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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第2章 「物語」の始まり

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第36話 「外の世界」へ

 お待たせしました、今章最終話です。


 それと、いつもより短めの話になります。


 爽子とクラスメイト達、そして、大切な人達への別れ(?)を終えて、春風は今、「ハンター」の少女・レナと共に廊下を走っていた。


 そんな状況の中、


 「あのぉ、レナさん」


 と、春風が走りながらレナに声をかけたので、


 「ん? なぁに、春風」


 と、レナも走りながら返事すると、


 「今更だとは思ってますが一応質問しますけど、ここってルーセンティア王国の王城の中なんですよね?」


 と、春風はレナに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「そうだよ。どうしたの?」


 と、レナがそう尋ね返すと、


 「その……俺達()()()()()()()()()()()()()()()?」


 と、春風は更にそう尋ねたので、それにレナが「う!」と走りながら呻くと、


 「あー。実を言うとね、私……ここには()()って形で入ったんだよねぇ」


 と、気まずそうにそう答えたので、


 「……え? じゃあ何処に向かって走ってるんですか?」


 と、春風は不安そうに更に尋ねた。


 その質問を聞いて、レナは「やばい!」と思ったのか、


 「だ、大丈夫! 私には今、()()()()がいるから! だから安心して!」


 と、元気よくそう言ったので、


 「わかりました、レナさんを信じます」


 と、春風はそう返した。


 その後、レナに案内されるように、春風は今いるルーセンティア王国の王城内を駆け抜けて、それから暫くすると、レナが1つの扉の前で止まったので、


 「レナさん、ここって……?」


 と、春風がそう尋ねると、


 「うーん。まぁ、()()みたいなものかな?」


 と、レナはとぼけた感じでそう答えたので、


 (な、なんか不安になってきたぞ)


 と、春風はタラリと汗を流したが、


 「さぁ早く、急いで!」


 と、レナはそそくさとその扉を開けてその向こうへと駆け出したので、


 (えーい、男なら何とやらだ!)


 と、春風も覚悟を決めて、彼女の後を追った。


 扉の向こうは本当に王城の外のようで、


 (えっとぉ、レナさんは……)


 と、春風がレナを探そうと辺りを見回すと、


 「こっちこっち!」


 と、少し離れた位置でレナが手招きしているのが見えたので、春風はすぐに彼女のもとへと向かい、その後合流すると、再び彼女に案内されるかのように出発した。


 そして、暫く進んでいると、


 「わぁ!」


 そこには、見たこともない建物が数多く建っていたので、


 「レ、レナさん、もしかしてあそこって……?」


 と、春風が目の前の光景を指差しながら、レナに向かって恐る恐る尋ねると、


 「そうだよ。あそこがこのルーセンティア王国の首都、『王都』だよ」


 と、レナはコクリと頷きながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風はその「王都」を見ながら「おぉ……」と少し感動していると、


 「さ、こっちだよ春風」


 と、レナはまたその場から進み出したので、春風も急いでその後を追い、やがて彼女と共に王都へと足を踏み入れた。


 そこは先程語ったように、大小様々な見たこともない建物が建っていて、その建物の間の通りには、沢山の人達が行き交っていた。


 ただ、


 「なんか……全部白いんですけど!?」


 と、春風がレナに向かって小声でそう言ったように、どの建物も真っ白に塗られていて全体的に見れば綺麗ではあるが、春風はそれに何処か()()()()()を感じていたので、


 (ああ。俺は本当に異世界に来たんだなぁ)


 と、春風は改めてそう思った。


 そんな様子の春風を見て、


 「春風、大丈夫?」


 と、レナは心配そうに声をかけると、


 「ん? ああ、大丈夫です。ご心配には及びません」


 と、春風はニコッとしながらそう返事した。


 その返事を聞いて、レナは更に心配そうな表情になったが、すぐに首を横に振って、


 「ごめん、辛いだろうけどもう少しでこの王都の外に出られるから」


 と春風に向かって励ますかのようにそう言ったので、春風はそれに「わかりました」と返事すると、2人はまたその場から駆け出した。


 それからまた暫く走っていると、やがて大きな門が見えたので、


 「あそこが外に通じる門だよ!」


 と、レナがそれを指差しながら、元気よくそう言うと、


 「わかりました!」


 と、春風はコクリと頷きながら、レナと同じように元気よくそう言った。


 そして漸く大きな門の傍まで近づくと、


 「ん? おい、そこの2人!」


 と、門番らしきシンプルな鎧を纏った男性が、春風とレナに向かって声を駆けてきたので、


 「あれ? なんか呼ばれた?」


 と、春風がそれに首を傾げると、


 「問題ないよ、このまま突っ切る!」


 と、レナは走るスピードを上げ出したので、


 「よし、俺だって!」


 と、春風もレナと同じように走るスピードを上げ出した。その際、


 (ああ、やっぱり体が軽いな)


 と、心の中で少し感動していた。


 そんな2人を前に、


 「お、おい! お前達止まれ! 止まれぇえええええ!」


 と門番の男性が止めに入ったが、


 「ごめんなさい!」


 「すみません!」


 と、レナ、春風の順に門番の男性に向かってそう謝罪すると、猛スピードで彼の横を通り過ぎていった。


 そのあまりの出来事に、


 「え? あ? えええ!?」


 と、門番の男性は戸惑いを隠せない様子だったが、2人はそれを気にすることなく走っていった。


 やがて、2人は大きな門を走りながら潜っていくと、目の前に違う景色が見え始めたので、


 「見えた、外だよ!」


 と、レナは前方を指差しながらそう言った。


 その言葉を聞いて、


 「外……か」


 と、春風はボソリとそう呟くと、


 「もしかして……怖い?」


 と、レナは再び心配そうに声をかけてきたので、


 「そりゃあ、怖いですよ。でも……」


 「でも?」


 「もうそんなこと、言ってられません!」


 と、春風はまっすぐ前を見ながら、力強くそう返事した。


 その返事を聞いて、


 「そっか」


 レナが満面の笑みを浮かべながらそう言ってるうちに、2人は王都の外へと飛び出した。


 


 


 





 

 本日はもう1本あります。

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