すぎて大規模な魔法が使えないわね;

 『クラッカーストーン』」


ノッレは巻き込まないよう基礎の土魔法だけで敵を攻撃しています。

石つぶてが周りの魔物に当たり少しずつ倒れて行きます。


「『ホワイトショット』!!」


イノーゼも無属性の衝撃魔法で指を拳銃のように構えて敵を撃っています。

ノッレとイノーゼの後衛からの魔法は

前衛が取りこぼした魔物を倒していきました。

さすがだわ、頼りになります。


「俺とユーエとアンナで前衛して敵を倒す!!

 ユーエ、アンナ行くぞ!!」


「分かったわ!!」


「行きます」


リックは剣、私は格闘技、アンナはお盆で前衛向きです。

私たちががんばって敵を先陣切って倒す必要がありそうです。

襲ってくる魔物たちを捌くように倒していきました。


「『進波斬しんはざん』」


リックはウィキから教わった地面を走る斬撃を次々撃って敵を減らします。


「『乱舞攻散拳らんぶこうさんけん』」


私は無数の拳の連続パンチで周りの魔物を弾き飛ばした。

まるでどっかの無双ゲームみたいに;


「『ストレンジトレー』」


アンナはお盆を2つ取り出して

チャクラムのように投げて魔物たちを切り裂きました。

お盆を超高速で回転させて投げる事により

チャクラムのような切れ味が出てるみたい。

アンナも普段はドジだけど戦えたのね。


「危ない!!」


アンナの攻撃に感心していると

私の後ろにノッレの『クラッカーストーン』が飛んでいき

イソギンチャク型の魔物に当たりました。


「ユーエ、危ないわよ;

 敵の触手が当たりそうだったわ;」


「ありがと;」


どうやら油断していたみたいです;

それにしても人口密度ならぬ魔物密度の高さに参ります。

一気に倒す方法はないかしら?

すると、私は良い事を思いつきました。


「みんな、私のところに集まって。

 良い作戦を思いついたわ」


「良い作戦って何だ?」


リックは襲ってくる魔物を剣で切りつけながら訝しげに聞いてきました。


「いいから、信じて」


「分かった」


リックはそう言って私の側に駆け寄った。

そして、みんなが集まったら私は指先に光の魔力を込めました。

そして、風魔法で私は浮かびあがり魔物たちを指差して、


「『シャイニングラブビーム』!!」


私はぐるりと回転し指先の光のレーザービームで敵を焼き払いました。

一気に魔物や焼け焦げて倒れて行きました。

ぶっちゃけ、これは某美の戦士のビームを真似たものでした。


「なんかブレザームフーンにでてくるミーナスのビームみたいw」


「ユーエ、自分が書いた絵本の登場人物の魔法もできるのね;」


イノーゼは目を輝かせて私を見てた。

私が小説のキャラの魔法を実践できた事にノッレは驚いていた。


「まあ、これは魔道具作りの時の魔法陣を印刻する

 『ビーム』の魔法の応用なんだけどね」


あれを高出力に発射するとこのように攻撃できる。


「とにかく、全部魔物が倒せたようだぜ」


「た、助かりました・・・」


リックはほっとして、アンナは気が抜けたのかその場にへたり込みました。


「じゃあ、外に出られそうね・・・。

 あ、目の前の扉が開いてるみたいだし」


正面の扉がいつの間にか開いてました。

どうやら出られそうです。

私たちがそこに向かって歩き出そうとすると

上から水色の水晶の身体をした

ごつごつしたゴーレムらしき巨大な魔物が降ってきました。


「な、なに?!!!」


「げ、また魔物かよ!!」


「おっきい・・・」


「3メートルはあるわ;」


「・・・ふえええ;まだ戦うんですか?(涙)」


いきなり現れた水晶のゴーレムにみんな戦いの構えをした。

アンナは嫌そうに涙目になってる。


「ぐごおおおおおおおおお!!!!!!!」


ゴーレムは叫び声をあげて拳を振り上げて殴ってきた。

それをみんな周りに散って避ける。

ゴーレムの拳が地面に突き刺さった。


「じ、地面にクレーターができてます・・・;;;;;」


「なんて、力なの!!」


ゴーレムの拳が刺さった地面には大きなクレーターができて割れてる。

それに、アンナはすごくびびっていた。

私はゴーレムの威力に戦慄した。


「みんな!!全力で敵の拳を避けながらカウンターで攻撃よ!!

