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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
ユーエリア商会開業編
16/126

第12話:3年後の日常

ユーエリア商会発足から3年経ち、私は9歳になりましたわ。

3年の間にいろいろありました。

3年前、廃墟だったユーエリア雑貨屋本店の場所で病気になってた

ニッキーとマークスとロザンナは

ユーエリア雑貨店本店が開店してすぐに無事退院して

商会の従業員としてアークレイ伯爵家の別邸に加わりました。

彼らを錬金術や魔法や武芸など私とウィキが

他のみんなと一緒に教える日々が続いています。


後、王都上下水道計画ですが王様の命令で

ユーエリア商会が水回り工事を王国全体に行う事になって

1年ほどでほぼ王都全部に地下水を汲み上げる

魔道ポンプから繋がった魔道パイプの水道が張り巡らされました。

一部、地下水が無い場所は川から水を魔道パイプを通して

引きましたがおおむね上手くいきました。

水属性の魔道石は王家が直轄地に多数確保してあるので

魔道パイプの作成には困らなかったのがよかったです。

地下の下水道も各ポイントにスライム溜まりを

段階的に設置し浄化して川に流しています。

お風呂とトイレも王都中に普及し

貴族も平民も湯船につかってお風呂に入れるようになりました。

ボディーソープで身体を洗ったり入浴剤を入れて入るのが

身分の壁を越えて流行りみんなお肌がつるつるぴかぴかになりました。

王都の人たちの身体からいい香りがしてます。

トイレも家のトイレはもちろん公衆トイレも王都中に設置されて

汚物を道に捨てる人がいなくなり街の空気も綺麗になった気がします。

ちなみに公衆トイレの掃除は国の騎士の下っ端がやっているそうです。

『ユーエリア魔道具店』に王族や王都中の貴族や民衆の家々が

お風呂やトイレや上下水道の工事などが発注してきて

うちの商会は繁盛させていただきました。

・・・王都のほうは大体終わったのですが地方のほうから

お風呂やトイレの設置の依頼がまだ後を絶ちません。

上下水道も地方へ王国依頼で建設を行わなくてはならないし

『水回りバブル』はまだまだ終わらないでしょう。


最後にお風呂テーマパーク計画ですが

エンジェルム王国の王様と宰相など大臣たち、

全貴族、全商人が投資しまくってかなり大ごとになりました。

ちなみに王様は大臣たちと満場一致で国庫から投資金を出しているそうです。

まず、それら全員を集めた大会議が闘技場で行われました。

投資者全員が入る会議室がある建物がなかったので

(お城でも入りきらなかったので)闘技場で行われました。

まず土地の確保の議題から揉め、王都近くのナギエンの草原か

経済都市マネートラ近くのトラトラ平原かまっぷたつに意見が割れました。

つまり王様派と商人派に分かれて大論争になりました。

何日も平行線で場所が決まらず、

議長の私(言い出しっぺだから)がキレて仕方なくあみだくじで決めました。

キレた時、みんなガタガタ震えてたけど、子供に何を怯えているのでしょうか?

(いや・・・!!アレは子供の皮を被った雌豹だ!!!(滝汗)by.王様。)

あみだの最中、某あみだバ●ァの歌を私が歌っていたので

投資者のみんなから変な顔された;

私があみだくじを行う時の伝統的な歌ですと言ったら、

なぜか一緒に大合唱になった;なぜだ;

そうして代表者の王様と商業ギルド長があみだくじをしたら。

王様の勝ちになりました。

当たりに当たった時の王様のガッツポーズと

崩れ落ちたギルド長の落胆っぷりがかなり対象的でした。


次にテーマパークの建設費用は100億イエン。

お風呂のテーマパークだけでなく周りの街も建設しなくてはならないので

それも含まれてるとのことでした。

街ごと作るとは大胆な・・・。

周りの街の建設は商業ギルド長が社長のカネダイースッキ商会と

ブルックリン商会とカルビン商会が請け負ってくれる事になりました。

これら3つの商会の社長はライバルであり良き戦友だそうで

切磋琢磨して商業ギルドの三本柱として友好関係にあるそうな。

それらの社長3人が並ぶと大中小と変な背の高さの並びになる。

(ちなみにギルド長は中サイズ)

全員ハゲ頭なので並ぶと頭がまぶしかった;;;;;

