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第27話:お風呂テーマパークぬくぬくの里

<ユーエリア視点>


ついに『お風呂テーマパークぬくぬくの里』がプレオープンした。

王都近くのナギエン平原に建てられたテーマパークの街は

さまざまな水着や浴衣などの衣服や

かき氷やアイスクリームなどの冷たい食べ物、

王都中の名産品や特産品などが商人たちによって

売られていて人がごった返していた。

もちろん、テーマパークに入るため水着の更衣室の宿もたくさんあった。

ここで着替えてテーマパーク内に入る。

中心のぬくぬくの里のテーマパークでは

ビキニやワンピースやトランクスなどの水着に着替えた

男女たち大勢がプレオープン開催を心待ちにしていた。

お立ち台にのぼる1人の影が。

金髪金目の今日はポニーテールに縛った、白っぽいピンクのビキニ姿の

私、ユーエリア・アークレイが開園のあいさつをしに台に上がった。

風魔法で声をテーマパーク全体に響かせる。


「え~お風呂テーマパークぬくぬくの里建設計画発案者の

 ユーエリア・アークレイです。

 今日はテーマパーク開園のこけら落としにようこそ来てくださいました」


このプレオープンにはエンジェルム王国の王家の人全員や公爵級の貴族全員や

商業ギルドの人達、私の家族(使用人や商会従業員も含む)、

それに加え、孤児院の子たちも参加しています。

今日はこの人達で貸し切りです。


「ここは身分問わず王家の方も大貴族の方も

 商人も平民も平等に自由に遊ぶ場です。

 言いたい事はただ一つ!!!

 みんな、自由に仲良く楽しんで遊んでください!!以上。

 開園のあいさつを終わらせていただきます。ありがとうございました」


私のあいさつが終わるとぱちぱちと拍手が巻き起こった。

掴みはOKだったようだ。

続いて、王様や宰相や商業ギルド長があいさつしたが長いので

ここではカットする。

こうして開園式は終わり、みんな散り散りに好きなお風呂に入って行った。

今は夏なのでお風呂じゃなくて水風呂にしてあるのでプールみたいなものだ。

(ちなみに季節に応じてお風呂の温度は変えられる)

