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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
エンジェルム王国のクリスマス編
119/126

第96話:カミーユが音楽で伝えたかった事

<アルフォンス視点>


すごい!!すごい!!すごい!!

見た事のない音楽が目の前で繰り広げられてます!!

激しい曲、明るい曲、切ない曲、いろいろ流れてます。


「すごい!!すごいです!!」


「みんなすごい!!」


隣に居るイノーゼもあまりの演奏のすごさに驚いてます。


「ふむ、これが優絵殿たちの音楽か!!

 まったく新しい音楽だな!!」


「そうですね、斬新です!!」


ノブナガ殿とデンゾウ殿も流れる音楽に合わせて身体が動いています。


「たしか、ロックとポップというジャンルの音楽らしいぞ」


「街中でも話題になってましたものね」


「ユーエリア達が事前に演奏した音楽を

 プロモーションビデオといった名目で

 王都のいたるところにあるスクリーンに映していたからな」


「私も見ましたがすごいカッコ良かったですわ」


父上と母上はこのライヴの前に

王都の街中でお姉様たちのプロモーションビデオの音楽を聞いてたらしい。

僕も見たけどかなりお姉様たちの演奏はカッコよかったよねw

原色っぽい色使いでかなりハイセンスな映像だった。

母上もカッコいいと思ってくれたみたいでうれしいなw


「ん?優絵殿たちが移動するらしいぞ」


「ノブナガ殿、あれは王国中で人気の

 ブルームテンペストサーカス団ですな」


「ユーエリアさんたちが

 そのサーカス団の神輿に乗ってるみたいですわ」


ノブナガ殿がお姉様たちを指差していた。

父上と母上はお姉様たちの周りに居るサーカス団を知ってるみたいだった。

お姉様たちは巨大な神輿の上に乗って真ん中の花道を移動してる。

神輿の周りにはサンタクロースの恰好をした

サーカス団の人達がダンスしながら盛り上げていた。

猛獣もダンスしてる;;;;;


「お、これは菓子か!!」


「僕ももらいましたwww」


「ユーエおねえちゃんたちがお菓子をばらまいてるw」


ノブナガ殿はお姉様が投げたお菓子をキャッチしたようだ。

僕もサンタクロースの顔をしたキャンディーをキャッチしたwww

イノーゼもチョコをもらってたw

そんな感じで盛り上げながら後ろのサブステージに

お姉様たちは辿り着いた。


「後ろの方にも舞台があるのか;」


「私たちは見えにくいですわね;」


「スクリーンで見れるみたいだな」


父上と母上は後ろのステージが見えないのか

スクリーンでお姉様たちを見ていた。

たしかにAブロックの席からだと見えにくいよね;

すると、いきなり低い音が会場中に響き渡った。

リック様がベースを1人で弾いてるみたいだった。


「これは『ST●Y AWAY』?」


「イノーゼ知ってるの?」


「リックおにいちゃんがものすごく練習してた曲」


イノーゼはこの曲の事を知ってるみたいだ。

リック様はこの曲をすごく練習してたそうだ。

たしかに複雑な音色を奏でている。

そしてリック様のベースが一通り弾き終わると、

ライシン殿のドラムの音が加わって演奏が始まった。


「これは音の乗りが良い曲じゃの」


「あ、周りの『さーかす団員』の人々も踊り始めてます」


ノブナガ殿とデンゾウ殿も曲に合わせて音楽に乗っているようだ。

サーカス団員たちが一斉に同じ踊りをしてて

観客を沸かせていた。

そして、曲が終わるとみんなお客さんは拍手してた。


「イエーイ!!!!みんな、楽しんでる?!

 ライヴも折り返し地点に来ました!!

 クリスマスという事でクリスマスソングを作ってきましたw

 みんな、聞いてくれる?『Christmas Colors』」


ヒデトさんがそう言って、お姉様たちが楽器を準備した。

タクミ殿とカミーユさんがギターを持ち変えたみたいだ。

そして演奏が始まった。


<ガンツ視点>


「これは綺麗な曲だ・・・」


「そうですな、ガンツ殿・・・」


「聞き惚れてしまいます」


「美しい・・・」


「心が温かくなりますねw」


俺は綺麗な音色の演奏に心奪われた。

王様たち一家も演奏に酔いしれている。

見るとカミーユもギターを弾きながら歌っているようだった。



「「心躍る聖なる夜に♪

 ソリに乗っていざみんなのところへ♪

 空に絵の具を塗って夢を描こう♪

 七色の夢が聖なる夜を彩る♪

 みんなのプレゼントよろこんでくれるかな?

