第19話:古城に連れ去られたユーエリア
この話にはシモネタが含まれています;
耐性のない人は読まない方が無難です;
<ユーエリア視点>
「・・・ん?」
私は思い目を開けた。
薄暗くカビ臭いニオイがする・・・。
柔らかい、上を見上げると天蓋の薄い膜が見える。
どうやら天蓋付きベッドに寝かせられたようだ。
相当古い物みたいだけど。
「・・・それにしてもここどこよ?」
私はぎしっとベッドを鳴らして起き上がった。
「あ、伯爵のお嬢様。起きたんか?」
「フロド?」
横を見ると白塗りの化粧をしてサーカスの道化師の衣装を着たフロドがいた。
「かんにんな;あんさんが寝てる間に着替えさせてもろたわ」
「あ、服がドレスに変わってる;」
私は白いネグリジェからシンプルなクリーム色のドレスに変わってる。
寝てる間に着替えさせられたようだ。
けど、ロープで縛られてる。
あ、これうちの商会の品で縛られた人が魔法を使えなくする奴だ。
「エッチ・・・」
私が色気がある風にフロドを見る。
するとフロドは慌てて顔を真っ赤にした。
「あ////////結構、ええ身体やったで;;;9歳やのに・・・;
ってワイはロリコンちゃうって!!胸はあったけど;」
「ノリ突っ込みありがとうございます;」
どんな状況でもボケるとはさすが芸人。
って感心してる場合じゃないわ;
「ここどこよ?」
「ここはバッファロー男爵の初代当主が大昔に建てた古城や。
なんか、男爵の家は大昔は伯爵やったらしいで。
けど、子孫がヘマして降格されたんやって」
「けど、男爵領にはそれらしき建物はなかったわよ?」
「それはヤーミが隠匿の魔法の『ステルス』やっけ?
それを城全体にかけとるからや」
どうやら、この古城は男爵家の古い遺産らしい。
『ステルス』が掛けてあるから見つからなかったのか?
私を欺けるほど巧妙に魔法を掛けられるとはヤーミはすご腕の魔道師らしい。
ギィィ・・・と部屋の扉が開き黒いフードのヤーミが入って来た。
「あ、目覚めたみたいだね・・・」
「誘拐犯。なんでこんなとこ連れてきたのよ?」
私が半眼でヤーミを睨むとおお怖いと
ヤーミはオーバーリアクションでおどけた。
「それは男爵から聞いた方がいいんじゃない?
ついてきて。フロド、ロープ持って」
「・・・分かっとるわぁ」
私は縛られたロープをフロドに引っ張られ歩かされて、
ヤーミに着いていった。
「結構、カビ臭いわね」
「ああ、古城内の掃除はしてないからね。
メイドに掃除させてバレるとやっかいだし」
どうやら古城内は掃除されてないようだ。
あちらこちらにクモの巣が張られていて、
飾られている美術品の絵やアンティークな調度品なども
放置されて風化しかけてる。
シャンデリアも古く、天井には人形の手足が吊るされてた。
「悪趣味だわね」
「ワイもそう思うで・・・;」
「それは男爵に直接突っ込めばいいじゃん;僕も嫌だ;」
私とフロドの感想にヤーミも同じように思っているのか苦い顔した。
全員男爵の趣味が嫌と思ってるらしい。
なんで誘拐の実行犯と意見が一致しなくちゃいけないのか不満ね;
シャンデリアのある大広間の横の階段を登り
2階の廊下を進んで突きあたりに扉が現れた。
「ここに男爵がいる。おもてなしをするから入って」
「お・も・て・な・しって感じ?」
「なんや?ユーエリア様、おもろいな~芸かなんかなん?」
某有名女性アナウンサーが東京にオリンピック招致を勝ち取った動作すると
フロドから珍しそうに見られた。ギャグと思われたらしい。
とりあえず、部屋の中に入るとそこは食堂だった。
綺麗に掃除されていて真っ白なテーブルクロスが掛かった
横長のテーブルの上には
銀食器にフランス料理のようなごちそうと果物の山があった。
食事しながら話しましょうという事らしい。
「やあやあ待ってたよ。やっとあの本の作者に出会えるとは光栄だ。
ユーエリア・アークレイ伯爵令嬢。
あ、ペンネームのコーノミヤ・ジンジャーさんのほうがいいかな?
