第97話:ライヴの打ち上げとリックの赤面
<ユーエリア視点>
クリスマスライヴも大成功に終わったわw
チケットも完売だったし、グッツもバカ売れしたwww
きっと来た人たちはいい思い出に残っただろうと思うw
カミーユも父親と和解できたみたいだしwよかったwよかったw
さっき、ウィキから念話で打ち上げ会場に
陛下たちと共にそのカミーユのお父さんも来るらしいw
「打ち上げを『レストランユーエリア』の2番街本店で行ってるわけだけど;」
「ユーエもこっち来て飲めよ~」
「そうだぞ~今日は超良い日だぜ」
「はははは!!!無礼講だ!!」
「酔ってるね・・・・;」
すでにテーブルに広げられたクリスマス料理をつまみつつ、
リックと拓海と雷信はすでにお酒を飲んで酔っぱらっていた;
エンジェルム王国や雷森羅国でもお酒を飲む年齢制限はない。
けど、見てるとなんか背徳感があるわね;;;;
ちなみにクリスマス料理は月並みな七面鳥の丸焼きとローストビーフ、
フライドチキンに各種オードブルになってます。
もちろんケーキもあってタルトからチーズケーキ、
王道のショートケーキまでがホールでテーブルに置かれている。
近くにはお酒のグラスがピラミッド状に詰まれたシャンパンタワーがある。
レストランのスタッフが総勢で準備してくれました。
「酒はこうゆったりと飲むものだと思うがな」
ヒデトはあまり酔ってなくてちびちびとシャンパンを飲んでいた。
半吸血鬼ならではの長年の余裕なのだろうか?
イケメンで絵になっている。
「・・・なんか恥ずかしいわね」
「・・・俺、酒飲めないけど;リック達は引くわ;」
「ホントよね;;;」
「同意;」
「にゃんか;ああはなりたくないにゃ;」
「お酒ってすごいですね」
ノッレとニッキーとロザンナとマークスは
チキンを食べつつリック達の酔っぱらい具合に呆れていた。
・・・ニッキーってお酒飲めなかったのか;意外;
ハイにゃんとキラは酔っ払いに引いてた。
「ほら!!カミーユも飲めよ!!」
「リック;お酒臭い;;;
っていうか私、お酒飲めないし;」
「酒ぐらい飲めないと大物になれないぞ~」
すでに出来上がっているリックにカミーユは戸惑っていた;
・・・リック親父臭い;;;
すると、カランコロンとレストランのドアのベルの音が鳴った。
「お姉様!!!すばらしいライヴでした!!」
「見てて楽しかったw」
どうやらアルフォンスとイノーゼが来たみたいだ。
ライヴ後なのでかなり興奮している。
後ろには父と義母と信長と伝蔵さんと雷森羅国の家臣たちがいる。
「ふむ、ワシも年甲斐もなく興奮したぞ」
「若も優絵殿たちもカッコ良かったですぞ」
信長や伝蔵さんみたいな戦国の人達にもバンドの演奏は受け入れられたらしい。
あ、グッツのTシャツ着てるし;
よく見たら雷森羅国の人達みんな着てる;;;
「俺もそう思ったぞ」
「ユーエリアさんは自身が輝ける素質の持ち主って事が分かりましたわ」
父と義母もうなずきながら褒めてくれた。
ちょっとうれしいw
「そうです!!お姉様は世界一です!!!」
「ちょっと待て!俺たちは俺たちは?」
「そうだぞ!!俺らだってがんばったぞ!!」
「俺たちの演奏だからなぁ」
私が世界一だと言うアルフォンスに
リックと拓海と雷信たち酔っ払いが文句を言った。
「・・・あなたたちはついでです;」
「「「「ガーーーンorz;;;ついでかよ」」」
「アルフォンスはブレないわね;;;」
アルフォンスについでと言われて酔っ払いたちはショックを受けた。
アルフォンスのいつものシスコンぶりに私はため息をついた。
「ユーエリア、そういえば陛下たちもここに来るのだったな」
「ええ、父上。ウィキから連絡ありましたので
もうすぐ着くと思います」
父上から陛下たちがいつ来るか聞かれたのでそつなく答えた。
余談だけどアドバーグたち使用人はウィキを除いて先に屋敷に帰ってるそうだ。
アンナはウィキとラブラブなクリスマスをしたかったらしいが
ウィキは陛下の世話役の仕事があるし。アンナはがっかりしてたらしい。
あ、魔力反応が近付いてきたのでもうすぐ来るわね。
「おお!!皆、盛り上がっとるな」
「もう始まってますわね」
陛下と王妃様たちが打ち上げ会場に入ってきた。
後ろにはリチャード様とスーナ嬢がいる。
ん?横に居るムサそうなおっさんがカミーユの父親かしら?
