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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
レオンバロン皇国編
109/126

第88話:巨大噴水とビオラの演奏で大団円

<ユーエリア視点>


「はい、もう病気は完治していますね」


「ありがとうございます。キラ先生」


レオンバロン皇国の水騒動から3日が過ぎた。

あれからビオラはキラがボーボー草と

打ち消し火の薬草をブレンドして煎じて飲ませたおかげで

完治して顔色がすっかり良くなっていた。

もちろんディアボロに奪われた魔力も元に戻っている。


「よかった!!」


「安心」


「ビオラが元気になって万々歳だな!!」


「ビオラごめんなさいね。

 私がディアボロに騙されたばかりに危険な目に遭わせて;」


皇帝一家もビオラが元気になってひと安心のようだった。

フレアも自分の罪を反省してビオラに謝った。

フレアがディアボロに騙されていた事はすぐに国中に広まった。

水が枯渇した罪は重かったが私たちユーエリア商会がとりなして

3日で国の主要都市や村に巨大な噴水の水飲み場を作ったので

国民の怒りは収まったようだ。

ちなみに魔族たちに関してはレオンバロン皇国から

厳重抗議の文書を後で送るそうだ。


「ううん、いいよ。

 こうして無事だったんだし」


ビオラも少し苦笑いしながらフレアの事は許したようだった。


「おーい!!バロンの街の巨大噴水も調整し終わったぞ!!」


「ウィキ、御苦労さま」


さっきまでバロンの街の巨大噴水のメンテナンスをしていた

ウィキが走って戻ってきた。私は労いの言葉をかけた。


「おお!!これで国の水不足は解決だな」


「後は家庭ごとの個別に井戸に水湧きの魔法陣が

 組み込まれた魔道石の石盤を設置する予定です。

 で、各街の噴水からもパイプで水道網を繋げて

 国中に水を行きわたらせる予定です」


「それは楽しみだな!!」


皇帝はこれからの水道設置事業に顔を明るくした。

だいたい水道設置の仕組みはエンジェルム王国のものと

似たような感じになりそうである。

巨大噴水の仕組みは水の湧き上がる魔法陣の刻印した水の魔道石と

風の吹き上がる魔法陣の風の魔道石を噴水の底に設置して。

ミスリルでそれらを連動して繋いだ物である。


「あっ!ユーエリアたちと皇帝たちもここにいたのか」


「巨大噴水のお披露目式が始まるわよ!!」


「もう、みんな外にいる」


リックとノッレとイノーゼが

私たちを探しに来たのか駆け足でやってきた。


「ふむ、国民たちにお披露目といくか!!」


「じゃあ、行きましょうか」


皇帝が立ち上がると私たちの続いて部屋を出た。

そしてラオニール城の外に出て巨大噴水に所に向かった。

15メートルほどの高さまで水が吹き上がる

巨大噴水はバロンの街の中心部に大きく設置してある。

その噴水の周りにはたくさんのバロンの街の人々が集まっていた。

巨大噴水は直径200メートルはあるのでかなり大きい。


「お、来た来た」


「みんな、ようやく来たな」


「待ちくたびれたぞ」


「ハイにゃんも待ってたにゃw」


拓海と雷信とヒデトとハイにゃんはすでに噴水の目の前で私たちを待っていた。


「この噴水なんか泳げそうだな。っていうか泳ぎたい!!」


「泳いじゃ、ダメ!!」


「これは飲み水専用だからダメよ!!」


あまりの暑さにニッキーが噴水に入りたがっている。

それをマークスとロザンナは止めていた。


「・・・帰ったら別邸のプールに入りなさい」


「ううう・・・夏は嫌いだ」


私はニッキーを冷たい目線で見つめるとがっくりしていた。

そうこうしているうちに巨大噴水のお披露目式が始まった。

まずは皇帝のスピーチから始まる。


「レオンバロン皇国の諸君。

 俺が皇帝のライオネル・ヴァン・レオンバロンだ。

 ここ3日でいろいろ事件があったがこうして水不足も解消され

 息子のビオラの病気も治りうれしく思う。

 エンジェルム王国のユーエリア商会の協力で

 以後も水道設置や井戸に水が無限に湧く技術を付ける予定だ。

 これからは水に困る事はない!!

