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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
レオンバロン皇国編
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第83話:灼炎の塔と水の枯渇

<ユーエリア視点>


部屋からいなくなったビオラを探す私たち。

とりあえず手分けして城中をさがす事にした。

私とウィキとリックとノッレとイノーゼは

謁見の間に入ってみたが皇帝ライオネルと王妃のレイナ以外いなかった。


「ユーエリア殿、どうしたというのだ?」


「ビオラ王子を探しているのですがどこにいるか知りませんか?」


「ふむ、寝込んでいるから部屋にいると思うのだが」


どうやら皇帝もビオラの居場所を知らないらしい。

どこへビオラは行ったのだろう?


「陛下!!!大変です!!!!」


「ビューマか?どうした?」


筆頭騎士団長のビューマが慌てて謁見の間に入ってきた。

ビューマのかなり慌てた様子に皇帝は真剣な表情になった。


「国中の井戸の水が枯渇しました!!!」


「なに!!!!」


「いきなり井戸の中の水が空中に浮き上がり

 どこかへ飛んでいったのです!!

 湧きあがる地下水が次々と空中に飛んでいきます!!」


どうやら井戸の水がどこかへ持って行かれたらしい。

空中に浮いたと言う事はなんらかの魔法の可能性が高い。


「どこへ飛んでいったんだ!!!」


「確か東の灼炎しゃくえんの塔の方角です」


灼炎しゃくえんの塔って何ですか?」


水はどうやら灼炎しゃくえんの塔という所に飛んでったらしい。

その灼炎しゃくえんの塔とは何なのだろうか?

私は皇帝に聞いてみた。


「古代からある火の大精霊を祀る塔だ。

 火の大精霊は普段はゴッホレット火山にいらっしゃるらしいのだが

 灼炎しゃくえんの塔に1年に1度降臨すると言われている」


「その話は本当だぞ」


皇帝がそう説明すると私の契約のペンダントから

火の大精霊のサラマンディーが現れた。


「な!!もしかして火の大精霊様ですか?!」


「いかにもオレは火の大精霊のサラマンディーだ」


「「「「ははーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」


いきなり現れたサラマンディーに皇帝とレイナとビューマは平伏した。


「オレの灼炎しゃくえんの塔になにか異変でも起きてるのかもな」


「異変って何なの?」


「その塔から強大な火の魔力を感じる。

 その火の魔力を持ってる奴が

 なぜか水を何らかの方法で集めてるんだな」


サラマンディーは塔に火の魔力を持つ何者かが

水を強制的に集めていると推測した。


「許せないな!!!俺の国の水を奪う奴がいるなんて!!」


「・・・みんな困ってる許せない」


「そうですね、これは一大事です!!」


皇帝とレイナとビューマは水を奪った犯人に怒りを覚えていた。


「誰が犯人なんだろうな?」


「そうだな、そんな国中の水を集められるなら

 かなりの力の持ち主だな」


「強い?」


「そうかもしれないわね」


「分からん、しかしこの力は古代のこの国の王族の魔力に近いな」


ウィキとリックとイノーゼとノッレが

誰が犯人なのか訝しんでいると

サラマンディーが犯人は古代のこの国の

王族の血を引いてる奴に近い事を示唆した。


「古代の王族?皇帝は知ってますか?」


「ふむ、この国ができる前の国の歴史は内紛で資料がなくなっているからな;

 どんな奴か調べようが無いぞ」


私は皇帝に聞くと

どうやら過去のこの国の歴史の資料は内紛で紛失しているらしい。


「<レオンバロン皇国の民たちよ!!!聞け!!!>」


「この声はフレアか!!!」


突然、国中に第2王妃で側室のフレアの声が響き渡った。

皇帝は突然聞こえてきたフレアの声に驚いていた。


「<この国のすべての水はいただいた!!!!

  私の息子のビオラは不治の病に冒されている!!

  治すには大量の水に含まれるマナ(魔力の素)が必要なのだ!!>」


「な、国中の水を盗んだのはフレアなのか?!」


「なんか、ビオラの病気の事を勘違いしているみたいね」


どうやらフレアが水を盗んだ犯人らしい。

皇帝はフレアの行動に唖然としていた。

どうやらフレアはビオラの病気の事を勘違いしているようだ。


「<忍びないが私は国よりビオラを取る!!!

  私を処罰したい者がいるなら来るがいい!!!

  私はどんな事をしてもビオラを治す!!!>」


そうフレアは言って国に響く音声を切った。


「な、なんて事だ・・・;

 フレアは何て事をしてくれたんだ!」


「・・・フレア、ビオラを大切にしてたから;」


「・・・国より母親の気持ちを取るとは;;;」


フレアが引き起こした事態に皇帝とレイナとビューマは困惑していた。


「お父様!!!!」


「リンカか!!」


謁見の間にリンカと他のみんなが入ってきた。

さっきのフレアの音声を聞いていたらしい。


「フレア様のお声を聞きました;

