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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
レオンバロン皇国編
102/126

第81話:火の大精霊サラマンディー

<ユーエリア視点>


火の魔道石でできた遺跡の螺旋階段を登る私たち。

螺旋階段は赤く光を灯しながら複雑な装飾をしてあった。


「これは魔法陣かしら?」


「階段の装飾自体が魔力を吸収する魔法陣になってるみたいだな

 微量だけど登る人の魔力を吸い取ってるみたいだ」


「この疲れた感じが気持ち良いにゃ~」


どうやら階段の装飾は魔法陣らしく、

ウィキはその階段の装飾の魔法陣が登る人の魔力を吸い取ってると説明した。

・・・罠の一種かしら。

ハイにゃんはMなのでこの吸収感が気持ちいいみたいだ;;;


「・・・ちょっと気分が悪くなってきた」


「そうね、なんか魔力だけじゃなくて気力も吸い取られていくわ」


リックとノッレは魔力だけでなく気力も吸い取られているのか

顔色を悪くしていた。


「俺も辛くなってきた;;;;」


「なんか疲労が溜まってきたわね;」


「・・・疲れた」


ニッキーとロザンナとマークスもかなり疲れてるようだ。


「俺達は大丈夫だぞ」


「俺らは霊力を主に使うから魔力は関係ないもんな」


「俺は半吸血鬼だから血しか使わないから平気だぞ」


雷信と拓海は魔力を持ってなくて代わりに霊力を使っているので

平気そうだ。

ヒデトも特殊なので魔力とは関係ないらしい。

血の剣とかは魔力で作ってるわけじゃないようだ。


「疲れたわ・・・;」


「みなさん、マジックポーションを持ってきました

 飲んでください」


リンカも疲れたのかその場でヘたり込んだようだ。

キラは後ろに背負ってるリュックからマジックポーションを取り出して

みんなに渡して飲ませた。

飲んでからみんなはまた階段を登り始めた。

一番の上に来るとそこは山頂に繋がっていた。

中心の火口の底にはマグマが溜まっていて時々、噴煙が上がっている。

私は風の魔力で噴煙を吹き飛ばした。

すると火口の周りにはオレンジ色から赤色へと

炎のように色づいている草がたくさん生えていた。

周りにところどころ火の魔道石の結晶も生えている。


「すごい・・・一面真っ赤だわ・・・」


「これがボーボー草なのね」


あまりに赤く綺麗に色づいているボーボー草に私とリンカは見とれていた。


「急いで取ろうぜ、いつまた火口の噴煙に覆われるかもしれないし」


「そうですね。早く取りましょう」


ウィキは早くボーボー草を取るように促すと、

キラもそう言って、私たちはボーボー草を取り始めた。

すぐ、山ほどのボーボー草が集まった。


「これを打ち消し火の薬草にするにはどうしたらいいの?」


「まず、ボーボー草に大量の水の魔力を注ぎます。

 ウンディーネさんの魔力も必要ですね」


キラにボーボー草を打ち消し火の薬草にするにはどうしたらいいか聞くと、

どうやらウンディーネを呼び出す必要があるらしい。


「『水の大精霊、召喚!!いでよ!!ウンディーネ!!』」


「お呼びですか」


「ボーボー草に水の魔力を注いでほしいの」


私はウンディーネを呼び出した。

私はウンディーネにボーボー草に水の魔力を注ぐように命じた。


「ボーボー草ですか、打ち消し火の薬草にするのですね。

 分かりました」


そうウンディーネが言うとボーボー草に水の魔力を注ぎ始めた。

するとボーボー草は水色に変化し始めた。


「次にリンカ様、これに氷の魔力を少しでいいですから注いでください」


「分かったわ」


キラに言われ、水色に変化したボーボー草にリンカが氷の魔力を注いだ。

すると、葉っぱが氷のように固くなった。


「これが打ち消し火の薬草です。

 これを煎じて飲ませればビオラくんの病気が治るはずです」


「よかった」


「早くここから脱出しましょう。暑くてたまらないわ;」


キラは打ち消し火の薬草を詰めてリュックにしまった。

リンカはほっとした表情をした。

私は早くここから脱出しようと風魔法で飛ぼうとしたその時、


「待て!!!!」


「誰?!」


「この火の魔力の気配は・・・火の大精霊か?!」


火口から渋い男の声が響いた。

そこから巨大な火の魔力を感じる。

ウィキはそれは火の大精霊だと感じていた。

すると巨大なランプの魔人のような赤い大男が現れた。

これが火の大精霊なの?


「待て、勝手にオレの栽培してる草を持ってくな!!」


「栽培?」


「オレは家庭菜園するのが趣味なんだ」


どうやら火の大精霊は家庭菜園が趣味らしい;;;

なんというか家庭的な人ね;;;

火の大精霊のイメージが崩れた;


「久しぶりですね。サラマンディー」


「もしかしてウンディーネか?