思いっきり泳いで楽しもう。


「お姉様!!どこに行きましょう?」


「どこに行こうか迷うわねw」


弟のアルフォンスはいろんな種類のお風呂に大興奮してる。

私もどこに行こうか迷う。

ちなみに弟の水着は黒のトランクスです。


「ユーエリアさん、その貸し切り貴族専用露天風呂は用意してあるのかしら?」


義母のドヌーブは父上グレンとの

ラブラブ露天風呂計画のために私にそこを予約させた。

義母は張りきったのか真紅のビキニで父にアピールしてる。


「もちろんw用意してありますわw」


私は親指を立てて義母に笑顔でそう答えた。


「よろしいwでは、グレン様wさっそく行きましょうw」


「その前にいろいろなお風呂を周るのもいいかと思うのだが;」


義母の勢いに父はたじたじだった。

父はちなみにトランプ柄の赤のトランクスの水着をしてる。

水着が赤なのは義母に押し切られて着たようだ。


「私と露天風呂に入るのがイヤなのですか?!」


「いや、そういう事ではないのだが・・・;」


「義母上、こういう時はムードが大切なのです。

 デートでさりげなく盛り上げてから入るのがマナーです」


雲行きが怪しくなってきた両親に対して、

私の助言に義母は


「デート・・・そうよねw

 2人っきりでいろいろなお風呂を楽しむのもありねw

 『流れる湯(プール)』って所に行きましょwグレン様w」


「ああ;」


と気を取り直してパンフレットを見ながら父と腕を組んで走り出した。

それを見送った私たちは気を取り直して『滝湯のお風呂』に行った。


「すごい!!滝のように水が流れてる!!」


アルフォンスは目を輝かせて滝湯にうたれた。


「そう言えば俺とお嬢様で水の流れ調整したな~」


「いろいろ大変だったね」


しみじみウィキと振り返る。

このテーマパーク全体の技術は私とウィキでだけ作り上げた。

ここの地下には超巨大タンクがありお風呂技術で無限にお湯が湧いている。

水に切り替えるには無属性の魔道石に温度調整の魔法陣を

刻みこんだものをタンクに組み込めばいい。

普通のお風呂だと40度の設定の魔法陣を

火属性の魔道石に魔法陣で組み込んであったが

ここの施設は無属性の魔道石を火属性の魔道石と連動して組み込むことで

お湯の温度を無属性の魔道石と火属性の魔道石に刻まれた

魔法陣の命令で自動的に季節に応じて調整する事が出来る。

複数の魔道石を組み込む場合、それぞれの石に

魔道線と呼ばれるラインを繋がなければならない。

魔道線はミスリル(魔法が通りやすい銀)で出来ていて

それぞれ石にそれを繋いで埋め込んでいる。

こうして自由自在にお湯の温度が変えられるのである。

ちなみに無属性の浄化の魔法陣が刻まれた魔道石も

タンクと施設の水回りの要所に埋め込んである。

それぞれのお風呂に地下からお湯をくみ出し

魔道パイプで水の流れをコントロールして形成している。


滝湯は魔道パイプで一気に上へ水流を汲み上げ

それを滝のように重力に任せて落下させる。

しかし、普通のお坊さんの修行みたいな滝行のように

すると痛いので流れはお客さんに心地よいレベルに弱めている。


「俺が滝湯の強さの実験台になったんだよな;」


「ふざけて修行僧の滝行のような強さでうたせた事もあったねw」


「お嬢様のドSさを改めて思い知ったぜ;」


「だって、楽しいんだもんwww」


その時、いてててててて!!!!と滝の水圧に泣き叫ぶウィキが面白かった。

笑顔でその様子を思い出してると

ウィキは紺のしましまのトランクス姿で項垂れた。


「お姉様!!ウィキリードなんかと話してないで

 僕と一緒に滝にうたれましょうw」


「わ、待って;きゃ~~~~www冷たいw」


「気持ちいいですw」


私はアルフォンスに連れられて滝湯をまんぞくするまで浴びた。

心行くまで遊んだ後、次は『薬湯』に行った。


「薬草の匂いがしますw」


「ポーションの他に薬草も浮かんで浸かると身体に良さそうね」


「誰か先客がいるみたいだ。いちゃついてるからカップルか?」


アルフォンスは『薬湯』の薬草の匂いを心地よく嗅いでた。

『薬湯』に誰か浸かっているのをウィキは発見したようだ。

湯煙で近づかないと分からないがカップルが『薬湯』に入っているらしい。

入浴剤も薬草を錬金術で調合している薬湯なのだが、

それをさらに薬草その物をいれてみる。

菖蒲に似た葉っぱの打ち身に効くシーップ草

サロン○スに似た匂いのする草で腰痛に効くハルオン草、

アロエに似たお肌によく若返りに効果がある美容に効くビジョー草。

などなどを日替わりでブレンドして薬湯にしている。

『薬湯』の側まで行くとそこには陛下が王妃様と一緒に浸かっていた。


「ユーエリア殿ではないか。この湯はいい湯だなw

 私の腰痛にも効いてるぞ」


「この湯は美肌にも良いと聞きましたわw

 お肌がつるつるになった気がします」


「ありがたき幸せにございます」


私たちは貴族のマナーにしたがい臣下の礼をとり陛下と王妃様に跪いた。


「よいよいw今日は無礼講だw

 今日は身分関係なく楽しんでほしいとお主も言ってたではないか」


陛下から楽にして良いと言われて私たちは正座をした。

この人はエンジェルム王国の王様である、

リムニスタ・サムエル・エンジェルム様は

リックに似たダンディな顔をしながら腰をさすっていた。

イスに座り続ける職業柄、腰痛に悩んでたらしい。

リックが年を取ったらこんな風になるのか;