ウィキも後ろで控えている。
「リック、お前酔っぱらってるのか?」
「ん~?全然酔っぱらってませ~んw」
「完全にリックくん酔ってるわね;」
「酔ってるな・・・;」
リチャード様はリックの酔いの痴態を見て呆れてた。
スーナ嬢とウィキも引いている。
「お!!リックの小僧・・・じゃなくて
リック様も酒をイケる口か?」
「ガンツのおっさんもイケる口?w」
「おお!!俺も飲むぞ!!!」
カミーユの父親ってガンツっていうのか;
ガンツはリックの飲みっぷりに感銘を受けたのか
近くのシャンパンタワーのグラスを手に取って飲み始めた。
「おおお!!!うめえじゃねえか!!!」
「なんか、ユーエリア商会の超高級シャンパンらしいぞ!!」
「超高級か!!さすが大陸一の商会だな!!」
なんかリックとガンツが意気投合してるなぁ・・・;
すでに何杯飲んでるんだか・・・;
「がははは!!!気分が良いな!!!
じゃあ脱ぐぞ!!!!」
「お、お父さん//////!!!!」
ガンツもかなり酔ってるのか裸踊りし始めた;
カミーユもそれにはかなり慌てたのか
せめて、ガンツの下のパンツは履くように死守してた。
「ふむ、良い筋肉だな」
「そうだなぁ~ノブナガ殿」
ガンツの筋肉に陛下と信長は妙に感心していた。
・・・多少は陛下と信長も飲んでるみたいだった。
酔ってるな;
「・・・は、恥ずかしいですわ////」
「リチャード様、なんで私の目を隠してるのですか?」
「僕以外の男の裸を見せたくない」
「リチャード様/////」
王妃様やスーナ嬢は恥ずかしいのか目を隠している。
あ、スーナ嬢はリチャード様の手でガードされてるようだ。
いちゃついてるなぁ;;;
「おう!!リックの小僧!!!
カミーユに告白したのか?」
「な、なんだよいきなり////////」
べろんべろんに酔ってるガンツからそう言われて、
リックは酔いが覚めたのか別の意味で顔が紅くなっていた。
「お前、カミーユの事好きだろう!!
そうでなきゃ、こんな大それた事しねぇ!!」
「・・・お、俺は別に;;;」
酔ったガンツに詰問されて戸惑うリック。
「お父さん!!!リックは友達なの!!
ふざけた事言うなら追い出すわよ!!!/////」
「酔ってもないのに赤くなってるのが好きって証拠じゃねえか!
カミーユ!!お前も飲め!!」
「がっ!!」
怒ったカミーユにガンツは勢いでシャンパンの瓶ごと飲ませた。
するとカミーユの顔がどんどん赤くなっていった。
「リック!!!」
「は、はい?;;;;」
酔っただろうカミーユにいきなりリックは呼ばれた。
「リックは私の事好きですか?!!!」
「ってカミーユ!!酔ってるし!!」
カミーユに好きか聞かれてリックは戸惑った。
酔ってる人の告白って迫力あるよね。
「私は酔ってません!!!!
ううう・・・私の事嫌いですか?
こうきゅんきゅんさせて。
近づいて弄んだんだ!!!
それでピーやピーやピーされて妊娠しちゃうんだ~~~」
「って言いがかり付けて泣くなよ~~~~~~;;;;;
俺がそんなことするか!!!!」
カミーユは放送禁止用語を言いながら泣き上戸なのか泣き始めた。
リックは焦っておろおろしてた。
「そうだ!!水!!水だ!!
酔い覚ましには水が良い!!」
そう言ってリックは近くのコップの水をカミーユに飲ませようとした。
「いやです!!口うつしでなくちゃイヤでちゅ」
「って口移しって/////正気に戻れ!!カミーユ!!」
カミーユに酔って赤ちゃん言葉で口移しを要求されて
リックは赤面した。
「してくれないんですか~?
じゃあ、私がする~~~~」
「ってカミーユ;;;;;」
チューーー。
カミーユはコップの水を口に含みリックにキスした。
しかも、長い時間;
「「「「「おおおおおおお!!!!!!!!」」」」」
「なああああああ!!!!!!!////////
カミーユ!!!!!」
打ち上げ会場にいた全員が歓声を上げた。
口をやっと放されたリックは超混乱した。
「ひっく。私はリックが好きでちゅ!!
