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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第256話 「追いかけっこ」の裏では……・2


 ところ変わって、舞台は辺り一面真っ白な空間。


 そこは、春風が暮らす「地球」どころか、レナが暮らす「エルード」でもない場所で、辺り一面建物どころか山、川、海、更には植物すらなく、人どころか蟻1匹の姿もなかった。


 そんなどちらでもないどころか本当に何もない真っ白な空間で、


 「おいオーディン! 大丈夫か!?」


 と、「地球の神」の1柱であるゼウスが、同じく「地球の神」の1柱であるオーディンに向かって心配そうな表情でそう尋ねてきたので、


 「うーん。()()()()は、僕にとっては大したことないんだけど、問題は春風君なんだよなぁ」


 と、オーディンは微妙な表情を浮かべて、自身のお腹を優しく撫でながらそう答えた。


 そんなオーディンの言葉に、


 「そうね。あのアメリアって子に殴られて、今気を失ってるみたいだけど……」


 と、同じく「地球の神々」の1柱である天照大神、以下アマテラスは心配そうな表情を浮かべた。


 ここで確認の為に語っておきたい。


 春風がエルードに着いた時から、アマテラスら「地球の神々」はオーディンと契約した春風の目を通して「エルード」という世界を見てきた。


 そして、それは先程まで春風がアメリア達と対峙していた時も同様で、春風とオーディンの目を通してアメリア達とのやり取りも見ていたが、その最中に春風がアメリアから()()をもらって気を失ってしまったので、その所為で現在どういう状況なのか見ることが出来ないでいるのだ。


 因みに、春風がアメリアに殴られた際、その影響が契約した神であるオーディンにも及んでいて、春風が殴られた瞬間、腹の辺りに()()()()()()()()を受けてしまったのだ。といっても、本当にちょっとした衝撃で、春風にとっては気絶ものだがオーディンにとってはせいぜい3〜5歳くらいの子供に殴られた程度のものだった。


 まぁそれはさておき、


 「うーん。これはどうしたもんかなぁ……」


 と、アマテラスが困った表情を浮かべながらそう口を開いたので、


 「そうだな。せめて電話が出来れば、向こうにすっ飛んでいけるのによう」


 「ああ。だが、春風君自身が気を失ってる以上、それも不可能だろう」


 と、ゼウスとオーディンは悔しそうな表情を浮かべながらそう言い、その後、

 

 「「「うーん」」」


 と、3柱の神々が「どうしたもんか」と悩んでいた、まさにその時、


 「姉上ぇ!」


 と、眩い光と共に、アマテラスら「地球の神々」と同じ白いワイシャツと青いジーンズ姿をした、見たところ春風と同じ年頃くらいの短く刈り揃った黒髪を持つ1人の少年が現れたので、その少年を見て、


 「ど、どうしたの()()()()? そんなに慌てて……」


 と、アマテラスが少し引きながらそう尋ねて、


 「ようスサノオ」


 「やぁ」


 と、ゼウスとオーディンが少年に向かって優しくそう挨拶すると、


 「あ、ゼウスさんにオーディンさん、こんにちは……」


 と、「スサノオ」と呼ばれた少年もゼウスとオーディンに向かってそう挨拶を返したが、


 「……じゃなくて!」


 と、「スサノオ」と呼ばれた少年はハッとなった後、


 「姉上、()()()()()が起きました!」


 と、アマテラスに向かって慌てた様子でそう言ったので、


 「え、何、大変なことって……?」


 と、アマテラスが若干引きながらそう尋ねると、


 「『ルール無視の異世界召喚』から『地球消滅の危機』、そして雪村春風にしたことが、あの2人……()()()にバレました!」


 と、「スサノオ」と呼ばれた少年はハッキリとアマテラスに向かってそう答えたので、


 「「「な、何だってぇえええええ!?」」」


 と、アマテラス、ゼウス、オーディンはギョッと目を大きく見開きながら、驚きに満ちた叫びをあげた。


 その後、


 「えっと、スサノオ。彼女達……怒ってる?」


 と、アマテラスが「スサノオ」と呼ばれた少年に向かって恐る恐るそう尋ねると、


 「はい、もの凄く怒ってます! 特に、春風と契約したオーディンさんに対して、『オーディンぶっ殺す!』と明らかに恨みと憎しみが込められた叫びをあげてました!」


 と、「スサノオ」と呼ばれた少年はコクリと頷きながらそう答えたので、


 「え! 嘘でしょ!?」


 と、オーディンは「ガーン!」とショックを受けた。


 そんなオーディンに構わず、


 「な、なぁゼウス。彼女達、今どうしてる?」


 と、今度はゼウスが恐る恐るそう尋ねると、


 「今、兄上と他の神々で2人を抑えてますが、突破されてここに来るのも時間の問題です!」


 と、「スサノオ」と呼ばれた少年は再びコクリと頷きながらそう答えたので、それを聞いたオーディンが「そんな!」と更にショックを受けていると、次の瞬間、ドーンッと音を立てて、真っ白な空間に雷が落ち、そのすぐ後に、2人の女性がアマテラス達の前に現れた。


 「「みぃつけたぁあああああ……」」


 と、明らかに「鬼」のような形相をした2人の女性が、アマテラス達に向かってそう言ったが、とうの本人達はというと、


 「「「あわわわわわ……!」」」


 と、皆、「神」でも関わらず、情けないくらいブルブルと体を震わせていた。


 因みに、「スサノオ」と呼ばれた少年はというと、


 「じゃあ、僕はこれで……」


 と、既にその場から立ち去っていた。


 まぁそれはさておき、2人の女性はブルブルと震えるアマテラス達を見つけると、ズンッズンッと近寄ってきた。


 そして、


 「おいこらテメェら……」


 「おい貴様ら……」


 と、2人の女性がアマテラス達に向かってそう口を開くと、彼女達の返事も待たずに、


 「「()()()()に何してくれてんだぁああああ!?」」


 と、怒りのままにそう叫んだので、


 「「「ひぃいいいいい!」」」


 と、アマテラス達はみっともなくそう悲鳴をあげた。


 


 


 

 

 




 

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