ボク、君の大ファンなんだ!!握手してw握手w」
初老のシワで頬がたれたかっぷくの良い白髪の男が現れた。
どうやらこいつがバッファロー伯爵らしい。
ちなみにコーノミヤ・ジンジャーという名前は私が本を書く時のペンネームで
前世の実家の国府宮神社から取った。
握手って私、縛られてるんだけど;
「あんたは?」
「あ;;;自己紹介がまだだった;緊張してて、ごめんね~;
ボクはカウ・バッファロー。貴族の位は男爵だよ。よろしくw」
あのサーカスのテントで見た写真の男の親かしら?
私が怪しんで男爵を睨むと奴は顔を明るくしながら慌てて自己紹介してた。
何だか歳を取ってる割に少年のような口調をしてる。精神年齢は幼いようだ。
「最高級の子羊の肉のディナーを用意したんだった。
さっそく、食べて食べてw」
私は男爵に促されてイスに座らされた。
そばにはフロドとヤーミが見張りなのか控えている。
「縛られてるから食べられないし。
それに、真夜中に食事すると太るからいらない」
もしかしたら毒入ってるかもしれないしと思って私は顔をそむけた。
「あ、そうだったの;;;;;
ごめん、ごめんね~;;;;フロド、縄取ってあげて」
「え?でも抵抗するんやないですか?」
「大切なお客様なんだから。ねwねw」
フロドは男爵からそう言われて私の縄を解いた。
まぁ、それでも食事には手を付けなかったけど。
「で、本題は何?」
「ああ、そうだったw
君が書いた『48手の書』あれは素晴らしいね~。
ボクはあの体位の中で上に乗る奴がやってみたいんだ~」
・・・この男爵は私とエロトークをしに私を誘拐したのか?
「それとお互いが大事の部分を咥えるのも興味あるしw
あ、女性のピーな部分も啜るのもいいよねw
それにピーやピーやピーもいいよねw」
放送禁止用語を連発する男爵;
フロドとヤーミはそれを聞いて顔を真っ赤にしてる。
2人は純情のようだ。
「それに、本の付録の『ドSの書』だっけ?
あれも夜の小道具がいっぱい載ってたね;
使い方が刺激的でボク鼻血吹いたよ;」
「一応、あれを商会でも売ってるけど・・・;」
実は夜の小道具も商会で売ってる;
それの販売促進のために本を書いたようなものだった。
「君ももしかして使ってたりする?www」
「一応、プレイに・・・;」
「「えええええええ;;;;」」
私がそう答えると男爵は目を輝かせて、フロドとヤーミはものすごく驚いてた。
「あんさん子供やんか!!」
「いたいけな子供がそんなの使っちゃダメだ!!」
「下僕に使ってるわ・・・女王様プレイでw」
「「ええええええええ!!!!」」
慌てて私を窘めるフロドとヤーミだった!!
私の下僕に使ってる発言に彼らは大混乱してるようだ。
「も、もしかして処女じゃなかったりする?//////」
男爵が顔を真っ赤にもじもじしながらそう聞いてきた。
「まだ、経験済みじゃないけど?(この世界では)」
前世では私は経験済みだったけど、転生してからはまだバージンだし;
子供だもんね・・・;一応;
その答えに一同ほっとしているようだ。
「そうやな;子供やし・・・;」
「でも、相手に夜の小道具使ってるんでしょ?;問題があるよ;:」
「よかった~ボクの目的が果たせそうだ」
「目的・・・?」
どうやら男爵の誘拐の目的はエロい事のようだ。
・・・嫌な予感がする;
「あ、それについて説明しないとね;
ついてきてほしいんだ」
男爵はイスから立ち上がるとフロド達と共に私を古城の地下へ案内した。
コツンコツンと石の階段を下ると鉄の扉が見えた。
そこを開いて中に入ると・・・。
「なに?これ?」
地面には何やら巨大な魔法陣が描かれていて、
檻にはぐったりした貴族の令嬢らしき女の人達が入っていた。
「実は5年前から呪いで老けて、大事な所がボク勃たなくて・・・。
今はこんなんだけどホントの年齢は25歳で
昔は現役バリバリだったんだよ!!