 大振りなパンチだから隙があるわ!!」


私がそう命令するとみんなはゴーレムを避けてチャンスを伺った。


「『水破大波剣すいはおおなみけん』」


リックは大波の水の剣の衝撃波を放ち凪ぐように切った。

しかし・・・。


「げ、吸収しやがった・・・!!!」


「水で出来たゴーレムって事なの?同じ水攻撃じゃ効かないのね;」


リックの剣撃は同じ水属性の技だと相性が悪いらしい。

ゴーレムの水晶の身体が水に変化して攻撃が体内に吸収されてしまう。


「じゃあ、土の属性はどう?

 『ブロックバレット』!!」


ノッレが岩の塊を弾丸に風を纏わせて勢いよく打ち出した。

それなりに水でできた水晶のゴーレムに効いているみたいだ。


「ぐおっ!!」


「それなりに効いているみたいね。

 同じ小人族のロビン&デイジー直伝の魔法くらいなさい!!

 どんどん行くわよ!!」


どうやらサーカス団の空中ブランコ乗りの双子から教わった魔法らしい。

どんどんノッレは『ブロックバレット』を撃ちまくった。


「わたしもがんばる。

 『インパクト』!!」


私の魔法を見おう見まねで参考にした

イノーゼが衝撃波の魔法をゴーレムに次々とくらわせていった。

ゴーレムは押され始めた。

しかし、ゴーレムは身体に水の魔力を集め始めた。


「ごおおおおお!!!!」


ゴーレムは勢いよく拳を突き出して大きな水の津波を発生させた。

いけない!!私は『ガードフィールド』で結界の壁を作り防御した。


「くっ・・・」


津波の勢いは強くてこのままじゃ呑みこまれる。

ピシッ・・・。

結界にヒビが入り壊れた。


「しまった!!」


このままじゃ大津波に呑みこまれておぼれ死んでしまう;

すると、アンナがお盆を構えて私たちの前に立ち無属性の結界を作った。


「『シールドリフレクション』」


結界に触れた大津波が跳ね返されてゴーレムのほうに向かって行く。

そして呑みこまれた。


「やったの?」


「いや、まだみたいです!!」


アンナの言葉に私たちは警戒を解かなかった。

水属性のゴーレムなのか津波で溺れる事はなかったらしい。


「ごおおおおおおお!!!!!」


ゴーレムは勢いよく腕を振り回してその勢いで

水の衝撃波を次々飛ばしてきた。

みんなはそれを避けた。


「あんなに腕を振り回されちゃ近づきにくいわね;」


「もう少しゆっくり動いてくれれば剣で切れるんだけど」


リックの言葉に私は思いつく。


「できるわ!!動きを鈍らせるからその隙にリック切って!!

 『スローモーション』!!」


私はゴーレムに無属性の時魔法でほんの数十秒間敵の動きを鈍くした。

ゴーレムの腕の動きがかなり鈍く動いている。

これは敵の体感時間をスローモーションにして

時間を遅らせて動きを鈍らせる魔法です。


「よっしゃああああ!!!!!

