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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
水の大精霊編
41/126

第31話:湖の底の水の大迷宮

<ユーエリア視点>


湖の周りでティータイムしながらウィキたちの

恋の進展をわくわくしながら待っていると、

私たちは湖に響いた謎の女性の声に困惑していた。

頭の中に響く謎の声・・・。

気配から人間の声じゃないと私は確信していた。

しばらくしてアンナだけが真っ青な顔をして戻ってきた。


「ウィキさんが!!ウィキさんが!!!!」


アンナが涙を流しながら私たちに事情を説明しました。

なぞの水色の水晶の巨大な珠の中にウィキが閉じ込められて

クリア湖の穴の底に飛んでいったらしいです。


「ウィキさんはこれは大精霊のしわざらしいって言ってました;」


「大精霊・・・」


大精霊、それは自然界の魔法の属性を司る長のような存在です。

けど、なぜウィキを・・・?


「ここ、大精霊、水の大精霊」


「え?そうなの?」


「大昔の歴史書、王都の図書館、読んだ」


マークスの言葉に驚く私。

マークスによるとここには水の大精霊がいるらしいです。


「なんで、ウィキがその大精霊に連れ去られなきゃならないんだよ!!」


「謎の声がよこしまな魔の者って言ってた;

 ウィキおにいちゃんがそうなの?;」


リックがなぜウィキが大精霊に連れ去られなきゃいけないのか困惑して叫んだ。

イノーゼもなんでと戸惑っているようだ。


「ウィキが魔の者っていうのか?

 ユーエに尻に敷かれてるのに?

 ユーエの方がよっぽど魔の者っぽいぞ;」


「同感(笑)同感(笑)w」


「あんたたち・・・(怒)」


「「「ひっ・・・;;;」」


リックとニッキーが私を見て笑うのを見て私はドSの睨みを発動した。

2人は腰を抜かした。


「とにかく、ウィキを助けないと;」


「どこに連れ去られたのかしら?」


「あ、ウィキさんはクリア湖の穴の底へ水晶の珠ごと飛んで行きました」


焦るノッレとロゼッタ。

アンナはウィキが連れ去られた時の事を思い出して行方を話した。


「だとするとその穴の底にウィキ先生はいるのですね。

 でも、どうやっていけばいいのでしょうか?」


どうやってその穴の底に行けばいいかキラは難しい顔していた。


「それは私の風の魔法で行きますわよw

 私の魔力なら数人まででしたら飛べますしw」


お嬢様言葉で自慢しながら風の魔法で浮いて見せた。

私の風の魔法で一気に穴の底まで飛んでいけば楽に降りれる。


「数人か;全員は無理だよな;」


「それに相手は大精霊らしいから;

 強い人でないと;もしかしたらその大精霊と戦うかもしれないし」


私の言葉に悩むリック達・・・。

大精霊と戦う。未知の存在なのでかなり不安に駆られていた。


「・・・やっぱり、リックとノッレとイノーゼ辺りが妥当ね」


「な!!俺らはダメっていうのかよ?」


ニッキーが連れて行く仲間から外された事に不満を言った。


「この前、サーカス団が別邸に攻め込んで来た時に

 苦戦したらしいじゃない;

 あれ以上の敵と戦わなきゃいけないのよ?」


「うっ・・・;」


ニッキーは声を詰まらせた;;あの時、ズタボロだったもんね。


「ニッキー、お留守番」


「私たちだと悔しいけど実力不足よ;」


「悔しいです」


マークスとロザンナとキラが悔しそうにニッキーを諭した。


「くっ・・・、分かったよ。

 かならず、ウィキを助け出せよな。

 いつか、ユーエ達に並ぶよう修行して追いついてやる!!」


ニッキーは悔しそうに留守番に了承してくれたようだ。


「・・・私も行きます!!」


「アンナ?」


アンナはすごい形相でそう言って私に詰め寄った。


「で、でもすごい危険なのよ;」


「ウィキさんの事すごい心配ですし、

 待ってるなんて私にはできません!!

 私はメイド流格闘盆術の三段で免許皆伝です!!

 戦いには負けません!!

 それにウィキさんは私の好きな人ですから!!」


そう宣言してアンナは銀のお盆を掲げた。

恋する乙女は無敵ね;;;

意地でも引き下がらなそうなアンナに私は根負けした。


「いいわ、一緒に行きましょう。

 けど、危なくなったら下がるのよ」


「はい!!」


結局、アンナも連れて行く事になってしまった;

ウィキがかなり大好きなのが伺えるわね;