遺伝ってすごいなと思った。

王妃様であるリリアーヌ・サムエル・エンジェルム様は

お肌が気になるのか美肌にいいこの湯を気に入っているようだ。

今でも水色の流れる長い髪に翡翠色の瞳の超美人である。

お肌なんて気にしなくても十分若く見えるけどな~。


「あら、若いなんてありがとうw」


「あ、心の声を話してしまいました・・・;」


若いと褒められて王妃様は照れているようだ。


「リリアーヌはいつまでも若いよw」


「あらwあなたったらw」


そのままチューーーwwwっと陛下夫妻はキスしてた。

真夏の気温に合わせてラブラブ度も上昇してる;

いちゃついているのが分かる通り、陛下たちは恋愛結婚だ。

牧場を趣味に(お城の私有地に牧場を持ってる)

農作業をしている陛下を王妃様は

当時お城のメイドで同じ下働きと陛下を思い意気投合して

紆余曲折の末に結婚したらしい。愛って農業王国では身分を越えるんだね;

感心しつつ馬に蹴られたくないので

陛下たちに「失礼いたします」と言って私らは立ち去った。


次は蒸気で蒸した部屋で汗を流す『砂風呂』に行く事にした。

そこでは個室で専用の浴衣を着がえ。砂風呂部屋に入ります。

大きな部屋の半分には砂が敷き詰められていて

その砂の上に寝っ転がります。髪が砂に付かないよう枕が置いてあります。

スタッフが隣国の砂漠の砂と原塩をブレンドしたものを

寝っ転がったお客さんに掛けて

顔以外の全身をすっぽりと砂塩で覆います。

入ってから出るのに20分間が目安。


その『砂風呂』の砂に埋もれている

緑の騎士団長のジークハルト・シュタイナーと

その恋人で王女のエリザベス・サムエル・エンジェルム様がいた。

この人はリックの姉である。

2人は砂に埋もれ汗を流していた。

特に王妃様似の美貌がエリザベス様は台無しである。

『天使のような美しさを持つ姫』って呼ばれてるのに;


「や、やぁ;ユーエリア殿;」


「初めまして;いつもうちの弟がお世話になっています;」


汗をかきながらエリザベス様たちはそう言った。

砂の中から言われてもねぇ・・・;


「こちらこそ、リックには大変お世話になってます;」


貴族の礼儀にしたがってエリザベス様たちにそう返しといた。


「いえいえ;これからもリックと友達でいてあげてねw

 それにしても、熱いわ・・・。

 ジーク、こんなとこに付き合わせてごめんね;」


「いえ、エリのためなら例え火の中水の中、砂の中でも我慢するよ;」


どうやら、こっちもラブラブなようだ;

愛の為なら砂の中でも我慢する緑の騎士団長だった;

私たちも砂の上に寝転がりに待機していたスタッフに砂を掛けられた。


「お姉様;熱いです;」


「砂に埋もれながら汗をかく事で身体の毒を出す効果があるのよ;

 我慢なさい・・・;」


「俺、砂地獄始めてかも・・・;」


口々に私たちは砂風呂の感想を言った。

ウィキ、砂地獄って;蟻地獄みたいに言わないでよ;


「私も身体の調子を良くするために入っているのよ。最近冷え症で」


「俺も最近訓練で身体がなまっているからな;」


どうやら、エリザベス様やジークハルトは

身体の調子を良くするために入っているようだ。

冷え性ってこの世界にもあったんだね;