なのに・・なのに・・(涙)
それでそれを何とかしたくて悪魔召喚して
回春してもらおうと思うんだ。
そのためにユーエリア殿に性的指導をしてほしいんだ」
なんと;男爵はedでそれをなんとかしたくて誘拐を起こしたらしい;
25歳って;どう見ても男爵は50歳にしか見えない・・・;
呪いで勃たなくなったってご愁傷様です;
話が本当ならどうやらあの写真の若い男と同一人物らしい;
それにしてにedが誘拐事件の原因ってくだらない理由だった・・・。
「悪魔召喚に頼らなくても;
回春の薬でも買えばよかったでしょ?
その辺の店にも売ってるし;」
「どの薬でもダメだったんだ!!(涙)
王都の3番街の怪しいお店の奴でも効果なかったし・・・」
どうやらedを回復させる薬はなかったようだ。
こんな事件を起こされるくらいならうちの商会で
回春の薬を研究しとけばよかった;
「悪魔を召喚するには処女と童貞がピーをしてイカせる必要があるんだ;
いろんな童貞の子を処女とさせたんだけど・・・失敗して;
それで最終手段で童貞のヤーミをその辺の処女の女性と
ピーをさせようとしたけど:
ムリで・・・」
「もしかして;貴族令嬢もムリヤリ猥雑なことしたんじゃないよね?」
「・・・仮面舞踏会でやってる子もいたのか処女の子は少なかったけど。
中にも処女の子もいたからエロい事をしたよ・・・;」
ぶちっ!!!それを聞いて私はキレた!!
貴族は性に奔放だっていってもムリヤリ犯すなんて
男の風上にも置けない奴だ!!
私は男爵に飛び膝蹴りをした。もの凄い音が地下室に響いた。
「ぐぼっ!!!!!」
「貴様の粗チ●のせいで令嬢たちはいかがわしい事されたのか!?
あ゛あ゛んっ?!!
レイプはこの世の中で一番やってはいけない事だわよ!!!(怒)」
私はもの凄い勢いで男爵を蹴ったり殴ったりリンチをした。
「・・ごはっ・・君だって男に変態プレイをしてるじゃないか・・;
ごはっ!!」
「男は尻に敷かれる存在で十分なんだからいいの!!
対象的に女の子は全世界で保護されて当然な存在なの!!
だから、女は男にプレイしてもいいのよ!!!」
「無茶苦茶だあああ!!!(涙)」
私の持論に男爵は涙して殴られていた。顔がぐしゃぐしゃである。
「カウ様!!!」
「ちょっ;;;やりすぎや!!!やめや!!!」
止めようとするヤーミとフロドにも蹴りと殴りを喰らわせる。
「ごはっ!!」
「ぐはっ!!」
「あんたたちも誘拐に加担したから同罪よ!!」
2人にも同じぐらいリンチの刑をした。あ、顔がアンパ●マンw
「ふざけやがって!!『ダークアロー』!!」
ヤーミがキレたのか魔法で闇の矢を発生させて私に向けて撃って来た。
すると、その飛んできた魔法の矢を握り潰して消す男の姿が。
「やれやれ;お嬢様、ハデにやったな;」
銀髪の私の下僕のウィキが現れた。この状況に呆れてるようだ。
「遅いわよ下僕」
「はいはい、下僕一号、ただ今、参上いたしました」
私の言葉にウィキはわざと私に跪いて苦笑いした。
「さて、お仕置きの時間ね」
「俺たちが揃ったからにはブタ箱行きは覚悟するんだな」
私とウィキは手をボキボキ鳴らして男爵どもを睨んだ。
女の敵には容赦しないわ。
覚悟はよろしくて?おーほっほっほっ!!!!
つづく
はい、誘拐の目的がedとはなんとまあ・・・ハズい目的でしたね;
書いててこっちが恥ずかしくなりました;;;;;
次回、なぜウィキがこっちに来れたのかを書きますw