第28話:お風呂テーマパークぬくぬくの里2
<ユーエリア視点>
一通り『大波のお風呂(プール)』で楽しんだ私たちは
次は『ウォータースライダー』に向かった。
『ウォータースライダー』は2種類あり、
まずは普通の7人が滑れる巨大な横幅の滑り台式の
『ウォータースライダー』に乗る事にした。
全長53m・高さ12m・横幅12m大きさから一気に水流で滑り降りれる。
「滑走する所ごとに虹色に分けられてるのねw」
「きれいですねw」
「さっそく、滑ろうぜw
ってリックも並んでるみたいだな」
見ると行列の最後尾にリックとノッレとイノーゼが並んでた。
「よお、お前らも滑るのか?」
「あ、ウィキたちも来てたのか」
ウィキは勝手知ったるリックに気軽に話しかけた。
「見てのとおりよw弟のアルフォンスも一緒」
「こ、こんにちは;審判のお兄さん」
私がそう言ってアルフォンスはリックにあいさつした。
そういえば、決闘の審判してたんだったわね;リック;
「俺、リックって言うんだ。よろしくな;
それと、土色の女の子がノッレ。
白いのがイノーゼ」
「よろしく、アルフォンスくん」
「よろしく」
「よろしくお願いします」
アルフォンスにリック達の自己紹介が終わると
雑談で並ぶ時間をつぶした。
途中でリックが王様に似てる事に気づき王子だと分かると
弟は「王子様とは知らず、すみませんでした!!」
と土下座する勢いでリックに謝ってた。
リックはそれに苦笑いしてたけど;
なんて、やりとりがありつつ『ウォータースライダー』に乗る。
上は結構な高さで滑ると勢いがすごいありそうだ。
「孤児院のローラー滑り台よりすごそうです」
アルフォンスはあそこのローラー滑り台に乗った事があるそうだ。
いつの間に;
まあ、そんなこんなで滑り降りた。
「きゃ~~~~~~!!!!!!」
私も水流にまかせてスライダーを滑り降りる。
後ろからウィキや弟やリック達の叫び声も聞こえて
下のプールに滑り降りて行った。
「楽しかったですw」
「やっぱスライダーの王道って感じだよなw」
「スゲー楽しかったw」
「水の力すごい」
「滑り台ってこんなに楽しかったのねw」
みんなも『ウォータースライダー』に満足したみたいだ。
次はもう一つの『チューブ式ウォータースライダー』のほうを乗ってみる。
1人用の専用の浮き輪に乗ったまま、
川下りのように滑り降りる全長100メートルのスライダーで
地球の現代風になってる。
列に並び、私の番になった。
浮き輪に乗ってチューブタイプのスライダーのコースを滑る。
水の流れと曲がれくねったコースが楽しいw
「きゃーーー!!!水だ!!!」
コースの途中に滝つぼのようなスペースもあり水が掛かったw
冷たいw
そして勢いよく下のプールに浮き輪ごとダイブした!!
「楽しかった~www」
前世のプールの遊園地以来、楽しんだわw
みんなと合流して感想を言い合う。
「あの滝壺の水が驚いたよなw」
「きゃ~ってなったw」
「驚き要素があるのが良いわよねw」
「僕もそこ驚きましたw」
「そこが俺たち技術者の思惑なんだぜw」
みんなの感想にウィキは偉そうに威張ったw
「そういえば、ウィキとユーエが仕掛け作ったんだっけ?」
リックが思い出したかのように私らを見た。
「・・・お姉様ならともかくウィキリードの思惑に乗るなんてうかつでした;」
「うかつって何だよ;;;」
アルフォンスは私ならともかく、
ウィキに乗せられた事に納得がいかないようだ。
・・・ウィキは憮然としてた;
そんな、こんなで次は『ジャグジー』に向かう事になった。
ここは魔法陣の印刻された風と水の魔道石が埋め込まれていて
勢いよくジェット噴射させる。
3つのジェット噴射口があり
中程度の浴槽(10人ぐらい)で楽しめる。
「やあ、リックw
君も風のジェットお風呂の楽園に来たのかい?」
「兄貴;婚約者のスーナ姉ちゃんはどうしたんだよ?」
「スーナなら飲み物を買いに行かせてるよ。
女の子たちといちゃつくのに邪魔だからね」
「スーナ姉ちゃんかわいそうに・・・;」
どうやら、リックの兄である第一王子がいたらしい。
周りに水着の女の子を侍られてハーレムしてる。
婚約者がいるらしいがこの様子だと
婚約者は蔑にされてるようだ。
リックはその様子にため息をついてた。
「ん?これはこれは綺麗なお嬢さん。
君がユーエリア殿だね?噂通り綺麗な方だw
僕はリックの兄のリチャード・サムエル・エンジェルムだ。
よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
リチャード様は色気ダダ漏れの泣きぼくろがある瞳で私にウインクした;
王妃似の美貌でリチャード様もかなりモテるんだろうけど;
女の子には見境ないようだ;
私にも興味を示してるし。
「この歳であのスタイル!!