 『双牙波進斬そうがはしんざん』」


リックの放った2つの大きな斬撃が走り

ゴーレムの腕を肩からそれぞれ切り落とした。

水晶の腕が地面に落ちて水になって解けていった。


「ぐおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


ゴーレムは痛いのかもの凄い叫び声をあげた。

すると、ゴーレムはジャンプして

そのまま両足で私たちに向かってキックしてきた。

私の頭上にゴーレムの足が迫る。


「危ない!!!!」


リックの叫び声にみんなは目をつぶった。

しかし、私は手を構えて雷の魔力を纏った。


「『スパイダーヴォルト』!!」


クモの巣の網の目のように目の前に雷の網を張った。

雷の結界になっているのかゴーレムの足は砕けた。

ゴーレムはそれに触れて痺れてしまった。

そして、雷の網に包まれて動けなくなった。

そして、ゴーレムの水晶の身体は水になって全て溶けていった。


「にゃあああああ;;;;しびしびになってしまったにゃ;;;」


ゴーレムが溶けた後に出てきたのは水の塊の身体の二足歩行の猫だった。


「でも、刺激がいいにゃw痛いのって気持ちいのにゃあああwww」


雷の網に包まれて猫はごろごろ地面に転がって痛みを楽しんでいるようだ;


「あの~?どちらさん?」


私が恐る恐る変な水の身体をした猫に聞いてみた。


「にゃ?ハイにゃんはハイにゃんだにゃw

 水の精霊の水猫にゃw」


「「「「「水の精霊!!!!」」」」」


どうやらこの変な猫は水の精霊のようだ;

みんな声をあげて驚いた。


「なんでハイにゃんって名前なの?」


イノーゼは不思議そうに変な猫に聞いてみた。


「しっぽが灰色だからハイにゃんにゃw

 いつも手入れにしっぽのムチで

 自分の身体をしばいてセルフドMプレイしてるのにゃw」


「「「「「・・・・;」」」」」


ハイにゃんはどうやらドMらしい;;;;

私と相性が良さそうだw


「生粋のドMね;プレイ用のペットにほしいわ;」


「金色の女の子はドSにゃか?

 ドMなハイにゃんと気が合いそうにゃwwww」


ハイにゃんはそう言ってにっこり私に笑顔を向けた。


「プレイにゃwプレイにゃwしばいてにゃああwww」


「じゃあ、さっそく・・・」


私は自前のムチを取りだした。

しばかれる期待からハイにゃんは興奮している。


「ちょっ;今はウィキを探すのが先決だろ;;;

 プレイは後にしたほうが・・・;」


「そうだったわね」


「放置にゃか?後でしばいてにゃああw」


リックの一言に目的を思い出して私はムチをしまった。

ハイにゃんは今しばかないのは放置プレイだと思っているようだ。


「ハイにゃん、銀色の髪の男の人知らない?

 その人を探しに来たのだけど?」


「そういえば、ウンディーネ様が銀髪の男の人を

 水晶玉に入れて運んでいるのを見たにゃw」


どうやらそのウンディーネというのがウィキを連れ去った犯人らしい。

そいつの居場所をハイにゃんに聞いてみる。


「そのウンディーネって人に会いたいんだけど会える?」


「ウンディーネ様は大精霊だから

普通の水の精霊のハイにゃんにも会うのは難しいにゃ;」


ウンディーネは大精霊らしく会うのが普通の精霊でも難しいらしい。

ハイにゃんはしょぼんとした。

でも、何か思い立ったのか灰色のしっぽを立てた。


「にゃ!会いたいならユニコーン様の許可が必要にゃw」


「ユニコーン?」


「ユニコーン様は聖なる角を持った白いお馬さんで偉い方にゃw

 ユニコーン様はウンディーネ様の側近で

 水猫の村のそばの水晶の森の泉にいるのにゃw」


どうやらユニコーンは名の通り一角獣な白馬のようだ。

その馬の許可を取らないとウンディーネに会えないらしい。


「そのユニコーン様に会いたいわ。案内してくれる?」


「わかったにゃw」


こうしてハイにゃんの案内でユニコーンに会う事にしました。

さて、どうやってウンディーネに会ってウィキを取り戻そうか?

ユニコーンって聖なる獣っぽいからムチで脅すわけにもいかなそうだし;

どうなる事やら?


つづく


新キャラのハイにゃんはドMですw

なんだかユーエリアが気に入りそうな予感がしますw

さて、次回は水猫の村に向かいます。

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