表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第3章 異世界エルードの「真実」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/260

第40話 アマテラス、再び


 (な、何でマジスマにアマテラス様の名前が!?)


 ヘリアテスの手に触れた途端、突如着信音(?)鳴り出した春風のマジスマ。その画面に表示されたアマテラスの名前に、春風は目を大きく見開いたが、いつまでも音を鳴らしてるわけにもいかないと考え、そのマジスマを操作することにした。


 そして、音が止まったマジスマを耳にあてて、


 「……は、はい、もしもし」


 と、春風が恐る恐るそう言うと、


 「あ、もしもし春風くーん? アマテラスだけどー」


 と、何やら砕けた感じの口調でそう返事が来たが、その声は間違いなく「アマテラス」こと「天照大神」本人のものだったので、


 「あ、はい、アマテラス様、何でしょうか?」


 と、春風もアマテラスに向かってそう返事すると、


 「お疲れ様春風君。無事に接触出来たみたいね」


 と、アマテラスは今度は真面目な口調でそう言ってきた。それを聞いて、


 「は、はい。その前に()()ありましたけど……」


 と、春風は何処か申し訳なさそうな口調でそう言うと、


 「それじゃあ春風君、今あなたの手に持ってるマジスマの画面を上にかざして」


 と、アマテラスがそう言ってきたので、それに春風が「え?」と首を傾げると、


 「いいからいいから」


 と、アマテラスが何やら急かしてきたので、春風は「訳がわからない」と言わんばかりの表情になったが、


 (ま、考えても仕方ないか)


 という結論に至ったので、春風はアマテラスの言葉に従ってマジスマの画面を上にかざした。


 すると次の瞬間、


 (うわ! 眩し!)


 と、春風が驚いたように、突如マジスマの画面が白く光り出し、その光から1つの人影が現れた。


 その正体は、白いワイシャツに青いジーンズ姿をした、長い黒髪を持つちょっと気の強そうな印象をした20代前半くらいの若い女性、


 「あ、アマテラス様!?」


 そう、「アマテラス」こと「天照大神」だった。


 因みに、足は素足である。


 「やっほー、春風君。数時間ぶり……かな?」


 と、春風に向かってアマテラスがそう挨拶すると、


 「ど、どうしてアマテラス様がマジスマから……? え、こんな機能ありましたっけ!?」


 と、春風は少し混乱した様子でアマテラスに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「あー、それはねぇ……」


 と、アマテラスはダラダラと滝のように汗を流しながら、何とも気まずそうにそう口を開いたので、それを見た春風が「ん?」と首を傾げると、


 「実は、春風君がオーディンと契約している間に、私と他の神々であなたのスマホを()()()()()()()したんだよねぇ」


 と、アマテラスは「いやぁ参った参った」と言わんばかりに「あはは」と笑いながらそう答えたので、


 「まさかと思いますが、それってゼウス様も関わってました?」


 と、春風がジト目でそう尋ねてきたので、アマテラスは「う……」と呻いた後、無言でコクリと頷いた。


 そんなアマテラスを見て、


 (ああ。それでゼウス様、あの時俺の服を持ってたんだなぁ)


 と、春風はオーディンとの契約を終えた後のことを思い出した後、


 「いやちょっと待ってくださいよ! 人のスマホに何してくれてんですか!?」


 と、アマテラスに向かってツッコミを入れるようにそう尋ねた。


 その質問を聞いて、アマテラスは泣きそうな顔で「だって……」と呟くと、


 「だぁってぇ、私も他の神々もあの時すんごく悔しかったんだもん! 私達だって何かしたいって思ったんだもん!」


 と、開き直ったかのようにそう怒鳴ったので、それを聞いた春風は「ええ……?」とドン引きしていると、


 「ていうか春風君だって、そのスマホそっこーで魔導具の材料にしちゃったじゃない!」


 と、アマテラスは「むぅ!」と頬を膨らませながらそう言ってきたので、


 「うぐぅ! そ、そうでした」


 と、春風は図星を突かれたかのようにそれ以上何も言えなくなってしまった。


 すると、


 「あ、あのー」


 と、それまで黙っていたヘリアテスが恐る恐るそう口を開いたので、それに春風とアマテラスが「ん?」と反応すると、アマテラスは「あ!」となって、


 「ご、ごめんね」


 と、ヘリアテスに向かってそう謝罪した後、「コホン」と小さく咳き込んで、


 「久しぶりね、()()()()()()


 と、ヘリアテスに向かって穏やかな笑みを浮かべながらそう挨拶した。


 その挨拶を聞いて、


 「はい、お久しぶりです、アマテラス様」


 と、ヘリアテスはアマテラスに向かって丁寧なお辞儀をしながらそう挨拶を返すと、


 「ふふ、連絡が取れなくなっちゃって心配してたけど、元気そうでよかったわ」


 と、アマテラスは笑いながらそう言うと、「そして……」と今度はヘリアテスの隣に立つレナに視線を向けると、


 「……あら、固まってるわ」


 と、アマテラスがそう呟いたように、レナは大きく目を見開いた状態で固まっていたので、


 「おーい、もしもーし」


 と、アマテラスがレナにそう話しかけると、


 「はっ!」


 と、レナは我に返ったが、


 「え、あ、あの、どちら様ですか!?」


 と、かなり混乱した様子でアマテラスに向かってそう尋ねたので、それを見たアマテラスは「ふふ」と小さく笑うと、


 「はじめまして、私は春風君の故郷『地球』の女神の1柱、天照大神。『アマテラス』って呼んでいいからね」


 と、レナに向かって穏やかな笑みを浮かべながらそう自己紹介した。


 それを聞いて、レナは「は、はぁ」と声をもらした後、再びハッとなって、


 「し、失礼しました! 私はレナ・ヒューズと申します、お母さん……『太陽と花の女神ヘリアテス』とお父さん……『月光と牙の神ループス』に育てられました!」


 と、アマテラスに向かって深々と頭を下げて謝罪しながらそう自己紹介した。


 それを聞いたアマテラスは、


 「へー、ヘリアちゃんと()()()()()にねぇ……」


 と言って、「ふむふむ」と考え込むと、再びヘリアテスを見て、


 「ヘリアちゃん……いえ、()()()()()()()。何やら()()があるみたいね?」


 と、真剣な表情と口調でそう尋ねた。


 その質問を聞いて、ヘリアテスはビクッと体を強張らせた後、


 「……はい、その通りです」


 ろ、アマテラスに向かって深々と頭を下げながらそう言った。


 その後、


 「もしよろしければ、色々と聞かせてくれると嬉しいんだけど、いいかな?」


 と、アマテラスが再び尋ねてきたので、


 「わかりました。詳しいことは中でお話ししますので」


 と、ヘリアテスはそう答えると、「どうぞ」と言ってログハウスの中へと誘った。


 それを見て、アマテラスは再び「ふむふむ」と考え込んだ後、


 「そういうことなら。春風君、一緒に行こっか」


 と、春風に向かってそう話しかけたので、


 「はい、わかりました」


 と、春風はそう返事し、その後、春風、アマテラス、そしてレナは、ヘリアテスと共にログハウスの中へと入った。


 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