リックが気に入るのも分かる気がするな~。
はっはっはっ!!」
「あ、兄貴!!!/////」
リックが顔真っ赤にしてる。
リチャード様、スタイルってセクハラですか?胸見てるし;
リックのガールフレンドだと勘違いされてるな私;
下僕2号(リック)と主人(私)の関係なのに;
否定するのもなんなのでそのままにしといた。
「王子さま~wwwわたくしのほうがグラマーですわよw」
「え~?私のほうがスタイルいいわw」
「わたしの方が巨乳ですw」
「私はちっちゃなお尻が王子様のお気に召すかとw」
「はははははwみんな嫉妬しないw
僕はみんなの王子様だからねw」
「「「「きゃ~~~~wwwww」」」」
リチャード様はハーレムの女子たちをハグしつつ楽しんでた;
どっかのビバリーヒルズなドラマみたいだよね;
ジャグジーに入ってるとこが特に;
私たちは呆れつつ黙ってリチャード様のいる所から離れた。
第一王子のいる『ジャグジー』に入りきらないので
隣の空いている『ジャグジー』に入った。
そこには商業ギルド長がいた。
「あ、ユーエリア様。気遇ですなこんなところで」
恰幅の良いハゲ頭(産毛あり)の商業ギルド長
トリーコ・カネダイースッキ氏はくつろいでいるようだ。
ブルックリン商会とカルビン商会の社長も一緒だ。
仲が良さそうで何よりで。
「この風のお風呂は気持ちいいですな~」
「さすが革新的なユーエリア商会の技術力です」
「もうユーエリア様も商業ギルドの主力、
我々、三羽烏の一員ですなw
四羽烏になるのか?はっはっはっw」
どうやら私はこのおじさんたちの仲間の一員にされたようだ;
・・・後はこの施設の仕組みの技術はどうだとか?
どのくらい儲けになりそうか?とか
(元手の100億イエンは取れるって言ってた)
などの世間話をした。
ウィキとアルフォンスは話に入ってこれずにいた;
リックたちは別の『ジャグジー』で
ジェットバスの気持ち良さに眠りそうになってた。
そこをくつろいでから出ると、私を探している義母と父の姿が見えた。
「ユーエリアさん、『貴族専用個室貸し切り露天風呂』はどこですの?」
義母の目的のメインである露天風呂の事すっかり忘れてた;
私はパンフを見ながらその露店風呂の所へ案内した。
『露天風呂』は貴族専用の個室の露天風呂(貸し切り)と
普通の露天風呂の2つがある。
私は貸し切りの貴族専用露天風呂に案内した。
「竹でできた獅子おどしとヒノキの浴槽に日本伝統の石が敷き詰められた石庭、
枯れ木と紫のアイリスのわびさびが美しい露天風呂です。
そこで湯船の上に浮かんだお盆で風呂酒が楽しめます。2人っきりで」
私がそう説明すると義母は目を輝かせた。
父も風呂酒に興味を持った。
「早く入りましょwしっぽり入りましょw2人でw」
「・・・うむ、そうだな。酒を飲みながら風呂か。いいな」
そう言って義母と父は貸し切り露天風呂に入って行った。
私はウィキたちと一緒に一般の露天風呂に入って行った。
そこは男湯と女湯に分かれているので男女分かれて入って行った。
<ウィキ視点>
俺たちは男湯に入った。ここは脱衣所で水着を脱いで入れるみたいだ。
タオルを巻いてリックとアルフォンスと一緒にはいる。
すると中には先客がいたようだ。
「おや?セドリック殿下ではありませんか?」
「リイム・スピアーズ赤の騎士団団長ではありませんか?
それと、レイル・サートクリフ青の騎士団長も」
「あら~www殿下お久しぶりねんw」
リックが王子様モードの敬語で目の前の2人に話しかけた。
真紅の七三分けのオールバックが真面目そうで黄金の瞳が鋭くキレ者っぽい。
その瞳がスクエアメガネから見え隠れしている男が
諜報や魔法を得意とする赤の騎士団の騎士団長らしい。
紅の騎士団長は少しお嬢様の義母に似ているな。
もう一人の男はおねぇ系のくねくねした青い長髪の男で戦争時、
軍を統括する青の騎士団団長らしい。
青の騎士団長は長い髪をタオルのターバンに纏めてる。
どっちも公爵だからここに招待されたのか。
リックの知り合いらしいし。
「あら?こちらの銀の美形はだぁれ?
それと金のかわい子ちゃんもお近づきになりたいわ~ww」
「あ、こちらの銀色なのがウィキリード。
金色なのがアルフォンス、ここの施設の建設企画を持ち込んだ者の弟です」
レイルは興味津々で俺たちを見てる。
なんか掘られそうだ;;;
対してリイムは真面目そうに「初めまして」と言い会釈した。
「あら?あのユーエリアちゃんの弟さんですって?
かわいいわ~www食べちゃいたいぐらいwww」
「ひっ;け、結構です;」
レイルからアルフォンスが距離を取りリックの影に隠れた。
危険って子供にも分かるんだな;
「レイル!ここは公共の場です!ふざけた態度はよしなさい!
