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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
ユーエリア商会開業編
12/126

第8話:病院にて

私、ユーエリア・アークレイは新たに従業員として

ノッレとイノーゼを雇う事にしました。

愛嬌のある顔立ちなのでしかるべき教育を受けさせてから

店の事を任せようと思います。

あとエンジェルム王国のセドリック殿下とのコネを作りました。

まだ8歳と幼いですが大きくなれば

王家とのパイプになってくれることでしょう。

ユーエリア商会の輝かしい第一歩の瞬間でした。


「・・・共犯者になるんだからセドリック殿下の事はリックって私も呼びます」


「共犯者って何だよ;お前の商会って危ない事でもするのか?;;;;

 このお嬢じゃありえる・・・密輸、麻薬、娼館;ガクガクブルブル;;;;」


なにやらリックは危ない想像をしてるようね。

私はやくざかっつーの!!!!!犯罪は致しません!!


「そんな事する訳ないでしょーが!!!

 まず、雑貨店コンビニ。日用品を扱う雑貨店をやるのよ」


「ほっ;雑貨店か・・・;」


「リック、腐ってもお嬢様は伯爵家の令嬢だ。普通の商売はする」


私が雑貨屋コンビニをやると聞き安心するリック。

あとウィキ、腐ってもとはなによ?お仕置きが必要の様ね。

地獄の調教木馬くん一号の餌食にしようかしら?


「木馬って;;;お嬢様それだけはやめてください。あと、声に出てます」


あらいけない心の声を喋ってしまったわ。

ウィキは完成品を見せてプレイさせた事があるので焦ってるわね、

一度プレイさせたのがお尻の秘所に堪えたのかしら。

リックはどんなものか想像して真っ青な顔してるし。


「あの・・・お嬢様に雇われるのやめたくなってきたわ」


「ねえウィキおにいちゃん、おうまさんってこわいの?」


「・・・世の中には知らないほうがいい事もあるんだよ;;;;

イノーゼちゃん」


ノッレがドン引いているわ。女の子にはキツい話だったかしら?