けど、他の2人に比べてギルド長は私の店の育毛剤が

少し効果があったのか産毛が頭に生えている。

私はギルド長に後で泣きながら感謝された。

他の店の育毛剤だと効果が全くなかったらしい。

ギルド長は生えた頭の毛を戦友の商人たちに自慢していた。

ブルックリン商会とカルビン商会の社長もギルド長に聞いたのか

育毛剤がほしいと私に詰め寄っていた。

どこの世界も育毛は大事なんだな・・・。

私の前世のお父さんも苦労してたし(笑)。

あ、話がそれた・・・;


で、肝心のテーマパークのほうは私、

ユーエリア商会と商業ギルド総出で行う事になった。

商業ギルドは躍起になって私の商会の技術が気になるようで

それを見て技術を盗み出す魂胆だろうね。

まあ、魔法陣の解析ができるほど魔道師のレベルも

錬金術師のレベルも高いわけでもなさそうなので

技術流出の心配はないでしょう。

ちなみに王国からは各騎士団が持ち回りで工事中や

完成後のテーマパークの警備を担当するそうだ。

貴族の出資者は領ごとの名物や特産品をできた街で売るよう売りこんできた。

商業ギルドの連中と協力して分け前の算段をしていたわ。

で、大体担当が決まったので工事が行われる事になったわ。

大体がユーエリア商会っていうか

私とウィキがテーマパーク内の仕掛けを作る事になった。

商業ギルドの連中はあまりに複雑な魔法陣を印刻する

私たちに顎が外れるぐらい驚愕していた。

まあ、幻となった空間魔法まで使った仕掛けもあるからねえ・・・;

魔力チートだからこれぐらい簡単にできる。

仕掛けの詳しい説明は完成後に読者のみなさんに伝えよう。

あ、メタ発言してしまった;

仕掛け以外のパークの大部分は商業ギルドの

皆さんが工事してくれたので3年以上かかってしまった。

私の商会だけなら半年でできそうなのに・・・;

出資してくれたから文句は言えないけどさ。

あと3カ月で完成だそうだ。完成記念のこけら落としのセミオープンには

とうぜんユーエリア商会首脳部(ノッレたち)と

一緒に行くので水着を用意してわくわくしながら待つ事にした。

楽しみねwww。


以上が3年間で変化した事です。

あと、ノッレの身長が変わらなかったり

イノーゼがひらがな言葉から普通の言葉になったくらい。

なので、私はユーエリア商会の担当している事業の書類をチェックしつつ、

みんなと一緒に修行する日々。

・・・私はほとんどの魔術と武術と錬金術をマスターして暇なので

みんなとの修行の日常を箇条書きで紹介します。


●体育(武術及び魔法の勉強)

まず、朝食を食べた後、ジャージに着替えて、

ラジオ体操をしてからスクワットなどの筋トレ各千回。

最初、入院明けのニッキーたちはリハビリの体操でも根を上げていたけど

3年経てばそれなりに体力が付いてきたようね。


「はぁはぁはぁ・・・負けないぞ!!」


「努力、根性、勝利!!」


「子供のノッレには負けないわ!!」


ニッキーとマークスとロザンナは必死に汗を流しながら

ノッレとイノーゼと一緒にスクワットをしてた。

特に負けず嫌いのニッキーとロザンナは先に修行していた

ノッレに対抗心を燃やしていた。


「子供じゃないわ!!私は18歳!!」


「けど、おねえちゃんの身長よりわたし大きくなった」


「ガーーーン;;;;;」


どうやらノッレの身長は6歳になったイノーゼに抜かされたようだ合掌。

次に伯爵家のある私有地の森を10周する。

1周2キロはあるので20キロは走る。

ほとんどが軽くランニングを走りぬく。しかし、キラは・・・。


「ぜぇぜぇ・・はぁはぁ・・死にそうです;」


キラは運動神経が無いのかあまり進化していなかった;バテバテ;

他のみんなはランニングを終えて組手を行ってるのに。


「情けないなキラ;」


「余所見してるんじゃないぞリック!」


「うおっ!!」


バテてるキラを見て呆れていたリックはウィキの鋭い剣を間一髪避けていた。


「あぶねーな!!」


「剣技の組手中なのに余所見とは余裕だな」


「ちっ!こっちは本気でいくぞ!!『散雨飛沫さんうしぶき』」


リックの鋭い突きは3年前よりも進化していた。

その連続する突きをそれでも紙一重で避けるウィキもすごい。


「『虚空剣こくうけん』!!『獅子牙喰斬ししがくざん』!!」


リックが上空にジャンプしながら切り上げ、

切り下ろしの連続攻撃するのに防御しながら受けるウィキ。


「(斬撃の威力が上がってるな。さすが奴の血筋だな・・・。

忌々しい事を思い出させる)

