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記憶のかけらと家族のかたち  作者: 櫻木サヱ
新しい日常の光

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89/90

日常の光と、家族の絆

朝の光が施設の廊下を柔らかく包む。母・フミは歩行器を使いながらゆっくりと歩くが、今日は少し自信に満ちた足取りだ。忠彦は母の背後で手を添え、安心感を与える。美佐も隣で手を添え、家族の温かさが母の心を包む。


「母さん、今日も焦らんでええよ」

母は小さくうなずき、微笑む。庭に出ると、咲き誇る花々が母の目に映り、わずかに目を細める。忠彦がそっと声をかける。

「花がきれいに咲いとるけぇ、ゆっくり見ようね」


午前中のリハビリでは、母が少しふらつく場面があったが、忠彦と美佐が素早く支える。ナースの美咲は離れた場所から観察し、職員に助言する。

「家族の寄り添いが、母さんの安心感に直結しています。小さな日常の積み重ねが、日々の安定を作ります」


昼下がり、室内で母が椅子を押す小さな事件があった。忠彦がそっと手を添え、声をかける。

「大丈夫じゃ、母さん。父ちゃんがおるけぇ安心して」

母は少しずつ落ち着き、微笑む。美佐も手を添え、家族の絆を感じながら母を見守る。


午後、庭で散歩。母は花や空を眺め、静かに呼吸を整える。忠彦と美佐はそっと手を添え、母の安心を支える。ナースの美咲も少し離れた場所から観察し、職員と情報共有する。

「家族の支えが、母さんの日常を安定させています。小さな変化や出来事に焦らず対応することが大切です」


夕方、談話室で家族と母が並ぶ。母は目を閉じ、穏やかな呼吸を続ける。忠彦は手を握り、美佐も手を添える。揺れる日常の中で、家族の手と心が母の安心を育み、少しずつ新しい日常が形になっていく。


夜、ベッドサイド。母は穏やかに眠り、忠彦と美佐は静かに寄り添う。美咲は離れた場所から見守り、最後の記録を残す。

《揺れる日常の中で、家族の絆と寄り添う手が母の安心を作り出す。小さな日々の積み重ねこそが、人生の光となる》

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