無垢な笑顔でイノーゼがウィキに木馬くんの事聞いてるわ。

ウィキめっちゃ焦ってるし。ウケる~。

イノーゼあなたにはまだ早いわ。


「基本、女性にはウィキやリックにしようとしている事はしないから

 安心していいわ。

 女性にはプレイはキツいだろうし。あと私の名前はユーエって呼んで。

 貴族として活動してる時は様付けをしなくてはならないけど、

 普段の仲間内では呼び捨てでいいから」


「ははははは;;;;;はい。」


「は~い」


ノッレは乾いた笑いをして、

イノーゼは分かってないみたいだけど女性陣は納得してくれたみたい。

女性にプレイする気はまったくない。女性は大事に。これ大切。


「お嬢様、男女差別です(涙)」


「お、俺もそのプレイって奴をしなくちゃならないのかよ;」


ウィキとリックが真っ青な顔してる。

ウィキはもう20回はプレイしたから慣れればいいのに。

リックもする予定だから覚悟なさいw


「あら、最初はソフトにするから・・・」


「いやいやいや!!俺は普通の男だから!!ドMじゃないから!!」


「慣れれば気持ちよくなるから・・・」


「いやあああ!!!!」


リックの叫び声が廃墟のお店に響いた。


「・・・あ、そろそろ話を戻した方がお嬢様?」


「あ、そうね」


ウィキにそう言われて気づいた。プレイの話をしてる場合じゃない。


「助かった!!ありがとう友よ!!」


「耐えよう戦友!!」


変にリックとウィキに友情が生まれているわね。

話をお店の事にもどそう。

すると、リックが思い出したように口を開いた。


「そういえば、俺らの他にも仲間がいるんだ」


どうやらリックたちの他にも仲間がいるらしい。


「どこに仲間はいるの?」


「他の部屋にあと3人いるわ」


「じゃあ、その子達もまとめて面倒見るわ。

 案内して。」


ノッレに案内されお店の2階へ行く事になった。

そこに残りの仲間がいるらしい。

2階は住居部分になっていたらしい荒れ果てた

ボロボロな家具が配置されている。

奥まで行くとボロボロなベッドが4つあり、

その3つに仲間が寝かされているようだ。

ボロボロの毛布にくるまりうなされている。


「かなり衰弱してるわね。ウィキ、ポーション3つ」


「はい。手分けして飲ませよう」


私がウィキに命じるとポーションをポケットから3つ取りだした。

ポケットは空間魔法で青狸のポケットのように収納できる。

ポーションをみんなで手分けして魘されてる3名に飲ませた。

少し落ち着いたもののまだ苦しそう。

良く見ると10歳ぐらいの子供たちだ。浮浪者生活で病気になったのだろう。


「かなり痩せてる食事は食べているの?」


「俺が持ってきたパンや果物などを食べても直ぐ吐いてしまうんだ」


「胃腸がかなり弱っているようね・・・」


リックが持ってきた固形物の食べ物じゃ胃が受け付けないのだろう。

おかゆ・・・この世界ではお米がないからオートミールでないと無理そうだ。


「ニッキー。マークス。ロザンナ。みんなしっかり」


「この子らも国外から来たのよ。私の所とは違う場所だけど」


イノーゼは涙目で病気の3人を心配してる。

ノッレの説明によると国外から流れてきたらしい。

なら戸籍はないわね;

医療保証が効かないし治療費がバカ高くなるから受けられないと。


「なあ、リック。王子の力で病院は受けさせられなかったのか?」


ウィキがリックにそう尋ねると


「俺は王子といってもユーエみたいに個人で持ってるお金持ってないし;

 オヤジにねだろうにも国のお金から出すわけにもいかないし。

 理由を話しても周りの大臣たちに止められるよ。

 オヤジ個人としては賛成するけど王としては賛成しないよ」


リックの力では無理と・・・。

やっぱり王子の頼みでも国王は強権は発動できないか。

他の貴族に頼もうにもお金持ちの貴族って数えるほどだもんね。

リックのコネの緑の騎士団長の公爵家も財政は厳しいらしいし。


「仕方ない私が出すわ。貯金から崩して出そう」


私はポケットから伝家の宝刀に等しいマネーカードを取りだした。

この王国には銀行がなんとある。なんと王国中に支店がある。

ATMはさすがにないけど。有名施設なら直接マネーカードで支払える。

カード読み取り機で自動的に銀行から引き落とされて支払える寸法だ。

当然王立の病院もその機能があるはず。


「さすが伯爵家!!!」


「お嬢様!!さすがリッチ・オブ・令嬢!!!」


リックとウィキが絶賛してる。実に恐ろしきはお金の力だね。


「リックよりもやくにたつね」


「ガーーーーーーーン;;;;;;」


イノーゼの一言にショックを受けるリックであった。


「イノーゼにもドSな才能があるかもしれないわね」


「・・・イノーゼにそんな才能が?;

 やめて!!変にユーエの影響を受けないで!!」


「?わたしへんなこといった?」


イノーゼは天然なようだ。無垢が一番恐ろしい。

ノッレはイノーゼの将来に一抹の不安を覚えて苦悩した。


とにかく、病院に病人たちを運ぶ事にした。

さすがに3人一辺に背負えないので風魔法で浮かせて移動させる。

道行く人に注目されたが気にしてる場合ではない。

病院は白いレンガ造りの建て物で現代の病院並みの大きさだった。

なぜか赤十字のマークが大きく掲げられている。

病院の中はなぜかガラガラで入院患者が少なかった。

不思議に思いつつもすぐ手続きをして3人を入院させた。

看護婦さんたちが3人を病人服に着替えさせ軽く濡れタオルで身体を拭いた。

担当医のお医者さんがするとやってきた。

茶髪の髪と目のかわいい感じの

美形の医者の青年が銀縁のメガネを掛けてカルテを見ている。


「・・・栄養失調と衰弱と流行り風邪といったところですね。

 かなり栄養状態が悪いし、どんなところで生活をしてたんですか?

 患者たちの衣服もボロボロで衛生状態の激悪さが見てとれます。」


「私たちが発見した時にはこの状態でして・・・」


事情をかいつまんで説明するとかわいそうにとお医者さんは納得した。


「移民ですか・・・。

 分かりました。そこの女の子たちはまだマシそうだけど、

 病院のお風呂に入って病人服は貸してあげますから泊まっていきなさい」


「「ありがとうございます」」


ノッレとイノーゼはお礼を言い、

お医者さんの計らいで病院のお風呂

(この世界では少量のお湯につかり洗って拭くだけ)に入り

清潔な病人服に着替えて病院に泊まる事になった。


私も病人たちを運んだときには夕方になってたので。

念話の魔法(無属性)でアドバーグに連絡した。

アドバーグは「人助けですから仕方ありません。

ご主人様には一応連絡しておきますのでご安心ください」

と言ってたので外泊はOKだ。

私の魔力だと王都から伯爵家の別邸まで

ぎりぎり通話範囲に入ったので助かった。

念話を補助する魔道具をいつか開発しよう。

私が念話を切って部屋の外から戻ると(外で通話してたから)