しかも、殿下の前です!!」
「分かってるわよ~;もう、ケチね」
リイムに窘められてレイルは口をとがらせた。
「でも、ちょっとだけ・・・;」
「わああああああああああああ!!!!!!」
ちらり。レイルは俺の腰のタオルをめくった!!
「まぁ!エレファントね!!!」
レイルは俺のそれを見て興奮して輝かせた。
「・・・すごく、すごく大きいです;」
「ウィキ、以外にデカかったんだな」
「・・・負けました。ってレイル!!!」
「いや~んごめんねww」
リイムにレイルは怒られて悪戯っけな目でしなを作った。
みんなに俺のモノを見られて少し凹んだ。
なんで、男にこれを見られなきゃならないんだ;;;
はあ・・・;
<ユーエリア視点>
「何?今の叫び声?」
「ウィキおにいちゃんみたいだったけど?」
ノッレとイノーゼが隣の男湯から聞こえた。
「足でも滑って転んだんじゃない?」
と私はのん気に露天風呂に足を伸ばした。
裸にバスタオルを巻いてくつろいでる。
ここは野外に名だたる旅館の温泉のように絶妙な配置で岩を敷き詰め、
ヒノキの水路から湯船にお湯が流れている。
植林した森林に囲まれて森林浴しながらお風呂を楽しめる。
露天風呂の上には木製の雨よけの屋根が設置されている。
「極楽極楽っとw」
「それにしてもユーエって胸が大きいわよね;
ホント9歳?」
「大きい」
ノッレとイノーゼに私の胸をマジマジと見られた。
私はサイズを言ってみる事にした。
「たぶんDはあるんじゃない?」
「9歳でD;うらやましい・・・;」
「大きくなったらルルシアおねえちゃんみたいなお胸になるの?」
そこまでいくかな~?どうだろ?
「大きすぎても肩こりそうだしね;」
「あ!!それ、持たざる者に対する挑発ね!!
この脂肪め!!」
「ちょっ;いや;あ~~~~~ん;;;;」
私の胸を睨みながらノッレが揉んできた。
「ちょっ、そこ揉まないでいや~~~~~ん;;;;」
「この大き過ぎる胸がいけないのよ!!」
「みてられない;」
私の胸を背後から揉むノッレにイノーゼは顔を恥ずかしげに手で隠した。
その頃、ウィキたち男湯では・・・。
「お嬢様たち何話してんだ//////」
「ユーエって胸Dカップあったんだな;////」
「お姉様・・・////(鼻血)」
「あらあら、女同士の語らいって奴かしら?
あたしも参加したいわ~w」
「レイルは男でしょうに;」
「あら、リイム失礼ね!あたしは心はレディよ!!」
男湯にまでその会話が響いていたので、
男湯の連中は顔を真っ赤にしてたらしい。
ちなみに貸し切り露天風呂のほうにも響いていたので、
「・・・ユーエリアたちはなにやってるんだ;」
「若さゆえの暴走ですわね;」
って父と義母は呆れていたそうな。
こうして、露天風呂を出た私たちはシメの『サウナ』で汗を流した。
床に温度調整の魔法陣を印刻した水と風と火の魔道石を
敷き詰めて蒸気が上がるようにした。
寝っ転がるように仕切られていて塩をすりこみマッサージをする
塩サウナマッサージも楽しめる。
マーサージするスタッフもいつでも待機している。
「うううう・・・熱い;;」
「熱いです」
「ある意味、拷問器具だよな。サウナって」
リックとアルフォンスとウィキが熱さに耐えていた。
拷問器具ってウィキ;
リクエストに答えてサウナのプレイ部屋作ろうか?
「スタッフが塩マッサージしてくれるってw」
「料理の下ごしらえのお肉じゃないんだから;」
「わたし食べられない」
私が塩マッサージを頼もうとすると、
ノッレとイノーゼは嫌そうに顔をしかめた。
注文の多い某山猫の料理店の話を思い出したのかな?
(ちなみに似た話を私は本で描いて出版してる)
『サウナ』で汗を流した後、横の『水風呂』に入ってリフレッシュする。
みんな一息ついて楽になった。
それで外に出ると外に倒れている宰相を見つけた。
「ちょっ;大丈夫ですか?」
「耐久サウナ3時間。私、ローマ・サウザンティー一生の悔いなし!
がくっ;」
「ちょっ!水!!衛生兵!!!」
宰相は巡回してた騎士団に水とポーションをたっぷり与えられ回復した。
これを機に『サウナ』は1人10分以上入るのは禁止になった。
そんなハプニングもありつつも
お風呂テーマパークぬくぬくの里は大成功となった!!
そんな、こんなで閉園のあいさつをしてプレオープンは幕を閉じたのであった。
その後も着実に入園者を増やし続け、
ユーエリア商会が莫大なお金を稼げるようになるのは余談である。
つづく
ちなみに宰相がなぜ耐久サウナをやったかというと;
法案の可決を賭けて王様と勝負したかららしい;
・・・そんな事で国の将来を決めてもなぁ;