 ビオラはそんな事で治る訳じゃなくて

 打ち消し火の薬草を飲ませれば治るのです」


「本当か?!ならフレアが引き起こした事態は無駄だと言う事か」


リンカがビオラの病気の事について説明すると

皇帝はフレアが引き起こした事態が無駄足だと悟った。


「フレア様の行動ははおかしいですね。

 もしかしたら

 影に病気を治すには水を集めればいいと

 そそのかした奴がいるかもしれません」


「黒幕がいるということか;」


キラはフレアの行動に誰か黒幕がいるかもしれないと考えた。

皇帝もキラの意見を聞いて考え込んだ。


「黒幕か・・・いったい誰なのかしら?」


「とにかく、

 その灼炎しゃくえんの塔に行ってみる必要があるな」


黒幕の存在を私とウィキは気にしつつも

灼炎しゃくえんの塔に行く必要があるようだ。


「私は騎士団を集めて灼炎しゃくえんの塔に行きます」


「ビューマ殿、私たちも行っていいですか?」


「ふむ、エンジェルム王国の精鋭たちが一緒なら心強いです。

 許可しましょう」


ビューマはレオンバロン騎士団を集めて

灼炎しゃくえんの塔に行くみたいだ。

私たちもビューマに頼み込んで一緒に行く事にした。


「私も行くわ!!!!」


「リンカ様?!」


リンカもビオラが心配なのか一緒に行く事を申し出た。

ビューマはそんな真剣なリンカの顔を見て驚いていた。


「黒幕の存在がいるならビオラやフレア様を使って

 なにか嫌な事を企んでるに違いないわ!!

 そいつをぶっ飛ばして、さっさとビオラの病気を治すわ!!

 だから行く!!!」


「危険です!!!」


「私は火の大精霊にユーエリアたちと一緒に戦ったわ。

 戦力にはなるはずよ」


リンカの力説にビューマは心配そうに止めようとした。

しかし、リンカの行く意思は固いようだ。


「俺も行く!!」


「私も・・・」


「陛下と王妃様までもですか?!」


どうやら皇帝とレイナも一緒に行くらしい。

ビューマは皇帝たちを見て頭を悩ませていた。


「俺は国一番の武人だぞ?

 戦力としては申し分ないだろ?」


「私も氷の魔法で助ける・・・」


「そういうこと、王族全て行くわ」


「はぁ・・・この陛下の一族は戦闘狂ばかりですね;

 分かりました。危なくなったら引いてくださいよ」


頑固そうな皇帝たちにビューマは諦めて

一緒に行く事を許可した。

こうして、灼炎しゃくえんの塔へ私たちは向かう事にした。


灼炎しゃくえんの塔は砂漠の中にあり

レオンバロン皇国の東側に建っていた。

塔自体が真っ赤でまるでピサの斜塔を真っ赤に塗ったようだった。

斜めに建っている所まで似ている。

大体、30階はありそうな高さね。

私たちはレオンバロン騎士団と一緒に塔の周りを取り囲み

様子をうかがっていた。


「なんか、斜めね・・・;」


「ピサの斜塔に似てるよな」


「ピザ?おいしそうな名前にゃw」


「異国の料理の塔か?おもしろいな」


私と拓海は灼炎しゃくえんの塔を見て

地球のピサの斜塔の写真を思い出してた。

ハイにゃんはピザを思い出してよだれを垂らしてた;;;

雷信もシンフォニア教国で食べたピザを思い出して少し笑ってた。


「地盤沈下で斜めになったらしいわ」


「なんか、地面、不安定」


「倒れたら危険だよな;」


「倒れない事を祈ろう;;;;」


「・・・あの中に水を盗んだ犯人がいるのね;」


リンカはあの塔が地盤沈下で斜めになっていると言った。

マークスとニッキーとヒデトは斜めにたっている塔を不安に思っていた。

ロザンナはその塔の上の方を見ていた。


「騎士団長殿!!!塔の周りには

 どうやら結界が張ってあるようです!!」


「なんとか中に入れないのですか?」


「触れると炎に焼かれる仕組みのようです;

 騎士団員数名がやけどを負いました」


騎士団員からそう報告を聞きビューマは顔をしかめた。


「困りましたね;

 なんとか結界を無効化できればいいのですが;」


「私の出番ね。

 『水の大精霊召喚!!いでよ!!ウンディーネ!!』」


困っているビューマを見て私は水の大精霊の

ウンディーネを召喚した。


「お呼びですか?」


「炎の結界があるの。

 ウンディーネの力で無効化できない?」


「分かりました。

 『ウォーターアナライズ』」


ウンディーネは炎の結界に向かって

水の魔力を流し込んで結界を分解した。


「これで入れるわねw」


「ユーエリア殿の水の大精霊の力はすごいですね」


ビューマは私の水の大精霊の召喚の力を見て驚いていた。


「おい!!塔から何かが出てきたぞ!!」


「魔物か!!」


リックは塔から次々と出てくる魔物を見つけた。

炎纏った砂色の目の鋭いウサギや

大きな紫色のサソリ、

二つ頭の毒蛇などのモンスターなどが大勢いる。

それを見たウィキが剣を抜いた。


「総員!!突撃!!!

 私たち騎士団が魔物を引きつけている隙に

 陛下とユーエリア殿たちは塔の中に入ってください!!」


「分かったわ」


「任せたぞ、ビューマ!!」


どうやらビューマたち騎士団が塔から出てきた魔物を

引きつけてくれるらしい。

私たちは言われた通りに塔に向かいだした。

襲ってくる敵を倒しつつ私たちは塔の中に入った。

ビオラは無事でいるのかしら?

私たちは心配しつつ灼炎しゃくえんの塔の攻略に乗り出した。


つづく


なんかきな臭くなってきました;

フレアの後ろに黒幕がいそうです;

次回は灼炎しゃくえんの塔の攻略ですw

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