ウィキがお医者さんに外泊の許可を取っていた。


「お嬢様、俺たちも泊まっていいって」


「でかした下僕。お医者さんもありがとうございます」


「いえいえ。お友達も心配でしょうし」


お医者さんいい人だわ。

私とウィキも一応病院で泊まる事になり、

リックはお城に急いで戻らなければならないそうだ。

何やら影武者がいるとのこと。

遅くまでいるとその影武者に怒られるのだそうだ。


「臣下に怒られる王子様って(笑)」


「肩身が狭い思いをしてるんだな(笑)」


「うっせ!!明日また来るから。そんじゃ」


私らが笑うとリックはバツの悪そうな顔をしながらお城へ帰って行った。

こうして長い一日が終わり。翌日。

起きて身支度してからニッキーとマークスとロザンナの病室に向かった。

病室に入ると3人は点滴を打たれて寝ている。

昨日より体調はマシになってるようだ。

しかし、この世界にも点滴はあるんだね。


朝食のオートミールを彼らに食べさせていると

ノッレとイノーゼは入って病室に来た。

始めて見たよりもさっぱりして綺麗になってる。

2人を褒めたらノッレは「ありがと;」と

ツンデレのデレっぽい照れ方をしてた。

あと「わーい。おねえちゃんありがと」とイノーゼは素直に喜んでくれた。

あ、みんなの着替えどうしよう。

私とウィキの着替えは念のため収納空間にいれてあるから問題ないけど。


「あとでみんなの服も買いに行った方がいいね」


「俺とお嬢様で買ってくるからサイズ測るぞ。

 ああ、病人ズの服は退院後でいいか。

 服のサイズ変わりそうだし。さ~サイズを・・・」


「・・・測る相手は女の子なんだからあんたに測られると変態扱いされるわよ; このロリ変態!!」


「・・・ロリ変態;;;orz」


「・・・たしかに男に測られるのはイヤよね」


「ウィキおにいちゃん、なんでゆかにつっぷしてないてるの?」


ウィキはどっからかメジャーを取り出して

ノッレとイノーゼの服のサイズを測ろうとしたが

私が慌てて止めた。

ロリ変態扱いのウィキはいじけて泣いた。

ノッレもちょっと引いてた。イノーゼはよく分かってないようだ。


気を取り直して私が2人を測ると年齢の平均より少し小さめのサイズだった。

あ、ちゃんとウィキや病人たちとは離して別室で測ったよ。

服の上から測った。脱がせるなんてロリ百合な展開はないのでご安心を。


で、2番街の有名既製服店(靴も売ってる)で2人の服を買い。

ノッレには暖色系、イノーゼには寒色系の子供服を買った。

その他小物も含むカード払いで。

合わせて20着。平民の服なので貴族服より安く済んだ。

地球のバーゲン品より安かった。


収納魔法で買った服を全部入れ。私たちは病院に戻った。

それで、ノッレとイノーゼに病人服から買って来た服に着替えさせた。


ノッレは赤のキュロットに白いYシャツにピンクと

白のストライプなネクタイのボーイッシュな感じ。

小物に色々なパンキッシュなクロスやドクロなどのピンバッチを付けている。

黒いソックスに紅いスニーカーで元気に見える。


イノーゼは白いフリルが付いたかわいらしい水色のワンピースで

それに合わせて白いソックスと水色のメルヘン靴になっている。


「どう?似合う?」


「こんなかわいいふくはじめてきた。ありがと」


ノッレは見せつけるように、イノーゼはほんとに嬉しそうに服を見せた。

この世界の針子の技術は地球の現代服も再現できるレベルなのか。

既製服とはいえ手縫いでできてるし。


「似合う、似合う」


「おーイケてるじゃん」


元々の素材がいいのかキッズモデルでもできそうだね。

ウィキもイケてると手放しで褒めた。

病人たちも視線で羨ましそうにしている。

あなたたちも買ってあげるから安心して。


しばらくしてからお医者さんから診察室に呼び出された。

どうやら病人たちの容態と治療費について話があるらしい。

診察室に入るとリックもいた。


「よ、みんな。昨日ぶり。

 実は兄貴と協力して厚生大臣とオヤジが隠したお城のエロ本を探し出して

 弱みを握って脅してノッレたちのこの国の戸籍を入手したぜ。

 母ちゃんや大臣の奥さんにバラさない事を条件にな。

 保険証ももらってお医者さんに見せて

 国が治療費負担する医療保証でかなり治療費減らせたから。

 イリーゼ、お兄ちゃん役に立っただろ?」


「うん、がんばった」


なんとエロ本で戸籍入手とはリックとその兄は大金星だわ;

