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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第8章 「再会」の時

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第369話 「疑念」からの……


 「雪村春風様、もしかするとあなたは、何か『特別な事情』があってルーセンティア王国を、歩夢様達のもとを去ったのですか?」


 と、春風に向かってそう尋ねたイヴリーヌ。


 そんな彼女の質問に、


 「仰ってる意味がわかりませんが?」


 と、春風は目を細めながらそう尋ね返した。


 その雰囲気にイヴリーヌは何かを感じたのか、「う……」と少しビビったが、すぐに首を左右に振ると、


 「不快にさせてしまったのなら申し訳ありません。ですが、あなたがルーセンティア王国を離れた後、あなたに関して()()()()()が浮かび上がったのです」


 と、春風に向かって「王族」らしき毅然とした態度でそう言った。


 そんなイヴリーヌの言葉に、


 「「「「「あ……」」」」」


 と、歩夢と美羽を含めたクラスメイト5人がそう声をもらす中、


 「そして、先程のそちらのお二人の発言から、あなたが歩夢様達のもとから離れたのは、他の人には言えない、()()()()()があったのではないかと確信したのです」


 と、イヴリーヌがチラッと凛咲とミネルヴァを見ながらそう話を続けたので、


 「あら、それはまた随分と興味深いですね」


 「ふむ、そのようですね」


 と、フロントラル市長のオードリーと、ハンターギルド総本部長のフレデリックも興味津々の表情を浮かべ、更に周囲の人達も「ん?」と、首を傾げ出したので、


 「ああ、それは……」


 と、イヴリーヌの質問に凛咲がそう口を開こうとした、まさにその時、


 「師匠」


 と、春風が何やら低い声でそう口を開いた。


 その瞬間、凛咲だけでなくレナや歩夢など、食堂内にいる全ての人達の視線が春風に向けられて、


 「ど、どうしたのハニー?」


 と、凛咲が恐る恐る春風に向かってそう尋ねると、


 「……」


 春風はそれに何も答えず、ただ黙って凛咲をジッと見つめた。


 ーー余計なことは言うな。


 と、無表情の春風からそう言われた気がした凛咲は「うぐ……」と小さく呻くと、すぐに「ふぅ」とひと息入れて、


 「……そうね、私が言うべきことじゃないわ。ごめんなさい」


 と、春風に向かってそう謝罪した。


 その謝罪を受けて、


 「ありがとうございます」


 と、春風は凛咲に向かってペコリと頭を下げながらそう言うと、


 「ユメちゃん。美羽さん。レナ。ちょっと離れてくれませんか?」


 と、歩夢、美羽、そしてレナに向かってそうお願いした。


 そのお願いを受けた歩夢達は「え?」と皆、そう声をもらしたが、春風の様子から何かを感じたのか、


 「「「う、うん」」」


 と、3人とも素直に春風に従って彼から離れた。


 その後、春風は歩夢達に向かって、


 「ありがとう」


 と、穏やかな笑みを浮かべながらお礼を言うと、無言で全身をイヴリーヌの方へと向けて、彼女を前に跪いた。


 突然の春風の行動に、


 「あ、あの……」


 と、イヴリーヌが戸惑いの表情を浮かべていると、春風は跪いた状態のまま頭を下げて、


 「イヴリーヌ様、勝手なことを言ってるのは重々承知なのですが、先程のあなたの質問に対して、自分は何も答えることは出来ません。申し訳ありません」


 と、イヴリーヌに向かってそう謝罪した。


 その謝罪を受けて、イヴリーヌが「うぅ……」と呻くと、


 「あらあら、春風ちゃん。その様子だと、やっぱり何か『理由』があったのねぇ」


 と、イヴリーヌの隣に立っていたキャロラインが、少しふざけた感じでそう口を開いたのだが、


 「……」


 春風は跪いた状態からなんの返事もしなかったので、


 「……ふぅ。どうやら、春風ちゃんは本気のようねぇ」


 と、キャロラインは「やれやれ」と言わんばかりの呆れ顔でそう言うと、レナの方へと視線を向けて、


 「()()()()()()()


 と、レナを何故か「ちゃん付け」ではなくフルネームでそう呼んだので、それにレナが思わず、


 「ふえ!?」


 と、ビクッとしながらそう返事すると、


 「あなたは、何か知ってることはないかしら?」


 と、キャロラインは真面目な表情でそう尋ねてきた。


 それは、先ほどまでのふざけた態度とは違って、()()()()()()に満ちていたので、そんなキャロラインの質問に誰もが「うぐ……」とビビっていると、


 「……申し訳ありませんが、私からも言えることは何もありません」


 と、レナはゆっくりと首を左右に振りながらそう答えたので、


 「……そう。それは残念ね」


 と、キャロラインはそう言うと、最後に「はぁ」と溜め息を吐いた。


 その溜め息を聞いて、レナがホッと安心していると、


 「だったら、春風ちゃんとレナちゃんには、私達と一緒にストロザイア帝国に来てもらいましょうか!」


 と、キャロラインがまたふざけた感じの態度でそう言ってきたので、


 「「……は?」」


 と、春風とレナは思わずそう声をもらし、


 「か、母様、何を言ってるのですか?」


 と、それまで黙って話を聞いていたアデレードが、キャロラインに向かってそう尋ねると、


 「ん? だ、か、ら、ここでは事情を話せないなら、ストロザイア帝国でなら話せるんじゃないかなって思って……」


 と、キャロラインは首を傾げながらアデレードに向かってそう答えた。


 その答えを聞いて、アデレードは勿論、春風とレナ、そして食堂内にいる者達全員が目をパチクリとさせる中、


 「……ん? 待ってください母様、『私達』とは?」


 と、アデレードが再びキャロラインに向かってそう尋ねると、


 「勿論、アーデちゃんも一緒にストロザイア帝国に来てもらうわ。アーデちゃんだって、久しぶりにお父さんや()()()()()()()()()()()()に会いたいでしょ?」


 と、キャロラインは笑顔で答えながら、最後にそう尋ね返してきたので、その質問にアデレードは「え?」と戸惑いの表情を浮かべたが、


 「……っ!」


 と、何かに気付いたかのようにハッとなってキャロラインを見ると、


 「うふふ」


 と、キャロラインはそう笑うだけで何も答えなかったが、その表情から何かを感じたのか、アデレードも「ふふ」と笑うと、


 「そうですね。私も丁度里帰りしたいなと思ってまし、父様や兄様、エレンにも春風のことキチンと紹介したいですから」


 と、何処か()()()()()笑みを浮かべながら、キャロラインに向かってそう言い、それを聞いたキャロラインは更に「ふふふ……」と笑った。


 そんな2人のやり取りを見て、


 「「あ、あの……」」


 と、春風とレナが恐る恐るそう口を開くと、


 「「というわけで……」」


 「一緒にストロザイア帝国に行きましょう!」


 「一緒にストロザイア帝国に行こう!」


 と、キャロラインとアデレードは、満面の笑みを浮かべながら2人同時にそう言ったので、


 「「ちょっと待てーい!」」


 と、春風とレナも、キャロラインとアデレードに向かって2人同時にそうツッコミを入れた。


 


 

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