 眠るみんなにキスをして♪

 良い夢を贈ろう~♪

 クリスマスのサンタクロース♪

 トナカイと一緒に踊る夜♪

 楽しい世界を作り出す♪

 願いを届けて喜びが包んでく♪

 さぁ、みんなでクリスマスを祝おう♪

 夢が現実に変わるよ♪

 メリークリスマス♪」」


クリスマスの夜に夢を与える様子を

カミーユたちは歌ってるようだった。

・・・夢か。

カミーユは歌でみんなに夢を贈ってるんだな。

吟遊詩人はそういう職業なのか。

俺は改めてカミーユの伝えたかった事が分かった気がした。

そして曲が終わると、お客さんは今まで以上に

拍手して喜んでいた。


「ガンツ殿、泣いておるのか?」


王様に言われて俺は一筋の涙を流している事に気がついた。


「え?なんだろう;嬉しいのかもしれません。

 カミーユがこんな立派な職業になりたいのが分かったから」


「そうか・・・」


悲しい訳じゃなくて嬉しい涙だという事が分かった。

俺の様子に王様も静かに微笑んでいてくれた。

カミーユ達は花道を再び神輿で移動して元の舞台に戻った。

こうして、演奏会が進み、最後の曲の前に差し掛かった。


「イエーイ!!!!

 次で最後の曲になってしまいました」


「「「「「「ええええええ!!!!!!!!!!!」」」」」


ヒデトが最後の曲と言うと客は残念そうにしていた。


「次の曲はカミーユとその父親の事を思って選んだ曲です。

 急遽、ライヴに参加してくれたカミーユは

 カミーユのお父さんに吟遊詩人の夢を反対されていました」


ヒデトがそう言うとカミーユの顔がスクリーンに映し出された。

カミーユは少し困った顔をしていた。


「カミーユ、言いたい事があるんだろ?」


そう言ってヒデトはカミーユにマイクを渡した。


「私はお父さんに夢の為に迷惑かけてばかりいました。

 けど、少しでも私の夢の事を分かってほしくて、

 このライヴに招待しました。

 ライヴで演奏してみんなと一緒に笑って。

 そして楽しんで、こうして夢を与えてくれた

 バンドのメンバーに感謝したいです。

 そして、お父さん今まで迷惑かけてごめんなさい。

 お父さん、今まで育ててくれてありがとうございました。

 お父さんがいたから私は夢に走ってこれたんだと思います」


俺の心にカミーユの伝えたかった事が届いた気がした。


「カミーユ・・・・。

俺もお前がいたから生きてこれたんだ。

ありがとう・・・・」


「え?お父さん?」


「って俺の声が会場中に響き渡ってる!!!!!」


俺がぽつりと言った一言がなぜかマイクもないのに

会場中に響き渡ってた。

周りを見渡すと従者の銀髪の青年がマイクを向けていた。

お前か!!!!!!!!!!!


「ガンツ様、この際ですから言いたい事を

 カミーユさんに言ってくださいませんか?」


涼しい顔で銀髪の従者がマイクを渡してきやがった;;;

く・・・もうヤケだ!!!!

恥を捨てて俺はマイクに向かってカミーユに言う事にした。


「カミーユ!!!お前の気持ちはよく分かった!!

 お前が進みたい道を進め!!!!

 宿屋の事は気にするな!!!!

 お前は俺の大切な娘だからな!!!!」


「お父さん・・・(涙)」


俺はカミーユにそう伝えるとカミーユは泣き出した。

夢に進めるんだからそう泣くもんじゃねえよ。


「お父さんありがとう」


「ああ」


カミーユは涙を拭いて俺にありがとうと言ってくれた。

・・・俺は胸に込み上げてくるものがあった。


「カミーユよかったな」


「これで一件落着ね」


「親子愛しかと見届けた」


「愛だな」


リックの小僧やユーエリア、ライシン、タクミが

カミーユに向かって笑顔を見せていた。

良い友達に恵まれたなカミーユ。


「カミーユとその父親のガンツさんに

 最後の曲を贈りたいと思います。

 『あ●た』」


ヒデトがそう言うと最後の演奏が始まった。

この曲はひたむきな愛が籠った曲だと思った。

カミーユの想いと繋がっているように感じられた。

客もサイリュームを振りながら一緒に歌っている。

俺も一緒になって歌った。

舞台の上には光り輝くミラーボールが輝いていた。

そして歌い終わるとみんなスタンディングオベーションで

拍手が鳴りやまなかった。


「サンキュー!!!!!

 今日のライヴは最高だったぜ!!

 またな!!」


「また機会があればやりましょう!!」


「今日を忘れないぜ!!」


「素晴らしいひと時だった」


「またな!!」


ヒデトとユーエリアとリックの小僧と

ライシンとタクミが手を振って舞台袖に帰って行く。


「今日のライヴに参加させてくれてありがとう!!!

 みんなに感謝します!!!

 また、会いましょう!!」


最後に残ったカミーユは深くお辞儀をして感謝していた。

そして、手を振って帰って行った。

こうしてライヴが終わった。


「ガンツ殿、来て良かったな」


「はい、王様。ありがとうございました」


俺は王様に改めてお礼を言った。

王様が連れだしてくれなければライヴを見る事もなかっただろうな。

カミーユと和解できたし良かったと思う。


「そういえば、この後、ライヴの打ち上げがあるらしい。

 カミーユ殿たちも来るそうだ。

 一緒に行こうではないか」


「はい!!」


カミーユと直接会って話がしたい。

俺は王様たちに連れられて打ち上げ会場に向かう事にした。

俺は一番の笑顔でカミーユと会おうと思った。


つづく



ガンツとカミーユが和解できて良かったですw

音楽とは人の絆だという事が分かりますねw

次回に続きますw

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