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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
ブルームテンペストサーカス編
26/126

第20話:誘拐の理由

<ウィキ視点>


瞬間移動でお嬢様の場所に移動して無事、俺は合流した。

まさか、犯人たちをお嬢様がリンチしてるとはさすがドS;


「く、お前がここにいるって事はミーロたちはやられたようだね」


「まさか、ミーロ達を殺したんか!!」


俺たちを見て悔しがるヤーミ。

仲間を殺されたのかとウィキに怒るフロド。


「まさか。あんたたちの仲間は生きて捕らえてあるよ。

 それとあんたの妹のミーロだっけ?

 病気なのか血を吐いたからエリクサーで治しといた。

 あ、病気じゃなくて呪いの間違いか?」


「ど、どういうことやねん?;」


俺の言葉にフロドは動揺した。

1時間前の別邸の様子を俺は話し始めた。


<1時間前、別邸にて>


俺はしびれ粉でしびれて動けなくてってた。

ちくしょう、聖水が混ざってるから俺には効果抜群だ。

この製法は大昔の錬金術だな・・・;

やっぱあのフード野郎は俺と同類か・・・;

しかし、現代の錬金術にアレンジしてあるから

麻痺治しのポーションで治るな;


「ミーロしっかりして!!」


倒れた血を吐いたミーロにルルシアが駆け寄る。

ノッレも泣きそうだ。


「ど、どうしたのですか?!」


「血を吐いてる!!」


「大丈夫?」


「この状況は一体」


部屋にやって来たアドバーグさんとキラとアンナとクレアさんが

血まみれの部屋の状況に慌ててる。

ノッレは意を決したように叫んだ。


「アドバーグさんは倒れているミーロをベッドに運んで!!」


「キラは錬金部屋から高濃度のエリクサーと

ウィキさん用に麻痺治しのポーションを

 それとアンチカースポーションを!!」


「アンナさんとクレアさんはお湯が入った桶とタオルをお願い!!」


てきぱきノッレはアドバーグさんたちに指示をする。

それに「分かりました!!」とみんな答えて行動した。

俺はキラから麻痺治しのポーションを飲まされて回復した。

やっと動ける。

アンナとクレアさんはベッドに寝かされた

ミーロにエリクサーとアンチカースポーションを飲ませた。

血が止まり寝息も穏やかになったようだ。


「ミーロよかった・・・」


ルルシアは藍色の瞳を潤ませ助かったミーロを見てほっとしたようだ。


「それにしてもミーロが病気じゃなくて呪いだってよく分かったな」


俺がノッレを見てそう言うとほっとしたようにこう答えた。


「キラから闇の呪いの症状について話を聞いた事思いだしたの。

 なんか血に黒い物が混じってて、

それに闇の魔力を感じたからもしかしたらと思って」


「そうだったのか」


時々、キラに医療の事についてノッレは聞いているらしい。

たまたま、話をしていたのが功を奏したようだ。


「そんならキラとノッレのお手柄だよな」


「2人ともすごい」


「そんな事ないですよ」


「ありがと」


リックとイノーゼもノッレとキラを褒めた。

2人は照れているようだ。


「やっと追いついたぜ!!ってこの状況何?」


「床、血がついてる」


「状況が分からないわ」


「・・・いててて、スマートに運んでよ;」


「う、痛てえ;;;;」


ニッキーとマークスとロザンナが遅れて登場した。

簀巻きになった誘拐犯たちを引きずってこっちに持って来たようだ。

空中ブランコ乗りで小人族の男女の双子は気絶してるが

ナイフ投げと火吹き男は気が付いているようだ。

ニッキーたちに状況を説明すると

ユーエを結局、誘拐された事に悔しい表情をしてた。


「で、なんでお嬢様たちを誘拐したんだ?