 久しぶりだな!!!400年ぶりか?」


どうやら火の大精霊はサラマンディーという名前らしい。

ウンディーネとサラマンディーは知り合いみたいだ。

サラマンディーはがはは!!と笑いながらばしばしと

ウンディーネの肩を叩いた。


「ん?そこの金髪の娘と契約したのか?」


「ええ、なにか見込みがありそうな方でしたので」


サラマンディーは私の大精霊の契約のペンダントを見て驚いた。

どうやらウンディーネと契約しているのに気づいたようだ。

ウンディーネも認めてサラマンディーは私をまじまじと見つめた。


「ほう・・・かなりの魔力の持ち主だな!!!」


「どうも」


私は興味深そうに見ているサラマンディーに会釈した。


「よろしくな!!って隣りにいるのはまさか!!

 姿が変わってるがあいつか!!」


「・・・久しぶり」


「ええ、あの者です;」


私の隣にいるウィキを見てサラマンディーは顔をしかめた。

ウィキが魔王だと気づいたようだ。

ウンディーネも複雑な表情をしている。


「なんで、こいつがウンディーネと一緒にいるんだよ!!」


「複雑な事情がありまして」


「こいつが大昔に何やったか知ってるんだろ?!」


サラマンディーは炎をバックに怒って興奮しながら

ウンディーネを責めた。

たしかに、ウィキは大昔世界に被害を与えた魔王だから

ウンディーネと一緒にいるのは不自然だろう。


「私はこの者の見張りとしてそこの主人のユーエリア様と契約したのです。

 この者はユーエリア様の下僕でもあります」


「・・・もう下僕扱いは慣れたな;;;;」


「こいつが金髪の娘の下僕?うははははは!!!こいつは傑作だな(爆笑)」


ウンディーネの説明にウィキはがっくりと肩を落として

下僕と言われるのを諦めた表情をした。

ウィキが下僕扱いされてるのを見てサラマンディーは大爆笑をした。


「そういう事、何かあればムチで調教するわ!!」


「ほう、金髪の娘とこいつは特殊な性癖の持ち主なんだな。

 お前変わったな(笑)」


「・・・俺、お嬢様のドSさに慣れてドMになってくのが怖い(涙)」


「ウィキたん、なんで泣いてるにゃ?

 ドMになることは悪いことじゃないにゃ」


ムチで私は地面をぴしってやると、

サラマンディーは私とウィキを見て若干引きながら笑ってた。

ウィキは自分の性癖がMになっていくのを涙目で戸惑っていた。

ハイにゃんはウィキが泣いてるのが理解できないようだ。


「そういう事なら、金髪の娘!!!名前は?」


「ユーエリア・アークレイよ」


「ユーエリアか・・・。

 お前に試練としてオレと戦ってみないか?

 もし勝ったらオレと契約してもいいぜ」


どうやらサラマンディーと戦って勝ったら契約してもらえるらしい。

仲間が増えるのはうれしいけどね。


「この試練受けるわ!!」


「よっし!!周りの奴らもまとめてかかってこい!!

 火の大精霊の力を見せてやる!!」


私はサラマンディーの試練を受けることにした。

どうやら、みんなと一緒に戦ってもいいらしい。

サラマンディーは炎をたぎらせて戦う気まんまんだ。


「結局、また大精霊と戦うのかよ!;」


「大精霊と戦うのは2度目ね」


「がんばる」


「ハイにゃんも手伝うにゃ~」


「俺も戦うぜ」


「戦いを挑まれたのなら武士として死合しあいをするぞ」


「ファンタジーのボス戦か!!気合い入れないとな」


リックはまた大精霊と戦う事に少々気後れしていた。

けど、リックとノッレとイノーゼとハイにゃんとウィキも武器を持って

サラマンディーに向かい合った。

雷信と拓海も刀とクナイを持ちつつ戦闘態勢に入った。


「ニッキー、何、足震えてるのよ;」


「だって、大精霊だぞ;;;」


「ニッキー、ヘタレ」


ロザンナはニッキーが足を震えてるのを見て呆れた。

マークスもニッキーのヘタレさに呆れてるようだった。


「ニッキーくん、僕と一緒に隠れてますか?」


「ニッキーってヘタレだったのね。

 私は戦うわよ」


「俺も戦うぜ。怖いなら隠れてろ」


キラにニッキーは一緒に隠れるか聞かれた。

リンカとヒデトは私たちと一緒に戦うみたいだ。


「・・・俺は;;;;」


「ニッキーカッコ悪いわ。こんなのが彼氏なんて幻滅だわ」


「くっ・・・ロザンナ;;;;

 分かった!!俺も戦う!!

 俺がカッコイイってとこ見せてやるさ!!」


ロザンナに幻滅したと言われてショックを受けたニッキーは

自らを奮い立たせ剣を持った。

ロザンナの彼氏としてここはがんばらないとねニッキー。


「準備はできたか?

 それじゃあ、戦いをおっぱじめようぜ!!!!」


サラマンダーは炎を猛らせて拳を振るった。

こうして、火の大精霊のサラマンディーとのバトルが始まった。

火の大精霊の実力はどのくらいなのかしら?

私たちは一筋縄ではいかなそうな気配を感じていた。


つづく


火の大精霊のサラマンディーが登場しましたw

見た目通り、脳筋で暑苦しい奴ですw

でも、家庭菜園が趣味w

次回はバトルですw

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