あ、イリーゼから役に立たないって言われた事根に持ってたのね。

イリーゼからがんばったって言われて満足そうだねリックお兄ちゃん(笑)


「・・・なんかこの国の将来が不安になったわ」


エロ本で戸籍決めていいのか?エンジェルム王国それで;私は呆れた。


「俺はエロ本の中身が気になる;」


「・・・それはオヤジたちの名誉のため秘密だ」


「・・・僕も国王陛下の性癖が気になります」


男どもはエロ本の中身が気になるようね。スケベ。

お医者さんも国王のエロ本が気になるのかい?!


「はっ、すいませんでした。

 患者の皆さんの容体ですが回復するにも3カ月掛かるでしょう」


「まあ予想してました」


エロ本談義から我に帰ったお医者さんはみんなの容体を述べた。

半年はかかると思ったけど3カ月とは早いね。


「栄養剤と食事と薬の点滴で治るので安心してください。

 で、病院の会計課から治療費の件なのですが」


お医者さんから治療費が書いてある紙を見せてもらい読むと。


「5000万イエン!!!!?」


「高いと思われるでしょうがその額は国の医療保証で減額された値段です」


国の負担で減額してこれかい!!!!貯金の約半分が飛ぶぞ!!

みんなも茫然としている。


「なんでこんなに高いの?!」


「この国の医療はあまり発展していないのです。

 外科などの外傷は治癒魔法が使える魔術師がいる教会で治せます。

 教会は慈善に基づいて治療費の値段も安いですし。

 しかし、病気などの疾患を直す医療は発展していないのです。

 どうしても薬頼みになってしまいます。

 しかし、薬も高価で貴重なので水で薄めて少しづつ使ってますし。

 なのでめったに病院に入院する患者がいないのです」


だから病院はガラガラで空いてたんだ・・・。通りで人が少ないと思った。

なるほど治療するにも専門の病気に効く薬の相場が高いせいか。

一番安いポーションでも万単位だもんね。


「病気はどれでもエリクサー頼みで・・・」


どんな病気でも治す一番高い万能高級薬じゃないのよ;

億単位のしろものじゃないか!!


「あ、エリクサーか・・・あれ、お嬢様が研究中じゃなかったっけ?」


「ああ、材料は聖水(教会で買った)と

 無属性と水属性と風属性の魔道石のすりつぶした粉を

 7対1対2の割合でブレンドしたもの10g(魔道石は自分で作成した)と

 マジカルウィード999gを混ぜて無属性の魔力を

 それに込めて変質させればいいんでしょ?

 ウィキに言われた通りにやってるけど魔力の変質が上手くいかなくて。

 コントロールが悪いのかな?」


お医者さんがなんか口をぱくぱくさせながらびっくりしている。

金魚みたい。


「なななな!!!!なんですかあああ!!!

 その材料で本当にエリクサーができるのですか?!

 変質という技術も聞いた事ありませんし!!!

 大体、エリクサーは本来、聖水とドラゴンの心臓と世界樹の葉と

 100gの賢者の石(全属性の魔道石)の結晶と

 世界霊魂の欠片で作られているんです!!

 もしあなた方の新しいレシピでエリクサーを作ったら

 錬金術師界に革命が起きます!!」


「あ~錬金術の変質の技術自体。400年前の戦争で失われたからなー。

 今じゃただ材料を混ぜるだけになってるし」


「なんと!!!そんなことが大昔の人はやってたのですか!?

 それを再現できると?!」


慌てるお医者さんを見てめんどくさそうにウィキが答える。


「少なくとも俺とお嬢様はできるな。

 俺は昔の錬金術を制覇してる。

 だけど、俺の魔力は訳あって昔より許容量が大幅に激減してるんで

 むちゃくちゃ高い魔力を持つ俺のご主人様に

 レシピを教えて再現を模索してる最中だ」


「大昔の錬金術レシピの再現ですか!!

