第95話:ライヴ開始!!
<織田信長視点>
ライとタクと優絵殿がなにやら演奏会をするらしい。
それを聞いたワシはさっそく会場へ行き、
『ぐっつ』を買い込んで会場内に入った。
ワシだけでなく伝蔵と家臣たちも一緒になって見に来ている。
みんな『ぐっつ』のてぃーしゃつを着ておるぞ。
しかし、冬だから、ちと寒いな。
「御屋形様。
お寒いので羽織を着てください」
「うむ、すまんな伝蔵」
ワシが寒そうにしておると伝蔵が羽織を被せてきた。
演奏会が始まるまでは体力を保っておかねば。
「おお!!ノブナガ殿!!」
「グレン殿たちも来たか!!」
グレン殿たち一家もワシたちを見つけてやって来た。
ここは舞台に近い『えーぶろっく』という所らしい、
かなり希少な良い席だと聞く。
席を取ってくれた優絵殿に感謝せねばな。
「アル殿もイノ殿もてぃーしゃつを着てるおるな」
「はい!お姉様が作った物ですから朝一で入手いたしました」
「かわいいからwわたしも着てるw」
2人共、姉思いじゃのう。
優絵殿が作った天使のてぃーしゃつを着ている。
ワシたちは微笑ましく見ていた。
「ユーエリアさんは本当に多才ですわね;
商売だけでなく音楽の才能があるなんて;」
「音楽と商売の組み合わせを考えるとは
すさまじいな」
「優絵殿の天才さは今更だろう」
「「「「「「「確かに」」」」」」」」
ドヌーブ殿とグレン殿は優絵殿の天才さに
改めてすごいと感じているようだ。
ワシが今更だというと、みんな確かにとうなずいた。
すると、舞台の左右横上に設置されている黒い大きな四角に何か写った。
どうやらライヴの注意事項を説明しているようだ。
「ふむ、椅子の上に乗ってはいかんのか」
「乗らなくて椅子の前に立つのはいいらしいです」
ワシと伝蔵は注意事項を確認している。
優絵殿からからも事前に聞いておるし。
「座ると見えなくなるらしいですよ」
「この演奏会は斬新じゃな;」
グレン殿に言われワシは演奏会の斬新さに戸惑った。
「ノブナガ殿、ライヴ中はサイリュームを振るといいらしいです」
「ほう、光る棒か」
アル殿からさいりゅーむという光る棒を手渡された。
折ると光り輝くのか。
「珍しい品ですな」
「綺麗」
伝蔵とイノ殿もさいりゅーむに感心している。
「効果は1日だけだそうです」
「そうなのか」
アル殿の説明に少しワシを含め、みんなはがっかりしたようだ。
明かりにしようと思ったのじゃがな;
「さて、演奏会はいつから始まるのだ?」
「3時からだそうですよ」
グレン殿に時間を確認すると午後3時から始まるらしい。
最近、ワシも懐中時計を持ちだしたが便利じゃの。
正確に今の時間が分かる。
「あと1時間ほどですね」
「会場の入りも多くなってますね」
ドヌーブ殿とアル殿が周りを見渡すと
確かに人が多くなっている。
「それだけ、演奏会に期待している人が多いのでしょうね」
「どのような曲が演奏されるか楽しみですな」
「楽しみw」
グレン殿と伝蔵とイノ殿も演奏会の演奏を楽しみにしているようだ。
ワシもどのような曲が演奏されるのか楽しみじゃわい。
「お姉様の事だからすごい曲に決まってます!!」
「予想外なことは確実ですわね;」
「それは否定出来ないな」
アル殿は興奮しながら曲に期待をしてるようだ。
ドヌーブ殿とグレン殿は優絵殿の予想外さから
曲もそうだろうと予想した。
・・・ワシもそう思う。
どのような演奏会になるのじゃろうな?
少し不安になってきた;
<ユーエリア視点>
ライヴ開始10分前。
私たちはステージ裏手で円陣を組んでいた。
「さて、トリックスターの
クリスマスライヴが始まろうとしているわ。
みんな、準備がいいわね!!」
私はメンバーを見渡した。
みんな緊張しているがやる気な顔をしている。
「おう!!」
「準備はバッチリだ!!」
「ふむ、練習の成果を見せようではないか!!」
「絶対成功させるぞ!!」
「みんながんばろうねw」
円陣の手に力がみんな籠っている。
リック、拓海、雷信、ヒデト、カミーユみんな力入ってる。
「私がデザインした衣装なんだからみんな成功するわよ!!」
「気合!気合!!」
「みんながんばれよ!!」
「私たちも見てるからね」
「応援してるにゃw」
「がんばってくださいw」
応援に来たロザンナとマークスと
ニッキーとノッレとハイにゃんとキラも
みんなを励ましている。
ちなみに衣装はロザンナがデザインしていて
レザーの赤と緑のクリスマス仕様の衣装だ。
女性はレザードレスのスカートの下にふんわりとしたパニエで膨らましている。
男性はバリバリのスーツで軽くビジュアル系入ってる。
「よし、絶対クリスマスライヴ成功させるわよ!!」
「「「「おう!!!!!!」」」」
こうして、円陣で気合を入れると
私たちはライヴに向かった。
ライヴの登場はクリスマスらしくもちろんソリよ!!