 金か?」


「そんなんじゃないわ!!ただ、孤児院の子供たちを守りたくて・・・」


俺がルルシアに誘拐の目的を聞くとぽつりぽつりと話し始めた。


「私たちサーカス団はバッファロー男爵が経営してる孤児院の出身よ。

 貧しいながらも楽しく暮らしてたわ。

 孤児で職がない私たちにサーカス団を結成させて手に職を付けてくれたわ」


どうやらサーカス団員はみんな孤児のようだ。

思った通り男爵はパトロンだったらしい。


「けど、5年前からカウ様は老化の呪いを受けて

めったに外へ出ないで部屋に籠るようになった。

 それから、1年前、怪しい治癒魔道師のヤーミを

 屋敷に招いてからおかしくなった。

若い姿に化けられる魔道具で夜会や舞踏会にも再び出始めたし・・・。

 そんなある日、カウ様は私たちに貴族令嬢誘拐を指示したわ。

 だけど私たちがそれに逆らおうとするとカウ様は孤児院の経営を止めるって」


「あいつ、ヤーミは治癒魔道師って感じじゃなさそうだったぞ。

 闇の魔力を感じたし、むしろ呪術師って感じだった」


「え?」


みんな俺の言葉を聞いて驚いていた。


「私がミーロに会いに行った時、

 あのヤーミって奴に会ったけど闇っぽい魔力は感じなかったわよ」


「巧妙に隠してたんだな;かなり高度な魔道師みたいだな」


ノッレ程度ではあの魔道師の隠匿能力は見抜けなさそうだ。

ヤーミは人間じゃないみたいだし。


「じゃあ、もしかしてミーロの病気は・・・」


「あのヤーミって奴が呪いを掛けてたんだな;

 治療と偽って」


「そんな!!!」


俺がそう言うとルルシアは真っ青な顔をした。


「許せないね!!ミーロにそんな事して騙しやがって!!」


「そんな・・・ヤーミの奴!!」


ナイフ投げのガルドと火吹き男のジャンもヤーミに憤りを隠せないようだ。


「・・・許せない」


ノッレも静かにヤーミに怒りを燃やしているようだ。


「とにかく、男爵とヤーミの野郎をぶちのめして

 ユーエリアを取り返す必要がありそうだな」


「あの野郎ども、ぶちのめしてやる!!」


「わたしも!!」


「俺も!!」


「私も!!」


「私も!!」


「僕も!!」


「僕も同じです」


リックたちみんなもこんな事した奴らを許せずにぶちのめしたいようだ。

しかし・・・。


「お嬢様の居所は見当がつくが男爵領にここから行くには1週間以上かかるぞ」


俺との従魔の契約でお嬢様の居所は分かるが如何せん距離がありすぎる。

そう言うとみんなは困った顔をした。


「俺だけなら瞬間移動の魔法ですぐ行けるんだが・・・;」


瞬間移動の魔法はここ3年で魔力が回復したから使える。

それをするしかない。しかし、俺だけしか移動はできない。


「俺らは足手まといか・・・」


「少なくともヤーミはかなりの魔法の使い手みたいだしな」


その俺の言葉に悔しがるリック。

みんなも同じようだ。


「・・・必ずそいつらをぶちのめしてユーエを助け出してね。約束」


ノッレが小指を出して俺と指きりした。


「必ず助け出すさ。俺はお嬢様の第一の下僕だからな」


俺はそう言うとお嬢様の部屋から瞬間移動した。

つい某わがままなカチューシャをした女の子の団長率いる

救難信号な名前の部活にいる男子高校生みたいなセリフを言ってしまった。

俺とお嬢様も部活の団長と男子高校生の関係に似ているのかもしれない;



<現在>


「こういう訳だ」


俺が一通り説明するとフロドがヤーミに掴みかかった。


「呪いってどういうことやねん!!!