 さあ、みんな!!思う存分噴水の水を飲んでくれ!!」


皇帝の言葉に一斉に街の人達は拍手をして歓声を上げた。

そしてみんな巨大噴水の周りに集まって水を飲み始めた。


「水がこんだけふんだんにあるとかき氷も食べたくなるわね」


「そう思って、かき氷器を1000台ぐらい設置しておいたぞ。

 騎士たちに手分けしてかき氷を作ってもらおう」


どうやらウィキが事前にかき氷器を設置しておいたらしく。

屋台の横長のテーブルにはずらりとかき氷器が並んでいる。

いろいろな種類のシロップも置いてあり準備が良いわね。


「さすが私の下僕ねwwww用意が良いわw

 じゃあ、氷を作ってさっそくかき氷を作りましょ」


「やった!!かき氷だ!!!」


「さっそく食いまくって暑さをしのぐぜ!!」


「ハイにゃんも食べるにゃwww」


私が魔法で氷を作り始めるとリックとニッキーも大喜びしてた。

すでにスプーンを持って食べる気まんまんだった。

ハイにゃんなんかすでにかき氷器の前にスタンバイしてる。

こうして、かき氷を作る氷を作り出して

街の人達にもかき氷を振舞い始めた。

私の氷は溶けにくいので街の人にも評判が良かった。


「お姉ちゃん、これおいしいよw」


「よかったわねwビオラ、やっとかき氷食べれて」


ビオラも初めて食べるかき氷に頬をほころばせた。

リンカもかき氷を食べながらビオラを見ながら笑顔になってた。


「ふむ、かき氷を国の名物にするのもいいな」


「そうですね。おいしいし」


「毎日食べたい・・・」


皇帝とフレアとレイナもかき氷を食べながら

レオンバロン皇国の名物にするか話し合っていた。


「ユーエリア商会でかき氷器は売ってるので

 ぜひ、お買い求めくださいw」


「よしっ!!まとめて買おう」


私がかき氷の宣伝をすると皇帝はまとめて買ってくれるようだ。

こうして、お披露目式は徐々に進み、

すると、ビオラがバイオリンに似た楽器の『ビオラ』を持って

台の上に立った。


「記念に僕の名前の由来になった『ビオラ』の演奏を聴いてください」


すると、ビオラは『ビオラ』を弾き始めた。

美しい音色の演奏が辺りに響き渡った。

高貴な音色にみんなうっとり聞いていた。


「ビオラ王子にこんな才能があったのね」


「聞くと穏やかな気持ちになるな」


「いい音色にゃ~w」


「そうですね、まるで天国にいるみたいです」


私とウィキは心地よい音色にうっとりしつつも

ビオラの才能に感心していた。

ハイにゃんは身体を揺らしながら気持ち良さそうにしている。

キラも音色に聞き惚れていた。


「こういうのを天賦てんぶさいというのだろうな」


「俺、クラシックには興味が無いけど、

 この演奏がすばらしいのは分かるぜ」


「良い音楽だな」


雷信もビオラの才能に感心しているようだ。

拓海もこの音楽の素晴らしさに共感していた。

ヒデトも良い音楽だと静かに聞いていた。


「心地よい音楽で食べるかき氷は最高だな。もぐもぐ」


「まったくだな。もぐもぐ」


ニッキーとリックもかき氷をほおばりながら音楽に酔いしれていた。


「2人とも食べながら聞くなんて行儀が悪いわよ」


「・・・なんか恥ずかしい」


「・・・『花より団子』?」


「なんか、2人の性格が分かるわね;」


かき氷を食べるリックとニッキーを見て、

ノッレとイノーゼとマークスとロザンナは呆れていた。

そうこうしているうちにビオラの演奏は終わった。


「さすが、ビオラだ!!」


「綺麗な演奏だった・・・」


「久々にビオラの演奏を聞けたわw」


「ビオラ大好きよ!!!」


「うん、ありがとw」


ビオラは皇帝一家に褒められ撫でられながら笑顔になってた。

まわりの街の人達も拍手してスタンディングオベーションしていた。

こうして、お披露目式は大成功に終わって

レオンバロン皇国に水が行き渡り大団円になった。

しばらく、私たちはここに滞在して水道設置の指導をした後、

エンジェルム王国に帰る日がやってきた。


「ユーエリア殿、セドリック殿、

 そして外交団のみんな、ありがとう。

 すごく、世話になったな」


「ありがとう・・・」


「また、来なさいね」


「また、僕の演奏を聞きに来てね」


「いつでも歓迎するわよ!!」


私たちは順番に皇帝一家に握手していった。

いろいろな事があったけど楽しい滞在だったと思う。


「帰りの護衛は私たちレオンバロン皇国騎士団が

 請け負います」


「頼みますね」


ビューマたちレオンバロン皇国騎士団が帰りに護衛してくれるようだ。

私は頼むと言うとビューマたちは一斉に騎士の敬礼をした。


「楽しい滞在でした。

 また、会える日を楽しみにしてますわ」


「また、来るぜ!!!」


私とリックが手を振って皇帝たちにさよならを言った。


「今度もビオラの演奏聞かせてな」


「ハイにゃんも聞きに来るにゃw」


「ふむ、次はビオラ殿の演奏に尺八の伴奏を俺がしよう」


「楽しかったわw」


「また来るね」


ウィキとハイにゃんはビオラの演奏が気に入ったのか

また来た時に聞きに来ると約束した。

雷信は尺八で今度はビオラと一緒に伴奏してくれるらしい;

ビオラと尺八・・・;楽器にかなりギャップがあるような;

ノッレとイノーゼも楽しかったのか笑顔でさよならを言った。


「また来た時はカルー食べに来るぜ」


「げ、俺は勘弁してほしいな;;;」


「ニッキー、今度、来る時まで、慣れる」


「料理また食べに来るわね」


拓海はカルー(カレー)がやみつきになったのか

また食べに来たいらしい。

ニッキーはあの辛さを思い出したのか苦い顔をしてた。

マークスは辛さになれるようニッキーに言った。

ロザンナもレオンバロン皇国の料理が気に入ったらしく

レシピをニッキーにメモって渡してたらしい。


「また病気になったらいつでも呼んでください

 駆けつけますね」


「はい、先生!ありがとうございました」


キラはビオラといつの間に仲良くなったのか

握手してお互い笑顔になってた。


「それでは行きますよ」


「それでは、また会える日までさようなら」


「おう!!また来てくれ!!」


ビューマが先導してラクダを走らせた。

私はみんなを代表して別れのあいさつをして

ラクダの手綱を握って走り出した。

皇帝たちは手を振って見送ってくれた。

こうしてレオンバロン皇国の外交はうまくいった。

こんな旅もたまにはいいかもしれないと私は思いながら

エンジェルム王国に帰った。


つづく


これでレオンバロン皇国の騒動も解決ですw

ビオラも元気になって水道問題も解決し大団円ですw

次回は新章突入ですw

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