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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第3章 異世界エルードの「真実」

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第41話 ログハウス内にて


 ヘリアテスに促されてログハウスに入った、春風、レナ、そしてアマテラス。


 (わ! 凄く綺麗!)


 と、春風がそう思ったように、中は掃除が隅々まで行き届いてるのではないかと思うくらいとても綺麗で、それと同時に、


 (何だろう、()()()()()()()みたいな感じがする)


 と、まるで我が家に帰ってきたかのような感覚に囚われていると、


 「こちらです」


 と、ヘリアテスにそう言われて、2人と1柱はとある部屋に入った。


 そこはどうやら食堂のようで、中央には大きな木製のテーブルがあり、それを囲むように4台の椅子が置かれていたので、ヘリアテスに「どうぞ」と言われると、アマテラス、春風の順に椅子に座った。因みにレナはというと、


 「レナ、お茶をお出しするから、ちょっと手伝って」


 と、ヘリアテスに頼まれて、


 「うん、わかった」


 と、レナがそう返事すると、一緒になって食堂を出ていった。


 それから暫くして、再びヘリアテス達が食堂に入ると、春風とアマテラスの前にティーカップが並べられ、そこにヘリアテスがお茶(?)を注ぐと、


 (……って、め、め、女神様が用意したお茶って!)


 と、春風は今になって緊張のあまり表情を強張らせたが、隣のアマテラスが「それじゃあいただくわ」と言ってそのお茶(?)を一口飲むと、


 「うん。相変わらずあなたが淹れたお茶は美味しいわ」


 と、穏やかな笑みを浮かべながらそう感想を言ったので、


 「ありがとうございます、アマテラス様」


 と、ヘリアテスは「恐縮です」と言わんばかりにお辞儀をしながらそう返事した。


 そんな2柱の女神を見て、


 (お、おおう。改めて考えたら、俺は今、()()()()に遭遇してませんかぁ!?)


 と、春風が更に緊張で表情を強張らせていると、


 「ん? どうしたの春風君、お茶飲まないの?」


 と、アマテラスがそう尋ねてきたので、


 「は! す、すみません、いただきます!」


 と、春風はそう謝罪すると、目の前に出されたお茶を一口飲んだ。


 (あ、美味しい)


 と、春風が心の中そう呟きながら、それまで強張らせていた表情を緩ませると、


 「「うふふ」」


 と、2柱の女神がそう笑う声がしたので、


 「あ、すみません」


 と、春風は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら謝罪した。


 その後、アマテラスと春風に向かい合うように、ヘリアテスとレナが椅子に座ると、


 「さて、美味しいお茶を飲んでひと息ついたとして……」


 と、アマテラスが真面目な表情になってそう口を開いた。


 その言葉に春風、レナ、ヘリアテスがゴクリと唾を飲むと、


 「色々と聞きたいことがあるけど……女神ヘリアテス」


 と、アマテラスがヘリアテスに視線を向けたので、それにヘリアテスが「はい」と返事すると、


 「神ループスはどうしたのかしら? あなた達いつだって一緒にいたから」


 と、アマテラスは周囲を見回しながらそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「申し訳ございません、ループスは今、私とは()()()()でして……」


 と、ヘリアテスがそう答えると、


 「それは、今世間を騒がせてる『邪神』と関係してるものね?」


 と、アマテラスが更にそう尋ねてきた。


 その質問を聞いて、春風は「あれ?」と思ったのか、


 「すみません、ちょっとよろしいでしょうか?」


 と、「はい」と右手を上げながらそう口を開くと、


 「ん? ああ、そういえば言ってなかったわね」


 と、アマテラスは何かを思い出したかのようにハッとなったので、それに春風が思わず「え?」と首を傾げると、アマテラスはスッと春風の()()を指差して、


 「春風君。あなたはオーディンと契約して、彼の『分身』となった。それは即ち、春風君が見てきたものは、()()()()()()()()()()ということにもなるの。そして、オーディンの目を通して、私達他の神々もそれを見ることが出来るという訳」