 『双牙波進斬そうがはしんざん』!!」


ウィキは苦い顔しつつ地を走る2つの大きな斬撃が合わさって

リックを弾き飛ばした。


「いててて・・・まだまだ勝てないか;」


「でも強くなってるよなあ;お前;」


頭を掻きながら苦笑いをするリックを見て

ウィキはリックが強くなってるとしみじみ実感してた。

さっきの技はそれなりの威力のはずなのにリックは受けてもぴんぴんしていた。


「まだまだお前とユーエに追いつけないと意味ないぜ;

 俺も『ちーと』って奴になりたいな~」


リックは私とウィキの反則的な強さに憧れを強めているようだ。

まあ、チートっていうのは才能みたいなものだからね;

一朝一夕には良くならないよ。


「そういえばユーエはどこだ?」


「お嬢様はあそこで座禅組んでる」


リックが私を探しているのでウィキは私がいるほうを指差した。


「・・・・」


私は目を閉じて座禅を組んで精神を集中していた。

これは前世でお坊さんとこでバイトしてた時に霊力を鍛える方法で

魔力に増やすのも応用できないかとやってみたら増加したので毎日やっている。


「もう十分魔力があるのにまだ増やすのかユーエは;」


「多ければ多いほど利用しがいがあるらしいって言ってたな。うちのお嬢様は」


リックとウィキはそれを見て感心しつつ剣技を再開した。

みんなも組手が終わった後、ユーエに続いてみんなも座禅を組む。

遅れてやってきたキラはポーションで体力を回復させながら

必死に座禅で魔力を増やしていた。


「・・・いつかきっと先生たちのようにエリクサーが作れるほどの

魔力を得てみせる」


エリクサーを作れるほどの多量の魔力が足りない

キラは武芸を必死に受けこの座禅を必死になってやっていた。

キラの呟いた一言に頑張れ若人よ・・・と心の中で応援した。


●錬金術の授業


もうみんな錬金術の授業は中級以上はマスターした。

上級錬金術は大量の魔力を必要とするためみんなはまだまだできない。

なので、私の上級錬金薬類の調合の作業を見ていた。


「相変わらずユーエ先生のエリクサーの作り方は見事です」


キラは目を輝かせながら私らの作業を見ていた。

3年経った今、私はエリクサーを完全に完成させていた。

月に50本は王都の王立病院に市場の4分の1の値段で売っている。

普通なら1本1億のところを1本2500万イエンで売ってるので割安である。

あとハイポーション(高品質)を1000本。

ポーション(高品質)を1万本売っている。

これらも市場の半額の手ごろな値段で売っている。弟子の親族価格である。

キラの父親の院長は助かる患者が増えたと大喜びしてた。


「でも、錬金術の変質って発酵魔法と似てるだろ?

