プロローグ
「ちょっ待てよ!!!」
学校からの帰り道の夕暮れ時、
私は通ってる高校の同級生の鷹宮に呼び止められた。
「なんか用?」
私はめんどくさそうに振り向いて奴を見た。
「なんで?!お前は寝てばっかりなのに
いつも学校の試験1位なんだよ?!」
「実力じゃないの?」
私は半眼で鷹宮に答えた。
鷹宮はこの前の期末テストの結果が気に入らなかったらしい。
「嘘だ!!!」
奴はどっかの村の鉈持って精神が壊れる症候群みたいに叫んだ。
「嘘なら毎回、私がテストが1位なわけないし。
全国高校生統一テストも1位な訳ないじゃない」
私は全国の模試も1位を取っている。
っていうか高校生の授業の内容は全部頭に入ってるし。
だからつまんなくて授業はいつも寝てる。
スポーツも万能だけど手抜いてるし。
あ~あ、絡まれるぐらいなら大検受ければよかった。
私、IQ200あるのよ。
「全国模試まで・・・。
お前、カンニングしてる訳じゃないよな?」
「は?」
「だって、おかしいじゃないか?!
中学の時はぱっとしない奴だったのに俺よりも頭がいいなんて。
何よりも有名予備校に通って神童と呼ばれて
神に才能を祝福された俺よりも 上?何かの間違いだ!!」
「ナルシスト?自画自賛はこっそりしたほうがいいんじゃない?」
「ばっ!!違う!!自信だ!!自信!!
だからお前を見張るために一緒に勉強してやるよ」
私、中学の時はかなり手を抜いてたからねえ~;
カラオケに美少年系アイドルのライヴや学校に
隠れてアルバイトに遊びや仕事優先だった。
バイトはファミレスのウエイトレスから
近所のお坊さんの退魔師の手伝いなどいろいろやったな。
今も継続中だし。
それよりもあんた神童ってナルシストなんじゃないの?
神に祝福されたって中二病か?;
って一緒に勉強?何でまた?
「バイトや漫画やアニメ見るのに忙しいからムリ!じゃあね」
「待てよ!!国府宮!!」
早く帰って新刊の漫画読まないとw
すると鷹宮はそう言うと私の手を掴んだ。
奴は興奮してるのか顔を真っ赤にしている。
それを私は振り払った。
「だったら、次のテストで勝ったら一緒に勉強してもいいわよ?
なんなら、何でも言う事を聞きましょうか?じゃ、そういう事で」
私は踵を返すと目の前の横断歩道へ走って行った。
「ホントだな?!じゃあ俺が勝ったらお前とつき・・って危ない!!!」
雑踏に鷹宮の声が響くとトラックのクラクションの音が響いた。
信号無視してこちらに突っ込んでくる。
キキキキーーーーーーーーーーーーーーーーードンッ!!!
トラックの乾いたブレーキ音が響き渡った。
そして私はトラックにはね飛ばされた。
私は地面に激突し、血だまりがコンクリートに染みこむ。
泣きそうな鷹宮の叫び声がする気がした。
意識が遠くなっていく・・・。
私、死ぬのね・・・。
国府宮優絵。享年17歳。
私はあっけなくこの世を去った。
ありがちなテンプレな死にかたですね;