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たとえ世界を敵に回してもキミだけは僕が、、

作者: うえお亜依

世界が黄昏に染まりながら闇へと向かうとき

荒廃した都市に残されたビルの屋上に二つの影


一つの影が言葉を呟く

「そういえば昔に『たとえ太陽が沈み世界が闇に包まれても、必ずまた太陽は昇る。永遠に明けない夜などない』って言葉を聞いたことがあったけど、でもそれって間違ってるよね?だっていま見えてる夕日が沈んだら、もうこの星に二度と太陽が昇ることはないんだから。ヒトが想像できる範囲はその時代の常識がどうしても足枷になっちゃうよね。太陽の寿命が来るのは何万年も後とか考えてたみたいだけど、その前にこの星が死を迎えることを想像してなかったって、面白いよね。あ〜でもあの頃の私もそんなことは全く考えもせずに無我夢中で悪と戦ってたんだっけ?しかも最後には『世界中』を相手にすることになるなんて思ってもなかったな。そう思うともしかして、その頃の私は幸せだったのかな?ねえ、どう思うマオは」


すでに少女ではなくなった少女が影を相手に答えを求めるが、仮面から音を洩らしながら影は会話を拒否する

《何度言えば分かる。僕は魔王でお前は勇者だ》


それでも少女は気にすることなく言葉を続ける

「そんなこと今更気にしたって意味がなくない?だって、もうこの星にはワタシとマオ君しかいないんだし。それにその『勇者』って呼ばれるの好きじゃないの知ってるよね?マオ」


影は仮面を外し、青年には満たない少年が顔を出す

「そうだったな。悪かった、ユウ」


それに対し、少女は疑問を口にする

「ちなみに今のマオは、この汚染された空気を吸っても大丈夫なんだよね?」


それに対し、少年は呆れたように答える

「ユウ。今までキミの相手をしてきたんだ。この程度で死んでたら命が幾らあっても足りてないよ」


その言葉を聞き、少女は悲しそうに微笑みながら

「それもそうか。でも、ワタシが言うのもなんだけど、マオがまだ生きている事が驚きだよ。よく死ななかったね」


少年は再び仮面を着けながら答えにならない答えを返す

「いちを魔王だからね」


その答えを聞き少女だった少女は顔から笑みを消して

「で?この星を救えなかった勇者に魔王はなんのようなのかな?










それとも、

















この星を消すと決めた『ワタシ』に『最後のヒト』として何かようかな?」


「魔王だったマオなら知ってると思うけど、私だってこの星が好きだったんよ。だから、勇者としてこの星を脅かす悪とずっと戦ってきたんだよ。

辛くてもいつかみんなg平和になれると思って頑張ってきたんだよ。頑張って、頑張って、頑張って、頑張って、頑張って、頑張って、戦って、戦って、戦って、戦って、戦って、戦って、戦って、辛かったけどそれでもがんばって、がんばって、がんばって、ガンバッテ、頑張って、がんばっt


そしたら、この世界が嫌いになっちゃってたんだ。きっかけはなんだったんだろう?よく覚えてないや。そして今ならわかるよ。マオは、いや魔王は私にこの世界のイヤなところを見せないように自分が悪になり、ワタシとセカイの敵でいてくれたんだね。せっかくワタシから世界を守ろうとしてくれたのに、ゴメンね。


それでもワタシは、この世界がキライ。


そしてセカイはそんなワタシにチカラを貸してくれる。


セカイはいつだってワタシを助けてくれる。


世界中のヒトが敵に回っても、それでもセカイはミカタでいてくれる。


誰もワタシを止めれない。

殺してくれない。


もう疲れちゃったよ。コレで終わらせていいよね?もう何回目か忘れるくらい『此の時間』を繰り返すの疲れちゃったよ。あーでも勇者が諦めてたら世界の希望はなくなるね。ま、今更そんなことどうでもいいか、、、」


《いや、どうでもよくない。何度繰り返そうが、キミを殺すことを諦めない。僕は忘れていない、、、328回目だ。そして328回目でようやく【遊】は『希望』を諦めてくれた。世界を救う『想い』を辞めてくれた。コレで『セカイ』が『世界を想うモノ』に『チカラ』を渡す必要が無くなった。コレで魔王は勇者を殺せる》



おめでとう、遊

これで僕は君を殺せる


「然らばだ、勇者。これで世界は我、魔王のものだ」


こうして魔王は世界を手中に収めた










そして、時代は変わり











世界を手に入れた【真央】の【遊】を巻き込んだ『セカイ』への復讐が始まる

「明けない夜はない」

何かしないと訪れない夜明けなのか

何もしないで訪れる夜明けなのか



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