 壮大ですね・・・」


お医者さんはウィキを見てきらきらと目を輝かせて感動している。

・・・ウィキは目をさ迷わせながらぽりぽりと顔を掻いている。

大昔には普通の錬金術師はこれぐらいできたって言ってたしね複雑なんだろう。


「へー、ウィキとユーエってそのすごい薬が作れるんだな」


「エリクサーが完成したら病気しても治してもらえるわね。

 従業員は医療費保証されてるし病院行かなくても一発で治るわ」


リックとウィキがすごいんだな~って感じで私とウィキを見ている。

医者いらずだもんね。完成すればだけど。


「おくすりにがい?」


「リンゴ味のポーションもできてるから。

 同じようにエリクサーもできるから安心して」


「よかった~」


イノーゼが薬が苦いのかと不安そうにして泣きそうだ。

私がリンゴ味もあるというとイノーゼは笑顔になった。


「薬の味の変化まで・・・!!」


「ポーションなどの薬を作るとき果物を

 無属性の付加魔法を掛けて材料に加えるとできます。

 繊細な魔力制御が必要ですけど」


付加魔法は味を馴染ませる魔法で錬金術の変質と併用するから

魔力調整するのにかなり神経いるけどね。


「あの?エリクサーの未完成品を見せてもらいますか?」


「どうぞ?」


私は収納空間からエリクサーの未完成品をお医者さんに見せた。

興味深そうに見ている・・・。


「ハイポーションをさらに超えたハイハイハイハイポーションです!!

 エリクサーの一歩手前って感じですね。魔力反応の高いこの輝き。

 すごい!!ここまで高純度な回復量が期待できそうな

 ポーション初めて見ました。

 軽い病気ならすぐ治せますよ!!!これ!!!」


「はあ・・・;」


ハイハイハイハイポーションって

赤ちゃんがハイハイしてるみたいな名前じゃん。

手を上げてバカみたいに教室で先生に当ててもらえるよう

アピールしてる生徒みたいなポーションじゃん。

私はお医者さんのネーミングセンスの悪さに苦笑いした。


「ユーエさん、ウィキさん。いえ先生方!!」


「「は?」」


いきなりお医者さんから先生と呼ばれて私とウィキは目を丸くした。


「先生方の錬金術にいたく感銘を受けました!!!

 僕をどうか弟子にしてください!!!」


「「弟子?!!!!」」


いきなりお医者さんから土下座で弟子にしてくれと言われたよ!!!


「エリクサーを汎用できる材料で完成させる。

 これは医者の夢です!!

 ぜひその方法を僕にも教わらせて下さい!!!」


「いやいやいや仕事があるでしょ!!!お医者さんの!!」


「医者は貴重じゃないのか?!お偉いさんは納得するのか?!」


病院のトップは納得するの?!勝手に抜けて?!

私とウィキは焦った・・・いきなり言われても困るわ。


「院長には僕が責任を持って説得します。

 この未完成エリクサーを見せたら手放しでOKしてくれますよ!!

 そうだ!!院長に掛けあってこの治療費を5万イエンにしてもらいましょう」


「そんなことができるんですか?」


治療費がそんだけ超安くなればありがたいけど;


「僕、院長の息子なんです。

 絶対、許可を貰ってきます!!!!

 キラ・スターダストの名において必ず許可をもぎ取ってくるんで

 待っててくださいね!!先生方!!」


そう言うとキラ医師は診察室を飛び出して行った。

・・・台風が過ぎて行った。熱いお医者さんだな。

治療費は後回しにして伯爵家の別邸にノッレとイノーゼを連れて帰る事にした。

王都へいつでも行けるように私が全属性の魔道石を加工して

無属性で転移魔法も魔法陣を刻んだ

ワープポイントを別邸と店舗の2階の一室に置いた。

このワープポイントに魔力を少し流すだけで王都を行き来できる。

ワープポイントは特定の人物だけ使用できるように

個人の魔力反応の記録機能も付けておこう。


・・・5日後。

アークレイ伯爵家別邸にキラ医師がやって来た。


「先生方!!

 父から許可を貰ってきました!!治療費も5万イエンでいいそうです!!

 なので弟子にしてください!!

 あ、そうそう未完成でもいいからエリクサーを送ってほしいそうです。

 風の噂で聞いたところ先生方はお店を開く予定ですよね?

 王立病院と商業契約しませんか?エリクサーを病院に売ってください!!

 お願いします!!」


「いいですよ;」


キラ医師から5日ぶりに土下座され居たたまれないので弟子にする事にした。

この時、どうする?とウィキと私がアイコンタクトして

意識の一致を初めてした瞬間だった。

こうして新たな居候が増えたのでした。


つづく


新たなる仲間に弟子のキラが加わりましたw

かなり錬金術に熱意を持ったキャラですw

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