「アドバーグとクレアはニッキーたちと一緒にここで待っていなさい。

 私たちが夜までに戻らなかったら別邸に戻ってかまわないわ」


私はアドバーグとクレアにそう命令した。


「分かりました、もしお嬢様が戻らない時には

 別邸に一旦戻り、お嬢様を助けにアークレイ伯爵領の騎士たちを

 引き連れてここに戻ってまいります」


「お嬢様、必ず戻ってきてくださいね」


アドバーグはそう言って一礼した。

クレアは私に必ず戻って来るよう心配してくれた。


「ええ、安心して待っていなさい。

 じゃあ、行くわよ」


私はリックたちを風の魔法で浮かせて空を飛んだ。

クリア湖の湖面の上空を飛び中心の大穴の上へやってきた。


「これがウォーターミストの大滝;」


「大きい・・・」


「近くで見ると迫力があるわね;」


「すごいです」


リックたちもその大滝の迫力に圧倒されているようだ。

穴に勢いよく流れおちる大滝はまるでナイアガラの滝のような

莫大な水の水流が流れ落ちていた。

滝の水しぶきによって霧が発生して底が見えない。


「じゃあ降りるわよ」


私が風を魔法で操り霧の中を湖の穴の底に向けて降りる。

息がつまりそうな霧の中は

まるで真綿で首を絞められるような息苦しさを感じていた。


「ううう・・・湿っぽい」


「息するのが嫌になるわね」


「・・・じめじめしてる」


「息が詰まります」


「・・・(まるで地球の加湿機並の湿度よね)」


私たちは霧のじめじめさに我慢しながら穴の底に降り立った。

上空を見上げると霧の雲が穴を塞いでいる。

そこは清浄な空気が漂っていて神聖な雰囲気がした。


「ここが穴の底か」


「空気が綺麗」


「周りに滝の幕があるわ」


「水が湖の外側に流れてますよ」


「ホントだわ・・・」


ノッレの指さす先に滝の水の膜が周りに囲まれていた。

大滝の流れ落ちる穴の底なのに水が溜まってない。

滝の水の水流が穴の底に流れ落ちるとムリヤリ

穴の外側の湖の中に戻って行っているようだった。


「どうなってるんだ?」


「・・・不思議」


「神秘です」


「なんか自然の法則を越えてるわよ;」


リックたちはその水の流れの神秘に驚いているようだった。


「まあ、大方、水の大精霊の力なのかもね;

 さて、ウィキはどこにつれさられたのかしら?」


私は水の膜に囲まれた周りを探ってみると

一部、水の膜が薄くなってる所を見つけた。


「洞窟かしら?」


「・・・奥へ行ってみようぜ」


それは水でできた洞窟の入り口だった。

私たちはリックに前衛を任せてその洞窟の中に入った。

水の洞窟のトンネルを抜けると

そこの中は水色の透明な魔道石の結晶が壁を作り

迷宮のように複雑に入り組んでた。

地下水脈になっているのか地下水の川も流れている。


「すごく綺麗ね」


「きれい・・・」


「うわっ!!すげえ!!」


「これは魔道石でしょうか?」


「湖の底にこんな世界があったなんて;」


たぶんこの魔道石は水属性ね。

この水の魔道石の大迷宮の美しさにみんな声を失った。

私たちはこの綺麗な光景に見とれながら進んだ。


「かなり入り組んでいるわね」


私はこの迷宮の複雑さに舌を巻いた。

綺麗だけど気を付けてないと迷子になりそうだ。


「なにしてるんだ?」


「迷子にならないようしるしを付けておこうと思って」


「わたしも地図作ってる」


火の魔道石を溶かした紅いインクのマジックペンを

迷宮で迷子にならないようポイントごとにしるしを付けた。

リックが物珍しそうにマジックペンを見てる。

魔道石の粉5gと水を錬金術で変質させた材料で作った、

インクのマジックペンでどんなものでも書ける。

マジックペンは各魔道石の色ごとに9種類のマジックペンがある。

これは各属性ごとの色のマジックペンがユーエリア商会で売ってます。

9色セットで3000イエンで売ってる。

イノーゼも迷宮の道筋をマッピングして地図を作っている。


「そういえばこういう迷路って片手に壁を着くと

 出られるって聞いた事あるわね」


「そうなの?」


「古代の古文書に載ってたわ;

 古代の人はさまざまな遊具のある場所を作って

 そこの一つに迷路を作って楽しんだそうよ」


「昔の人って迷路まで楽しんでたのね;

 でも、ここの迷路ってイライラするから楽しめないわ」


私の嘘(地球の現代知識)に騙されたノッレは迷路にイライラして

昔の人(ホントは地球人)が理解できないと呆れていた。


しばらく、迷路の壁に手をつきながら進むと

カチって音が響いた。


「な、なんか私、踏みました;;」


アンナは足元のスイッチを踏んだらしい。

すると、壁から弓矢が飛んできた。

ヒュン!!

リックの側すれすれに矢が飛んだ。


「あぶなっ!!!;;;;」


「ご、ごめんなさい;」


「どうやら罠だったようね」


どうやらアンナが踏んだスイッチは罠だったらしい。

アンナはリックに謝った。


「無事だったからいいけどさ;」


「すみません;」


「気を付けながら進みましょ」


アンナはリックを見てしゅんっと身体を小さくして凹んだ。

私たちは気を取り直して先に進む事にした。

しばらく進むと今度は・・・。


パカッ!!


