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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第4章 もう1つの「始まり」

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第84話 エレンvs「勇者」水音・決着、そして……

 今回はいつもより少し短めの話になります。


 「受けてみろ、火の型」


 と、目の前のエレンに向かって静かにそう言い放った水音。


 その言葉に「何……?」とエレンは反応したが、


 「な!?」


 それまで離れた位置にいた水音が、いつの間にか自身のすぐ傍まで来ていたので、あまりのことに彼女は呆然としていた。


 そして、そこからはまさに、()()()()()()だった。


 「ふっ!」


 エレンのすぐ傍まで近づいた水音は、彼女に向かって怒涛の連続攻撃をお見舞いしたのだ。


 掌底から始まって、パンチ、キック、そして、再び掌底からの回し蹴り。その後はそれを繰り返しつつ、時折連続パンチや連続キックを挟んだ。


 「な! く! くぅううう……!」


 エレンは持っていた木剣を使ってどうにかそれらを防御したが、水音の勢いが強すぎるのか、完全に防ぐことは出来ず、体のあちこちにダメージ受けていた。


 ただ、その前の顎への攻撃を除いて、()()への攻撃はなかったが……。


 まぁとにかく、水音の連続攻撃を受け続けて、


 (こ、このままでは……!)


 と、エレンもなんとか反撃しようと水音に向かって木剣を振るったが、


 「遅いよ」


 という水音が一言そう言うと、その反撃を蹴りで弾いた。


 (な、そんな!)


 その結果、木剣はエレンの手から離れて、空中でクルクルと回転し、2人から離れた位置の地面に落ちた。


 それを見て、エレンは再び呆然としたが、


 「はぁ!」


 「くぅ!」


 それでも水音の勢いは止まることなく、エレンはすぐに両腕を交差させて、水音の攻撃を防御しようとしたが、


 「遅い!」


 水音の勢いの前には無意味だったようで、エレンの防御はあっさりと破られてしまった。


 その後、


 「これで最後だ」


 と、水音は静かにそう呟くと、


 「先生の、仇ぃ!」


 という叫びと共に、ガラ空きになったエレンの腹部を思いっきりぶん殴った。


 「がはぁ!」


 攻撃をまともに受けたエレンはその勢いで後ろの壁まで吹っ飛ばされた。


 そして、壁に背中から激突すると、


 「ぐ……あ……」


 ズリズリと地面にへたり込み、そのまま意識を失った。


 そんなエレンの様子を見て、水音の周囲はシーン静まり返ったが、


 「……や、やった! 桜庭の勝ちだ!」


 という進の叫びをキッカケに、クラスメイト達だけでなく兵士達までもが、


 『わぁあああ!』


 と、一斉に歓声をあげた。


 ただ、その一方で、


 「桜庭。私、まだ生きてるんだけどなぁ……」


 と、爽子が「はは……」と頬を引き攣らせていたが。


 まぁそれはさておき、気絶しているエレンを見ながら、


 「ふぅー」


 と、水音がひと息入れていると、


 「いやぁ、いいもの見させてもらったわぁ!」


 と、パチパチという拍手音と共にそんな声が聞こえたので、それを聞いた水音と周囲の人達が、


 『え?』


 と、一斉にその声がした方へと振り向くと、


 (え、ウィルフレッド陛下?)


 そこには2人の男性がいた。


 1人は今水音が心の中でそう呟いたように、ルーセンティア王国の国王ウィルフレッドで、その表情は「な、なんてことを……」と言わんばかりに顔を真っ青にしていた。


 いや、よく見ると、


 (あ、クラリッサ様にイヴリーヌ様もいる。2人ともどうしたんだろう?)


 と、水音がそう疑問に思ったように、ウィルフレッドの背後には彼と同じように「な、なんてことを」と言わんばかりに顔を真っ青にしている、王女クラリッサとその妹イヴリーヌの姿があった。


 そして、


 (あれ? あの人は確か……)


 と、水音が再び心の中でそう呟きながら首を傾げたように、ウィルフレッドの隣にいるもう1人は、()()()()何処かで会ったかのような、見た目的にはウィルフレッドと同じ年頃くらいの威厳に満ちた男性だったので、


 (ええっと、確か何処かで会ったような……)


 と、水音は「うーん」と唸りながらその男性のことを思い出そうとしていると、


 「よぉ! ()()()()()()()()()()だな!」


 と、男性の方からそう言ってきたので、その言葉を聞いて、


 (え、『ウィルフとの通信』って……)


 と、水音の中で、()()が反応したのか、


 『あ!』


 と、水音だけでなく、爽子、歩夢、美羽、純輝、煌良、優までもがそう声をあげると、


 『ヴィンセント皇帝陛下!』


 と、その男性を見てそう叫び、


 『え!? この人がぁ!?』


 と、進をはじめとした残ったクラスメイト達がそう声をあげた。


 その声を聞いて、男性が「がっはっは!」と笑うと、


 「その通り! 俺がストロザイア帝国皇帝、ヴィンセント・リアム・ストロザイアだ!」


 と、男性……否、ヴィンセントは腰に拳をあてて「かっこいいポーズ」を取りながらそう名乗った。


 その名乗りを聞いて、


 『え、ええぇ!?』


 と、進達が驚きの声をあげ、


 (ヴィンセント皇帝陛下、もう来てたのか!?)


 と、水音が驚きに満ちた表情になっていると、


 「で、そこでグッタリしてる小娘はな……」


 と、ヴィンセントは未だに壁際で気絶しているエレンを指差したので、それに水音は「え?」とエレンの方へと視線を向けると、


 「()()()()()()()()()()()()2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ」


 と、ヴィンセントはエレンを指差しながらそう言った。


 その言葉を聞いて、


 「……は? え? こ、こうじょ?」


 と、水音は「訳がわからん!」と言わんばかりに大きく首を傾げた後、「本当ですか?」と言わんばかりに、何故かウィルフレッドに視線を向けた。勿論、爽子とクラスメイト達もである。


 そして、その視線を受けて、ウィルフレッドは「う!」とビクッとなったが、やがて観念したかのように、


 「……その通りだ」


 と、顔を真っ青にしたまま頷きながらそう言い、それに続くように、クラリッサとイヴリーヌもウィルフレッドと同じように顔を真っ青にしたまま、無言でコクリと頷いた。


 その態度を見て、水音ら勇者達は漸く理解出来たのか、目をパチクリとさせた後、


 『えええええええ!?』


 と、皆、一斉に驚きに満ちた叫びをあげた。

 


 

謝罪)


 大変申し訳ありません。誠に勝手ながら、前回の話を少し加筆修正させてもらいました。


 本当にすみません。

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