 ワイの妹に何してくれやがるんや!!ボケ!!」


「目的のためには仕方なかったんだよ。

 そうでもしないという事聞いてくれないだろ?」


ヤーミは気にした風でもなくそう答えた。


「それにその呪い。実は孤児院の子供たちにも仕掛けてあるんだよね。

 俺が念じるだけでその子たち死ぬよ?」


「・・・この外道が!!」


ヤーミの脅しにフロドは歯を食いしばって口から血を流した。

ヤーミ何て奴だ・・・。


「・・・さ、どうする?

 逆らってここで子供たちを死なすか?

 従って助けるか?」


「くそ・・・!!」


ヤーミの言葉にフロドは俺たちに向かってナイフを構えた。


「いい子だな・・・。

 さ、捕まる訳にはいかないしユーエリア嬢たちには死んでもらうよ」


そうヤーミが言うとフロドとともに俺たちに襲いかかって来た。

ヤーミは魔法で闇の剣を出した。

闇属性の魔力を無理矢理剣の形にしてるようだ。


「ほう?闇の剣を普通の剣を受けるとはさすが同族だ」


「同族?俺は悪魔だ!普通の魔族とは訳が違うんだよ!!」


俺がそう言うと剣でヤーミの頬に切り傷を付けた。


「悪魔だって?悪魔は魔族にとって神だ!!

 本来、魔神と呼ばれている崇高なものだ!!

 その方々と同列だと?ふざけるな!!」


そうヤーミが怒って闇の魔力を増大した。


「『ダークマッドプリズン』」


ヤーミの魔法で俺の足元が暗黒の沼のようになって足が動けなくなった。

そして、真横に一振りで切りかかって来る。


「『ダークミスト』」


俺は自身を闇の霧に変えて剣の攻撃を通りぬかせて避ける。


「危ねえな!!」


「さすが同じ魔族。闇魔法もそれなりに使えるようだね。

 闇の眷族同士勝負しようか?」


ヤーミは周りに闇の空間を作り出して俺の周りを攻撃し始めた。

丸い闇の塊が次々に襲ってくる。


「はははは!!『ダークコア』に触れると魔族と言えども消滅するんだよ!」


「くそっ」


結構、死角からえぐい攻撃しやがる。

少し触れただけでじんじんするし。

俺はそれを次々と真っ二つにしていく。


「おや?魔法を切れるとはかなりの魔力の持ち主のようだ。

 けど、悪魔って割には魔神には遠く及ばないようだけど」


「ほっとけ!!」


俺は封印されてたからあの頃より弱くなってんだよ!!

気にしてるのに!!


「さ、遊びは終わりだ!!

 『ブラッディクロスボックス』」


ヤーミが手を上空に構えると血がドロドロと湧きでる

十字架型の棺桶が現れて俺を閉じ込めた。


「あっけない・・・。

 口先だけの偽悪魔だからこんなもんだろうけど。

 さて、ユーエリア嬢をなんとかしに行こうか」


とヤーミが棺桶から踵を返した所・・・。

棺桶からヒビが割れる音がした。


「な・・なに・・・?

 なんで十字架の棺桶から光が・・・?」


「俺はタダの悪魔じゃないんだよな・・・。

 魔族の雑魚少年!!」


俺は光の魔力を爆発させて棺桶を破壊して抜け出した。


「なんで魔族が光魔法を使えるんだ?;;;

 ありえない・・・」


「そのありえない存在がここにいるんだよ!!

 じゃ、反撃開始と行きますか」


俺は収納魔法を使って中から釘バットを取り出した。

光の魔力を通して輝かせる。


「喰らいやがれ!!

 『スイングショット』!!」


「ぐぼっ!!!」


俺は野球のバットのようにヤーミを殴りつけた。

お~よく飛んだな。

自慢のフードがボロボロになって奴の顔が見える。

結構美少年だ一角のツノに黒い髪と赤い瞳が魔族の特徴をよく映えている。

怯えているようだけど。許すわけにはいかないな。

俺は悪魔だからな。魔族でも容赦しないし~。

笑顔で釘バットを構えた。


つづく

諸悪の根源のヤーミをボコってほしいものですw

それにしてもミーロ助かってよかったw

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