私たちが乗ったソリが空中に浮かび上がった。
<ガンツ視点>
会場の舞台の明かりが輝き始めた。
もしかして、始まるのか?
聖歌が流れだした。
普通の聖歌と違ってノリの良い曲調になっている。
「舞台の左右のスクリーンにはサンタクロースの映像が流れているな」
「なんか、かわいいw」
王子様の説明で左右の四角はスクリーンということが分かった。
見ると赤い服を着たおじいさんが
子どもたちにクリスマスプレゼントを配ってる動く絵が流れている。
王子様の婚約者様はそれを見て可愛いと思ってるようだ。
そして赤い服を着たおじいさんがトナカイのひいたソリに乗り込み
空中を走る動く絵が流れた。
そして、スクリーンに一杯に映ると突然、
空中に実際のソリとトナカイが現れた。
「おお!!ユーエリア殿とリックたちが乗ってるぞ!!」
「すごい演出ですわねw」
王様と王妃様もすごい演出に驚いている。
「ど、どうやって浮いてるんだ!!
あれも魔法なのか;;;;」
なんで空中にソリが浮かんでるんだよ!!
魔法なのか?魔法ってすげえな!!
「あ、カミーユも一緒に乗ってる!!!」
「スペシャルゲストはやはりカミーユ殿だったようだな」
俺はソリに乗ったカミーユを見つけた。
王様はスペシャルゲストがカミーユだったことを確信していたようだった。
ソリは会場の上空を1周した。ソリが空中を走った後には光が降っている。
その間にもプレゼントを配って観客を沸かせていた。
そしてソリは舞台の上に降り立った。
そして、カミーユたちは楽器を持って準備をする。
「ウエルカムトゥ~~~~~~~~!!!!!!!
トリックスターのクリスマスライヴへようこそ!!!!
最初の曲!!『SE●ENTH HEAVEN』!!!!」
黒髪の美形の男がそう叫んで演奏が始まった。
それと同時に花火なのかばんっと舞台上で勢い良く弾けた。
ノリの良い音楽が流れ始める。
客も立ち上がってサイリュームを振っている。
「なんか身体が動き出しそうな音楽だ!!」
「ふむ、明るく響く音楽だな!!」
「わくわくしますわねw」
「リックにこんな才能があったんだな」
「カッコイイですw」
俺は身分のことは忘れて音楽に乗りながら王様に話しかけた。
王様たちも笑顔で音楽に乗っている。
歌う男は指を地面に指さしたりコミカルな動きをしている。
カミーユもギターを持って走りながら盛り上げてる。
予想した演奏会とぜんぜん違うぞ!!
そして1曲歌い終わり、次の曲は始まった。
「『WH●TE BREATH』」
すると舞台上に強風が吹き荒れ始めた。
これも魔法なのか?
風に当たりながら演奏するカミーユたち。
寒くないのか?;;;;
そう思いつつ演奏が進む。
それでもカッコよく見えるのが面白い。
「あ、リックがスクリーンにアップで映ってる」
「リックくん、変顔してる;」
王子様がリックの小僧がスクリーンに映ってるのを見つけた。
リックの小僧は口を大きく開けながら変な顔してた。
それを王子様の婚約者様が笑ってた。
会場も笑いに包まれながら曲は進んだ。
「『誘●』」
カミーユと黒髪のギターの少年がツインギターで
鋭いギター音を奏でてた。
手があんなに複雑に動いている。
カミーユはそんなにギターの才能があったのか。
俺は改めてカミーユの凄さを認めた。
そして驚きの中で曲が終わった。
「改めてトリックスターのクリスマスライヴへようこそ!!!!
トリックスターです!!!!」
わああああああ!!!!と会場が歓声に包まれた。
「メンバー紹介するぜ!!!
俺はヴォーカルのヒデト!!」
どうやら黒髪の美形の青年はヒデトという名前らしい。
「ギターの拓海!!」
黒髪のギターの少年がぎゅおんとギターを奏でながらアピールする。
「ベースのリック!!」
リックの小僧がベースをベインベイン鳴らしながら生意気な顔しやがった。
「ドラムの雷信!!」
黒髪の勇ましい顔をした美少年がドラムという複雑な太鼓を叩く。
「キーボード、ユーエリア!!」
金髪のえらいべっぴんな女の子がキーボードとかいうピアノを弾いた。
「そしてスペシャルゲスト。カミーユ!!!
彼女は天才的な吟遊詩人だ!!
特別にトリックスターのライヴに参加してくれた」
カミーユに客の視線が集中している。
それでも堂々とカミーユはギターを弾いてアピールした。
すげえ!!!お前すげえよ!!!!
「以上のメンバーでライヴをします!!!
よろしく~~~~~~~!!!!!!!!!
じゃあ次の曲、行くぜ!!!!
『HE●VEN'S DRIVE』」
ヒデトがそう言うとライシンのドラム音が響き渡り曲が始まった。
俺はとんでもない所に来たかもしれねえ!!
演奏会ということを舐めてた。
俺は一瞬を見逃さないよう舞台を見つめた。
音に乗りながら俺はこのひとときを楽しんだ。
つづく
ライヴがとうとう始まりましたw
雰囲気はそのままラ●クのライヴですw
次回もライヴに続きますw