 と、説明した。


 それを聞いて、春風は「はぁ……」と声をもらすと、すぐに「ん?」となって、


 「……じゃあ、俺がルーセンティア王国で()()()()()()()も、全て知ってる、と?」


 と、アマテラスに向かって恐る恐るそう尋ねた。


 その質問に対して、アマテラスは無言でコクリと頷くと、


 「申し訳ありませんアマテラス様。俺、先生やクラスのみんな、そして俺の大切な人達を……」


 と、春風は本当に申し訳なさそうな表情で、アマテラスに向かって深々と頭を下げて謝罪すると、アマテラスはポンと春風の肩に手を置いて、


 「大丈夫。春風君がどんな想いでそうしたのか、オーディンは勿論、私達も理解してるわ。寧ろ、『よく頑張った』って思ってるの。おかげで色々と情報を聞くことが出来たし」


 と、優しい口調でそう言ったので、


 「……あの、俺がウィルフレッド陛下達にした質問ですが……」


 と、春風はそう言うと、最後に「どうだったでしょうか?」と付け加えた。


 その言葉を聞いて、アマテラスは「そうねぇ……」と考え込む仕草をすると、「うん」と頷いて、


 「普通にルール通りに異世界召喚をやらせるとなると、あのクラリッサってお姫様と『動機』に関しては、まぁ()()()()()()として、『対価』が用意出来てなかったのは駄目ねぇ」


 と、春風に向かってそう言ったので、それを聞いた春風は「はぁ、そうですか」と呟くと、


 「さて、それじゃあ女神ヘリアテス」


 と、アマテラスは再びヘリアテスに視線を向けたので、それにヘリアテスが「はい」と返事すると、


 「久しぶりにあったけど……あなた、随分と()()()()()()()()()()()()


 と、アマテラスは目を細めながらそう言ったので、


 「……やはり、気付いてましたか」


 と、ヘリアテスが「悲しみ」に満ちた表情でそう返事すると、


 「ええ。あなたも神ループスも、最後に会った時はかなり力をつけていたわ。『最高神』の称号を持つ、この私も認める程にね」


 と、アマテラスが真剣な表情でそう言ったので、


 (え、そ、そうなんですか!?)


 と、春風は大きく目を見開いたが、そんな彼を他所に、


 「でも、今日再会したあなたは、その力は『殆どない』と言っていい程、かなり弱くなっていたわ。ひょっとすると、それは神ループスも同じなんじゃない?」


 と、アマテラスは真剣な表情のまま、ヘリアテスに向かってそう尋ねたので、ヘリアテスは「それは……」と更に「悲しみ」に満ちた表情で下を向いたが、すぐに顔を上げて、


 「その通りです。私とループスは現在、()()()()()()()()()()()によって、『神』としての力を殆ど奪われてしまっている状態なのです」


 と、真っ直ぐアマテラスを見ながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風が驚きのあまり「ええ!?」と大きく目を見開いたが叫んだが、すぐにアマテラスに「静かに」と注意されてしまい、


 「す、すみません」


 と、謝罪した。


 その後、


 「教えて()()()()()()。あなたとルーちゃん……いえ、もっと言えば、あなた達と最後に会ってから500年の間に、一体何が起きたの?」


 と、アマテラスはヘリアテスをそう呼びながら、穏やかな口調でそう尋ねてきたので、その質問にヘリアテスは、


 「それは……」


 と、また「悲しみ」に満ちた表情になった。


 いや、よく見ると、その表情には「悲しい」という感情の他に、何処か「悔しさ」も含まれているように感じた春風だったが、今は黙って話を聞くことにした。


 そして、そんな春風を前に、


 「……全てを、お話します。500年前、この世界で起きた出来事を」


 と、ヘリアテスは文字通り「全て」を話し始めた。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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