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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第8章 「再会」の時

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第375話 「騎士」からの謝罪

 今回は、いつもより短めの話になります。


 「この度はルーセンティア王国の騎士達が、君ともう1人に対してとんでもないことをしてしまった。本当に、申し訳ない」


 と、春風に向かって深々と頭を下げながら謝罪した、ルーセンティア王国の騎士、ヘクター。


 そんな彼の謝罪を聞いて、


 「……え? い、いきなり何を……」


 と、春風は戸惑いの表情を浮かべたが、すぐに「ん?」と何かに気付いた表情になると、


 (……あれ? そういえばあの時、この人謁見の間にいなかったような……?)


 と、目の前のヘクターを見てそう疑問に思った。


 すると、


 「本当だよ! 私は大丈夫だったけど、春風は一歩間違ってたら死んじゃってたかもしれないんだからね!」


 と、春風の隣でレナがヘクターに向かってそう怒鳴ったので、


 「レナ、ちょっとごめんね」


 と、春風はそう言ってレナに「待った」をかけた。


 その後、春風は「むぅ……」と頬を膨らませるレナを無視して、


 「ヘクターさん……で、いいんですよね? ちょっと、顔を上げてほしいのですが……」


 と、ヘクターに向かってそう頼み込むと、ヘクターは「う、うむ……」と返事しながらゆっくりと顔を上げた。


 そして、春風はそんなヘクターに向かって「ありがとうございます」とお礼を言うと、


 「はじめまして、自分は雪村春風と申します。『勇者』達と同じ世界の人間で、今はここフロントラルで『ハンター』として活動しています」


 と、丁寧な口調でそう自己紹介した。


 その自己紹介を聞いて、


 「お、おお、これはご丁寧に……」


 と、ヘクターは大きく目を見開いたが、すぐに申し訳なさそうな表情になって、


 「()()殿()、先ほども申したように、私と同じルーセンティア王国の騎士達が、君ともう1人……そちらのお嬢さんにとんでもないことをしてしまい、申し訳なかった。本当に、すまなかった」


 と、チラッとレナを見ながら、再び春風に向かってそう謝罪したが、それを聞いた春風は首をゆっくりと左右に振って、


 「……確かに、あの日、いきなり斬りかかられたことに関しては『怒り』を覚えましたが、その()()を作ったのは自分です。寧ろ、『国王陛下とそのご家族の目の前で無礼を働いた』ようなものですから」


 と、そう言うと、最後に「あはは」と苦笑いした。


 そんな春風を見て、


 『おいおい……』


 「は、春風ぁ……」


 「フーちゃん……」


 「もう、春風君ったら……」


 と、周囲の人達が呆れ顔でそう言う中、


 「ですので、ヘクターさんが謝る必要はありません」


 と、春風は気にすることなくヘクターに向かってそう言ったので、


 「いや、しかし……」


 と、ヘクターはそれでも何か言おうとしたが、それを遮るように、


 「ところで、ヘクターさんは『勇者召喚』が行われたあの日、どうしてたんですか? 自分の記憶が確かなら、ヘクターさんとそちらのルイーズさんは、謁見の間にいなかったと思うのですが」


 と、春風はチラッとルイーズを見ながら、ヘクターに向かってそう尋ねた。


 その質問を聞いて、レナが「あ、確かに!」とハッとなっていると、


 「え? あ、ああ、その日なら、恥ずかしい話だが私とルイーズはあの日、騎士としての任務中だったので、『勇者召喚』の儀式が行われたこと自体知らなかったんだ」


 と、ヘクターは気まずそうに春風の質問にそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「ええ、何それ? そんなことってあるのぉ?」


 と、レナがヘクターに向かって疑いの眼差しを向けながらそう尋ねると、


 「うぐ! それは……」


 と、ヘクターが更に気まずそうな表情を浮かべたので、


 「レナ、ちょっとごめんね」


 と、春風は再びレナに向かって「待った」をかけた。


 その後、春風は再び「むぅ……」と頬を膨らませたレナを無視して、


 「ヘクターさん、話の続きをお願いします」


 と、再びヘクターに向かってそうお願いすると、


 「あ、ああ」


 と、ヘクターはコクリと頷きながらそう返事して、


 「そして、我々が任務を終えて王城に戻った時にはもう()()が終わった後で、その時にウィルフレッド陛下から、我々がいない間に『勇者召喚』の儀式を行ったことや、君ともう1人の人物が騎士達を相手に暴れた後に王城を出ていったことを聞いたんだ」


 と、春風に向かってそう説明した。


 ヘクターの話を聞いて、


 (うーん。『神眼』に反応がないから、ヘクターさんは嘘は言ってないな。しかし、ヘクターさん達に話がいってないとなると、ルーセンティア王国の騎士団って1枚岩じゃないのか? それとも()()()()があるのか……?)

 

 と、春風はそう疑問に思ったが、


 (まぁとにかく、俺が今言うべきことは1つだ)


 と、そう考えて、


 「あの、ヘクターさん」


 と、ヘクターに向かってそう声をかけた。


 「な、何だろうか?」


 と、声をかけられたヘクターがそう返事すると、


 「ユメちゃん達……勇者達がここまでくる道中、ヘクターさん達が手助けしたそうですね?」


 と、春風はチラッと歩夢らクラスメイト達を見ながら、ヘクターに向かってそう尋ねてきたので、


 「あ、ああ、そうだが……」


 と、ヘクターがコクリと頷きながらそう返事すると、春風は「でしたら……」と小さな声でそう呟いて、


 「クラスメイト達を守ってくれて、ありがとございました」


 と、ヘクターに向かって深々と頭を下げながらお礼を言った。


 それを聞いて、


 「え!? い、いや、我々は『騎士』として当たり前のことをしただけだが……」


 と、ヘクターが戸惑いの表情を浮かべていると、


 「それでも、自分がこうしてクラスメイト達と再会出来たのはあなた方のおかげです。本当にありがとうございました」


 と、春風は頭を下げた状態のまま、重ねるように再びお礼を言い、


 「そして、ヘクターさん達の仲間に酷いことをして、申し訳ありませんでした」


 と、最後にそう謝罪した。


 その謝罪を聞いて、


 『……』


 と、誰もが何も言えないでいる中、


 「……」


 1つの「影」が、食堂の出入り口から中の様子をジッと覗き見ていた。


 


 

 


 

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