トリトナレ(前編)
背中が、、痛い。寝苦しさを覚え途端に目を覚ます。
見渡す限り森だ。後ろを振り返ると何処までも続く滝が流れている。森、、夢か。東京付近にこんな森はない。つれてこようにも不可能だろう。
夢ならば、と森の中に歩みを進める。
にしても本当にリアルな夢だ。質感まで現実とおんなじだ。小一時間歩いて遠くに宮殿らしき物があることに気付く。
大分遠いが目が覚めそうにもないので行ってみることにした。明るく登っていた太陽が沈み始め、月が登り始めた。ここまで再現されていると気味が悪い。
やっとの思いで宮殿に着くとそこには大勢の人が集まっていた。
数十人はいるか。知らない人がここ迄いるとどんな夢かサッパリ分かりゃしない。
そんな風に考えていると青年に話しかけられる。
「あの、すいません。何処から来ました?」
夢で出身を尋ねられたことに驚きつつ面白いので会話を続けることにした。
「東京から」
そう答えると慌てて青年は訂正してくる。
「あ!ごめんなさい。分かりにくかったですよね。
この森の何処から来ましたか?今地図作ってるんです。」
地図?そんなものいるのか?
「何で地図を?」
「この島から抜け出すためです。」
「夢だからどうせ覚める。」
そうやって答えるといえ、と暗い声を出して教えてくれる。
「この世界、夢じゃないです。現実です。」
この世界が、、、現実???
些か信じにくい話だが一旦話を聞いてみることにした。
青年、いや健が言うには、昨日この島に来たが太陽が登って下がってを過ぎても目が覚めず、眠気も、食欲も何もかもがあったから夢ではないと考えているそう。
この話を聞くとこの世界は本当に現、、実??
考えを巡らせていると2人の女の子が入ってくる。
入った瞬間アナウンスが流れる。
「あーあー参加者100名の皆様が集まりました。」
そう流れると周りの人から怒号がいくつか聞こえる。
「落ち着いてください。今からルール説明をします。
聞き逃さないように。」
「FIRST STAGE はトリトナレです。」
「クリア条件はこの島から抜け出すことです。」
「食料は2週間分、その部屋にあります。」
「ぜひ鳥のように自由となるための一歩を踏み込んでください。」
アナウンスが途切れる。これ、、だけ?いや、でも、外周は滝で、、
これが本当なら、、イカれた奴に捕まったのかもしれない。




