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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第3章 異世界エルードの「真実」

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第49話 「女幽霊グラシア」登場


 「ここですよ」


 そう言って、春風達の前にスーッと1人の女性が現れた。


 見た目は2、30代くらいで長い髪を持ち、物語に出てくるような魔術師……いや、もっと言えば「占い師」を思わせるような少し派手な装飾が施されたローブを纏ってはいるが、そこに加えて肌までもが青白く、女性の背後の壁まで見えるくらい透けていたので、


 (あ、この人もしかして……)


 と、春風は彼女の正体に気付いたような表情になると、


 「あら驚いた。『精霊』だけじゃなく『()()』までいたのね」


 と、目を見開いていたアマテラスが、女性を見てそう口を開いたので、


 (あぁ、やっぱり幽霊さんなんだ……)


 と、春風は落ち着いた表情でそう納得した。普通の人ならここで、


 「で、出たぁあああああ! 幽霊だぁあああああ!」


 と、悲鳴をあげるだろうが、残念なことに春風はそうはならなかった。


 因みに理由を説明すると話が脱線してしまうので、ここでは語らないことにしよう。


 まぁとにかく、そんな春風とアマテラスを前に、


 「あ、グラシアさんただいま!」


 と、レナがその幽霊の女性に向かってそう言うと、


 「お帰りなさいませ、レナ様」


 と、「グラシア」と呼ばれた幽霊の女性がニコッと笑いながらそう返事したので、


 (あ、この幽霊さんもレナさんの『家族』なんだ)


 と、春風は落ち着いた表情のままそう納得した。


 すると、ヘリアテスが「コホン」と咳き込むと、


 「グラシアさん、出番を待っていたとはいえ、いきなり現れるなんてお客様に対して失礼ですよ。ましてや私と同じ『神様』なのですから」


 と、グラシアと呼ばれた幽霊の女性に向かってそう注意したので、


 「ああ、これは申し訳ありません。私ってばつい……」


 と、グラシアと呼ばれた幽霊の女性は本当に申し訳なさそうにそう言うと、


 「お初にお目にかかります、異世界の女神様と御使(みつかい)様。私はグラシア・ブルーム。()()()()()()で死んでしまい、今はこうして幽霊として、ヘリアテス様のお世話になっている者です。以後、お見知り置きを」


 と、春風とアマテラスに向かってペコリとお辞儀しながらそう自己紹介をしてきたので、


 「『地球の神』が1柱、天照大神よ。『アマテラス』って呼んでね」


 と、アマテラスが「グラシア」と呼ばれた幽霊の女性ーー以下、グラシアに向かってそう自己紹介し、


 「わかりました。それでは、『アマテラス様』と呼ばせてもらいます」


 と、グラシアが再びペコリとお辞儀しながらそう返事すると、それに続くように、


 「はじめまして、自分は『地球』から来ました雪村春風と申します……」


 と、春風もグラシアに向かってそう自己紹介したが、


 「ん? ちょっと待ってください、『御使様』って俺のことですか?」


 と、「おや?」と言わんばかりの表情になった後、グラシアに向かって首を傾げながらそう尋ねると、


 「はい、その通りです。あなた様からはそちらのアマテラス様に近しいものを感じましたので、てっきりアマテラス様の御使様かと思ったのですが……」


 と、グラシアも「ん?」と首を傾げながらそう尋ね返してきたので、


 「いえ、申し訳ありませんが、自分はこちらのアマテラス様と同じ『地球の神』であるオーディン様と契約を結んだ人間……いや、『元・人間』というべきでしょうか。ですので、そんな『御使様』などといった大袈裟な者では……」


 と、春風がそう訂正しようとしたが、


 「いいえ春風君、彼女の認識であってるわよ」


 と、何故かアマテラスが「待った」をかけてきたので、それを聞いた春風が、


 「え、どういうことですか?」


 と、反応すると、


 「いや、だって春風君は私達『神々』と契約を結んで、その後私達からの『お願い』を受けてこの世界に来た訳だから、今のあなたは立場的には神の使い、『御使』ってことになるんだけど」


 と、アマテラスは「何を言ってるんだ?」と言わんばかりの表情でそう説明したので、


 「え、マジですか!?」


 と、春風はガーンとショックを受けた。

 

 その後、今の自分の現状に春風が「なんてこった」と落ち込んでいると、


 「あの、話が進まないので、よろしいでしょうか?」


 と、ヘリアテスが恐る恐る「はい」と手を上げながらそう言ったので、その場にいる者達全員が、


 『あ、そ、そうですね』


 と言うと、全員で「コホン」と咳き込んで気持ちを切り替えると、


 「さて、グラシアさんとやら」


 と、まずはアマテラスがグラシアに向かってそう声をかけたので、


 「はい、何でしょうか?」


 と、グラシアがそう返事すると、


 「国王ウィルフレッドが話していた『予言』についてなんだけど、あなたは何か知ってるの?」


 と、アマテラスは真剣な表情でそう尋ねた。


 その質問を聞いて、春風も話を聞かねばとグラシアを見ると、


 「はい、知ってます。何故なら、その『予言』は17年前に()()()()()『予言』なのですから」


 と、グラシアは真っ直ぐアマテラスを見ながらそう答えたので、春風は「何ですと!?」と言わんばかりに大きく目を見開いた後、


 「ぐ、グラシアさん。あなたは一体……?」


 と、グラシアに向かって「何者ですか?」と尋ねた。


 その質問に対して、グラシアはアマテラスと春風に向かって、


 「改めて自己紹介させてもらいます。私の名は、グラシア・ブルーム。かつて、固有職能『時読み師』の固有職保持者だった者です」


 と、ペコリとお辞儀しながら、改めてそう自己紹介した。


 それを聞いて、


 「ふーん。『だった』ということは、今は違うってこと?」


 と、アマテラスがそう尋ねると、


 「はい。どうやらこの世界では人が死ぬと『職能保持者』ではなくなってしまうようで、今の私はもう自身の『ステータス』を出すことが出来ないのです」


 と、グラシアはすこし表情を暗くしながらそう答えた。


 その答えを聞いて、アマテラスは「なるほどねぇ」と呟くと、


 「それじゃあ、かつてあなたの職能だった『時読み師』について教えてくれるかしら?」


 と、再びグラシアに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、グラシアは「わかりました」と返事すると、


 「『時読み師』とはその名の通り、『時を読む』ことができるという特殊な魔術師ので、『時の流れ』を読み取ることによって、『過去』に起きた出来事から、少し先の『未来』を見ることが出来るのです」


 と、アマテラスに向かってそう説明した。


 それを聞いて、


 (え、マジですか!? 何というチートな!)


 と、春風が大きく目を見開きながら、心の中でそう感心する中、


 「そして、先程アマテラス様が仰った『国王ウィルフレッドが話していた予言』というのは、17年前、私が死ぬ間際に使った『最後のスキル』で見た『未来の出来事』、それも、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』なのです!」


 と、グラシアが春風とアマテラスに向かってハッキリとそう言ったので、


 「「な、何だってぇえええええええ!?」」


 と、春風とアマテラスはショックでそう叫んだ。

 


 

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