 無属性の精霊に頼んで少ない魔力を材料に込めてもらえれば

誰でもできるんじゃないか?」


ニッキーはむらのある茶髪と水色の瞳の13歳の男の子だ。

そばかすのぶつぶつした不思議そうな顔で鼻をこすってそう言った。


「似てる。簡単」


マークスは基本無口で断片的に簡単と言った。

彼は濃紺な瞳とパーマを掛けた髪の12歳の読書家。

3年で本を読みまくりかなりの知識がある。

占いにも興味があるようだ。

いつも眠そうにしている。


「そうね、なぜ発酵魔法は広まって錬金術の変質は広まらなかったのかしら?」


真っ赤なセミロングの髪に緑色の瞳の美少女のロザンナは11歳。

不思議そうに今やってる錬金術の方法が広まらなかったのだろうと首を傾げた。


「いい質問だな。無属性の精霊は基本誰にも確認されていないんだ。

 目撃例もない」


「え?そうなのか?」


「じゃあ、どうやって人は無属性の魔法を使ってるの?」


「不思議」


ウィキの回答にニッキーたちは疑問に思った。

普通、人は精霊の補助で魔法を発動させている。

なんでと彼らは首を傾げた。


「無属性魔法は別名神の魔法と呼ばれていて

 全種族に与えられた特別な魔法なんだ。

 魔臓器だけじゃない自分自身の心の中に宿る精霊ならぬ精神にある

 自分の魔力だけで発動する。

だから無属性の精霊は存在しない。

 もしかしたら種族全てが無属性の精霊だったりしてな?」


「え?全ての種族が無属性の精霊って;;私も?」


「わたしも精霊?」


「そういう事になるな」


ウィキの言葉にノッレとイノーゼが自分自身をまじまじと見つめて

戸惑っていた。


「俺も精霊か~おもしろいなw」


「私も精霊の一種。素敵・・・w」


「僕、精霊、かっこいい」


ニッキーたちは自分が精霊になった姿を思い浮かべながら妄想している。


「人が精霊ですかロマンチックな発想ですね。さすがウィキ先生」


「まあ仮説だけどな;」


キラにも感心され;照れるウィキなのだった。


「だから、錬金術の変質は自分自身の魔力を使うしかないわけ。

 精霊の補助は不可能で自分自身を頼るしかないの。

 もしも、他の属性の精霊の補助で変質を行うと

 必ずヘドロになって失敗するわ。

 各元素の属性の影響が強いからみたいね。

 だから他属性の精霊の補助で変質を行うのは不可能なのよ。」


「・・・楽にはいかないか~」


「残念」


「地道に座禅して魔力を増やすしかないみたいね」


私の言葉にニッキーたち三人衆は分かってくれたみたい。


「千里の道も一歩からってユーエ先生もおっしゃっていたし、

 僕は諦めませんよ!!」


「まあ自分の可能性に賭けるのも悪くないわね」


「わたし頑張る!!」


キラは私が教えた前世のことわざを口にしつつ、

楽じゃないと知りつつも錬金術の道に燃えていた。

ノッレは自分の可能性を信じてやる気を見せてるし。

イノーゼだってあきらめてはいない。


「とりあえず見て覚えなさい。魔力感覚を見て覚えるのよ」


「見取り稽古って奴だ。がんばれ」


「「「「「「はい!!」」」」」」


私とウィキの言葉にみんなは元気良く返事した。

なんか前世のどっかの人と言う字を書いた先生の気分になった。

青春?


●算数の時間。

みんなはもう文字は大抵小学校卒業するくらいの漢字はマスター済みなので

今は算数の計算のほうに力を入れていた。


「123456×23=何? ノッレ答えなさい」


私は計算の問題をノッレに当ててみる。


「2839488です」


「正解」


ノッレは堂々とそろばんをはじき答えた。


「伊達に3年も雑貨店の本店の店長をやってないわ」


ふふふと自慢げにノッレはそろばんを掲げた。

もう些細な計算ミスもしないだろうね、この子は。

ロザンナはそれを見て悔しそうにしている。


「わたしも合ってた」


「イノーゼも偉いね」


イノーゼも伊達にノッレの右腕をやってない。すぐ計算で来たようだ。

計算もプロになったね、偉いわと私はイノーゼをなでなでしてあげた。


「だああああ!!!!計算間違えたあああ!!!」


「俺も!!!!!」


リックとニッキーはそろばんを打ち間違えたらしい。


「ニッキーも王子さまも習い始めて3年も経つんだから慣れればいいのに」


「同感」


「情けないです」


ロザンナとマークスとキラはそれを見て呆れていた。

この3人もそれなりにできるのに;ニッキーとリックは・・・。


「古代の人はそろばんを使わずに一瞬で見た違う二桁の数字を

 次々掛け算してってすぐに合計を答えられるほどの力を持ってたそうよ」


嘘です;地球のフラッシュ暗算の事です。


「一瞬で!!!人間じゃねえええ!!!!」


「魔法だ!!魔法で掛け算したんだ!!」


リックとニッキーは叫び声を上げて、そんなの人間じゃないと否定した。

実際にいたんです。地球には。


「はあ・・・ニッキーはともかく、

リック・・・こんなのが国のトップの子供でいいのかしら?」


「・・・リックは頭を使うよりも肉体派だからな;」


私とウィキは計算が苦手なバカ王子を見つめてため息ついた。

だからレジにはこいつはあまり付けない。

倉庫から店へ商品の出し入れを主にしてる。


「そうだ!!俺は肉体派なんだ!!!だから数字は必要ねえ!!」


「威張る事なの!?お仕置き!!」


びしっ!!