「きゃああああ!!!!!」


「な、落とし穴?!」


「怖い;」


「足!!足!!離すなよ!!」


「捉まりなさい!!引き上げるわ」


アンナが落とし穴に落ちてリックたちもつられて落ちた。

アンナがぎりぎりで落ちないよう上に捉まり、

リックはアンナの足に、ノッレはリックの足に、

イノーゼはノッレの足に捉まった。

落とし穴の底には鋭い槍の突起が複数上を向いていた。

私は後ろにいたので穴に落ちないで済んだ;

みんなを引っ張り、上に引きづり上げる。


「た、助かった・・・」


「怖かった;」


「死ぬかと思ったわ;」


「アンナ・・・;」


「す、すみません~;;;;;」


みんなが息を切らせてへたばってアンナを見た。

アンナはもう涙目だ。


さらに先に進むとアンナは次々に罠にかかった。

横の壁から複数の槍が飛び出たり、

べたべたな巨大な取り餅が上から降ってきて動けなくなったり、

床の回転板を踏んで目を回したり、

大地雷を踏んで爆発したり(私が魔法の結界で防御したから無事)、

かなり迷惑を被った;;;;

さらに、アンナが罠のスイッチを懲りずに踏んでしまい;


ドンッ!!

ごろごろごろごろ!!!


後ろに巨大な水晶の玉が落ちて来てごろごろと追っかけてきた。


「に、逃げろ~~~~~~~~~~!!!!!!!」


私たちは巨大水晶玉から超ダッシュで逃げだしました。

坂に地面がなってるのでスピードアップして水晶玉が転がっています。


「アンナのバカーーーー!!!!!!」


「すみませんーーーーーー!!!!!(涙)」


私が叫ぶとアンナは涙目だ;


「ここまでドジだと呆れを通り越して尊敬するわね;」


「・・・すごいね」


「運なさすぎだろうが!!」


ノッレの皮肉に他のみんなも同意して呆れていた。


「もう!!こうなったら!!

 魔法で横穴を開けるわ!!『インパクト』!!!」


ドカン!!!

私は手を差し出して無属性の衝撃魔法で迷路の壁に

みんなが入れるほどの横穴を開けた。

そこの横穴にみんな避難して水晶玉をやりすごした。

水晶玉が通り過ぎた後、元の通路に出る。


「アンナを連れてきたのは失敗だったかしら?」


「す、すみません;;;;本当にすみません~~~;;;;;」


私が半眼でアンナを睨むと土下座してアンナは謝った。

アンナがドジなのは分かってたけど、ここまでとは;;;

連れて来た以上、今更戻る訳にはいかないのでそのまま進んだ。

防御策として一番後ろにアンナを歩かせた。

少しはマシになったがそれでも罠に掛かるアンナは情けなかった。

しばらく進むと鉄製の大きな扉が現れた。


「・・・なんか扉があるわね;」


「ここにウィキがいるのか?」


「あやしい」


「罠かもしれないわよ;」


目の前の扉に訝しむ私たち。

・・・慎重にいかないと罠だったら困るし。


「ウィキさんがいるかもしれません!!

 行きましょう!!」


「アンナ!!」


アンナが扉を開けて部屋の中に入って行った。

私たちも慌てて中に入る。


「真っ暗だわ・・・」


「ちょ!!俺の足踏むな!!」


「す、すみません;」


「これじゃ、動けないじゃない;」


「どうなってるの?」


中は真っ暗だった。

お互いが見えなくて状況が掴めない。

すると、いきなり部屋の中が明るくなった。

部屋の中にはイソギンチャクみたいな触手を伸ばした魔物や

三又の槍を持った半漁人みたいな魔物、

8本の足を伸ばしたタコみたいな魔物、

緑色の肌の醜悪な人型魔物の棍棒を持ったゴブリンや

犬が二足歩行した魔物のコボルトや粘着質なスライムなど

モンスターがたくさんひしめき合っていた!!

私たちを見ると襲いかかってきた。


「モンスターハウスだああああああ!!!!」


リックは驚いて叫んだ。


「アンナ!!!!!」


「す、すみませんーーーーーーーー!!!(号泣)」


私がアンナの不注意を責めると号泣して謝った。

モンスターハウスってかなりのモンスターの多さだわ;

扉から戻ろうとすると鍵が掛かっていて開かない。

く、戦うしかないみたいね;

私らはそれぞれ構えてモンスターに立ち向かった。


つづく



アンナ・・・;

ドジばっかり踏んでますね;

ここまで罠にかかるとはすごいよね;

水の大迷宮は不思議のダ●ジョン風ですw

次回はバトルですねw

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