リック好き――――――!!!!」
「よく言ったぞカミーユ!!!」
カミーユはテーブルの上に立ちあがってそう言った。
ガンツはそれを見て手を叩いている。
かなり酔っているなぁ;;;
「リックは第2王子だから平民と結婚しても問題ないぞ」
「そうですわね、私とリムが結婚した時の前例もありますし」
「万が一の時は貴族の家にリック王子様の想い人を養子に出す手もありますし」
「我がアークレイ伯爵家が引き取ってもいいですわね」
陛下と王妃様はそう言ってなにやら算段している。
そういえば王妃様は昔、王城のメイドで平民だったらしい。
父上と義母上もリックとカミーユがもし結婚するなら後押ししてくれるらしい。
「親父!!お袋!!それにアークレイ伯爵と婦人も
なに冷静に言ってるんだよ!!!」
「リック、恋人は良い物だぞ」
「そうです。
リックくんもカミーユさんの想いを受け入れるべきです」
陛下と王妃様に突っ込みを入れるリック。
それにリチャード様とスーナ嬢はぽんと肩を叩いて
恋人の良さを説いていた。
「ひゅ~ひゅ~カップル誕生だ!!!」
「あっちっちだ!あっちっち!!」
「このまま逢引してもいいな」
「そのままデートに行っちゃえ!!」
ニッキーがカップル誕生だと囃したてた。
拓海と雷信も酔いつつ祝福してるし。
ウィキもノリノリでからかっている。
「やっぱりリックはカミーユとできてたのね」
「リックおにいちゃんとカミーユおねえちゃんお似合いw」
「結婚式のドレスは私に任せなさい」
「ハイにゃんも祝うにゃw」
「おめでとうございます」
ノッレとイノーゼとロザンナもノリノリでリックを冷やかしてた。
ハイにゃんとアルフォンスも笑顔で祝っている。
「雷森羅国でも白無垢を提供するぞ」
「御屋形様いい考えですな」
信長と伝蔵さんもノリノリでニヤつきながらそう言っている。
「リック・・・結婚式の歌は俺は歌わないぞ」
「って真顔で言うなよ!!!!!」
「ヒデトくん;シラフで言ってるみたいですね」
ヒデトはリックの肩をぽんと叩いて真顔でそう言った。
リックはガクッと気が抜けた感じがしてた。
キラはその様子に少し笑いながら呆れてた。
「もういい加減にしてくれ~~~~~~~~!!!!!!!!!」
クリスマスの聖なる夜、リックの叫び声が王都に響いたそうな。
それで夜通し打ち上げが行われてほぼ徹夜した。
朝日がまぶしい・・・。
みんな、二日酔いなのか頭が痛いのか半死半生で
それぞれの家に帰宅しようとしてた。
飲み食いのエネルギーが尽きたのか、みんな言葉が無い。
「・・・それじゃあ、解散という事で」
「「「「「「「・・・」」」」」」」
私がそう言うとみんな無言で家路についた。
「リック、ガンツさんを背負ってカミーユを家に送って来なさい」
「・・・ああ」
リックも気持ち悪そうに二日酔いしながらそう了承してくれた。
・・・ホントに大丈夫かしら?
そう思いつつ私も家に帰った。
<カミーユ視点>
お父さんを背負ったリックと私は無言で歩く。
・・・昨日の事、怒ってるよね。
酔っぱらったとはいえ、なんで私、あんな事を/////
は、恥ずかしい///////////
「・・・あ、あのリック、昨日の事だけど;」
「いや、き、気にしてないぜ;;;;
酔ってたんだろ;」
お互いギクシャクしながら昨日の事を思い返して赤面した。
でも、酔ってたとはいえ、
そのまま自分の気持ちを無かった事にするのは嫌な気がした・・・。
私は意を決して言う事にした。
「リック」
「な、なんだ?」
「もし、私が吟遊詩人として成功したら
告白のやり直しをしてもいい?」
「え?////」
私の言葉にリックは赤面しながら私を見つめた。
私も顔が紅いけど言わなきゃ。
「私、リックが好きです。
シラフで本当に好きです。
だから、いつか胸張って改めて言います」
「もう、言ってんじゃん・・・・」
あ、そ、そうかも・・・・;
私は気づいて真っ赤になった。
「・・・俺も好きだよ」
「え?」
リックが私の事好きって言った?うそ?ホント?
「俺も立派な男になったら
迎えに行ってもいいか?
多分、俺は貴族になるけど・・・;」
「うん、待ってる。ありがと」
私が待ってるっていうとリックも笑顔でうなずいてくれた。
「本当だな?」
「お、お父さん!!起きてたの?」
お父さんは起きてたらしく
私たちの告白を聞いてたようだ;
恥ずかしい//////
「俺の娘をやるんだ!!
生半可な男になったら承知しないからな!!」
「ああ、約束するよ。親父さん」
「ふん、親父はまだ早い。ガンツと呼べ」
お父さんはそう言いつつリックを認めてる感じだった。
素直じゃないなぁ・・・(笑)
こうしてクリスマスが終わってリックと気持ちがつながった。
私も夢に向かって歩きだせる気がした。
リック、ありがとう。私、がんばるわ。
つづく
なんだかんだでリックとカミーユはくっついたみたいですw
お互い立派になったら結婚するかもねw
これでエンジェルム王国のクリスマス編は終わりですw
次回は短いけど新章ですwまた、お会いしましょうw