こうして20分間、砂に埋もれた後、

浴衣を脱いで特設のシャワーを浴びてクールダウンしました。


「涼しい~www」


「いい汗かいたって感じがするなw」


「さっぱりw」


「水が心地いいわw」


「汗にはシャワーに限るなw」


みんな、さっぱりして『砂風呂』を出ました。

私たちは王女様と別れた後、次は『流れる湯(プール)』に行きました。

今は夏なので『流れるプール』になってます。

楕円上のドーナツ型のプールで右方向に水が流れています。


「わーすごいwこれ面白いw」


弟も流れに身を任せて心地良さそうです。

ここはプール内に水が流れるよう水属性の魔道石で水流の流れを作ってる。

魔道パイプと仕組みは同じです。

補助で水中に水を出す口が斜めに付いていて、

適度な所で水の排水口(吸水口・循環口)をバランスよく

配置してるのも強みだね。


「おい、あれニッキーじゃね?」


「ほんとだ」


ウィキが指差す方向を見ると

ニッキーが流れるプールに逆らってクロールしてます。

しかも早い。

それを呆れながらロザンナとマークスが見てます。

すると、私たちがいることに気づいたようです。


「あらユーエたちじゃないw」


「気遇」


「ぐぼっ;あ、ユーエだ;一緒に泳ごうぜw」


ロザンナとマークスに手を挙げてあいさつすると、

ニッキーは口に水が入ったのか慌てて泳ぎを止めてこっちを見ました。


「流れに逆らって泳ぐなんてサメじゃないんだからさ;」


「サメもこんな感じで泳ぐのか?」


ニッキーは不思議そうに私を見ました。


「サメ、ずっと泳いでないと、呼吸困難、死ぬ」


「マークスかしこいわねw」


「本、読んだ」


マークスは本で読んで知ったようだ。

ロザンナが感心している。


「じゃあ!俺もサメ目指すぜ!!

 競争しようぜ!!ウィキ!!」


「望むところだ!!」


そう言ってニッキーとウィキは流れるプールを逆走して泳いでいった。


「お姉様、あれを何て言うんでしたっけ?

 『バカの川流れ』?でしたっけ?」


「『河童の川流れ』よ;」


「いてーーーーー!!」


「足が!足が!」


アルフォンスが泳ぎ過ぎて足をつって

溺れたウィキとニッキーを指差して呆れていた。

バカの川流れでもいいかもしれない;

気を取り直してウィキが治癒魔法で足がつったのを回復させると

次はニッキーたちと別れ『大波のお風呂(プール)』へ行った。

ここは塩水になってて海と同じように波が打ち寄せている。

仕組みは壁の無属性の空間魔法の巨大魔法陣で空間を発生させ、

その空間を真空状態にしてプールの水だけを吸い上げる。

それからその空間に入った水を吐き出させる。

この大量の水がうねりとなって出て行ってこれが波になるわけ。

ウィキが仕組みの原案を考えて、実行は魔力が多い私がやった。

かなり、画期的な技術らしく商業ギルドの人達もそれを見てすごく驚いてた。


「本物の海に来たみたいですw」


「浮いてるとかなり楽しいわよw」


私とアルフォンスは並みに揺られてクラゲみたいに漂った。


「サーフィンもできるぞ」


見るとウィキがどこからかサーフボードを取り出して乗ってた。


「きゃ~ウィキさん、カッコいい~wwww」


「アンナ、はしたないですぞ;」


「ウィキリードにあんな特技があったんですね;」


「クレアさん、トロピカルジュース持ってきました」


向こうのジャングル休憩エリアで

花柄のカラフルなビキニを着たアンナがウィキに向かって手を振っていた。

それをたしなめる黒いトランクス姿のアドバーグ。

あ、腹筋が割れてる;さすが、武芸もできる執事;

ビーチシートに寝そべりながら

水色のワンピース水着のクレアさんはウィキのサーフィンに感心してた。

青のトランクス姿のキラはクレアさんに

トロピカルジュースを差し出して配膳してた。

ウエイターのようね;

ちなみにジャングルの木々は土魔法が得意なノッレの派生魔法で

木魔法があるので私が図解でジャングルのヤシの木を説明したら、

それを生やしてもらってできた。

彼女らに見られつつも『大波のお風呂(プール)』を楽しんだ。


つづく

このテーマパークは某長島の遊園地のプールをイメージしてますw

主人公の前世が名古屋人の設定なので;

かなり楽しんでいますねw次回もプールの様子を書きますw

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