私は11歳の癖に3年で無駄に鍛えられた体を持つリックにムチを使った。

奴の股間に当たった。汚いわね;


「のおおおおお!!!!!」


「「「「「「はあ・・・;」」」」」」


股間を押さえイスから転げ落ちのたうちまわる

リックにみんなでため息をついた。


●マナーの時間


「下々の物が王家の方々に謁見する場合。

 男性は右のひざを立てて跪き表を上げる許しを得るまで跪く事。

 女性は両膝を折り曲げて跪き同様に表を上げる許しを得るまで跪く事。

 さぁ、やってみなさい」


別邸の執事アドバーグがみんなに礼儀作法を教えている。

もうユーエリア商会の商業ギルドのランクが

Aランクになった以上はお城で王家の方々と謁見するかもしれないのだ。

特に首脳陣である私たちも可能性が高い。

なので、父と一緒にお城で王様に謁見した事のある

執事のアドバーグに指導をお願いした。

なかなか厳しい。


「ニッキーは足が少し開きすぎです。

 ちゃんと直立に立てなさい」


「は、はい」


厳しく厳格な雰囲気のアドバーグに気後れしているニッキーだった。


「マークスは跪く時の背中が猫背すぎます。

 ぴしっと跪きなさい」


「はい」


マークスは気にすることなくマイペースに自分の悪いとこを直している。

なぜか飲みこみが早い。


「ロザンナはあまり緊張しすぎないように

 王家の方々に失礼にあたりますゆえ」


「はい!」


それでもロザンナは練習でも緊張するのか汗をダラダラかいていた;

緊張しすぎだって;

そういえば格上の相手には緊張するのよ!!とマナーの時間の前に

無駄にツンデレな口調でロザンナが言ってたっけ。


「ノッレは慣れてきたようですな。

 さっきよりも優雅に跪いていますぞ」


「ありがとうございます」


ノッレは筋が良いのかすぐマナーをマスターした。

ロザンナは悔しそうにしている。


「イノーゼも良くなってますな」


「ありがとうございます。おじ様」


「いえいえ。可愛いレディに言われると照れてしまいますな」


イノーゼにおじ様と言われてまんざらでもないアドバーグだった。

かわいいのには弱いらしい。


「キラ殿はさすが子爵を司る王立病院の院長の息子さんですな。完璧です」


「恐れ入ります」


さすが苗字持ちの貴族らしく完璧な礼儀作法をキラは披露していた。

子爵だったのか。知らなかった。


「ウィキは最初に来たころに身を持って教え込みましたからな。

 ばっちりですな」


「・・・あれは過酷でしたね」


ウィキはアドバーグに使用人の新人教育された時の事を

思い出したのか少し恐怖に震えていた。

何があったのか聞くのが怖い気がした。


「お嬢様は3歳のころから礼儀作法を覚えているだけあります。

 アークレイ伯爵令嬢として恥ずかしくない所作ですな」


「幼いころから身についていますから」


マナーに関しては伯爵令嬢らしく小さなころから完璧にマスターさせられた。

食事、礼儀作法、貴族との社交ダンスなどなど。やってると疲れるけどね。


「あれリッ・・・じゃなくて殿下はなぜマナーなさらないのですか?」


ニッキーは慌てて敬語に直しリックに何でマナーに参加しないのか聞いてみた。


「私は王族なので謁見される側のほうですから」


「そ、そうでしたね・・・;(寒ぃ;)」


ニッキーは王子の猫を被ったリックから柄にない

敬語を聞いて寒気を感じていた。

たしかに寒気を感じるよね;いつものリックを見てるこちらとしては;

・・・こんなのでも王子。

いざとなったら王族らしく振舞うのも当たり前だろう。

けど、違和感があるね;


以上の武芸や魔法や錬金術や計算や文字やマナーなどをみんなに教えた。

現代の小学生卒業並みの知識をノッレたちはもう持っていると思う。

この世界にしてみれば大人が持っている知識はマスターしているだろう。

この世界に学校はなく代わりに江戸時代の寺子屋みたいなのが

街に1軒ぐらいしかないらしいしね。

ノッレたちは下手に寺子屋で学んでいない農村の子どもよりはいいはず。

うちの各それぞれの店の支店長を任せてもいいレベルだわ。

中学程度の計算や漢字も教えてもいい頃だね。

なんて、考えつつみんなの3年間の成果をしみじみ感じるのだった。


つづく


新キャラのニッキーとマークスとロザンナが加わりましたw

それぞれ鍛錬に励んでユーエリア達を支えていってほしいものですw

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