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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第251話 正体判明、からの……

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 そして、今回はいつもより長めの話になります。


 「そちらの彼女、元・断罪官隊員のアメリア・スタークさんは、数週間前に仲間達を裏切っただけでなく全員その手にかけて逃亡した裏切り者なのです」


 と、アメリアを見つめながらそう言ったフレデリック。


 そんな彼の言葉に、


 (そうか、昼間にアーデさんが言ってたのは……)


 と、春風はチラッとアーデを見ながら……。


 ーーどうも彼らの中から、「裏切り者」が出たらしいの。


 (そういうことだったのか)


 と、昼間にアーデが言ってたことを思い出して、納得の表情を浮かべた。


 そんな春風を他所に、 


 「はぁ!? マジかよ!?」


 と、ヴァレリーはギョッと目を大きく見開き、


 「詳しい話を、教えてください」


 と、タイラーは目を細めながらそう言うと、フレデリックは「ふぅ」とひと息入れて、


 「数週間前、断罪官の小隊がいつものように『異端者』の討伐任務として、とある小さな村を訪れたのですが、その任務の最中、1人の隊員がその小隊の隊長と仲間数名を裏切ったうえにその手にかけて、討伐対象の『異端者』と共に逃亡したそうです」


 と説明したので、


 「なるほど、それが彼女という訳なのですね?」


 と、説明を聞き終えたタイラーがそう尋ねると、フレデリックはコクリと頷いて、


 「その通りです。そして、討伐対象である『異端者』が、そちらのお嬢さんと獣人君なのです」


 と、三つ編みの少女と「獣」の姿と化した幼い少年を交互に見ながらそう答えた。


 その瞬間、


 「ひっ!」


 と、三つ編みの少女は小さく悲鳴をあげながらアメリアにしがみつき、


 「グゥウウ……!」


 と、「獣」の姿と化した幼い少年は牙を剥き出しにして唸りながら、フレデリックを睨みつけた。


 すると、


 「ピート、こっちへ」


 と、アメリアが幼い少年に向かってそう言ったので、それを聞いた「ピート」と呼ばれた幼い少年は、フレデリックを睨みつつ、アメリアの傍に寄った。


 そして、それを確認すると、


 「……私達を、どうするつもりだ」


 と、アメリアは鋭い眼差しをフレデリックに向けながらそう尋ねた。


 その質問に対して、フレデリックは再び「ふぅ」とひと息入れると、


 「そうですね。出来ることなら、あなた方にはこのままここを去ってほしいところですが、困ったことに今ここには五神教会の幹部だけなく断罪官のギデオン・シンクレア大隊長も来てますから、下手なことを言えばこの都市の住人達までもが『異端者』にされてしまいますからねぇ」


 と、本気で困ったような表情でそう言い、


 「まぁ、ここにいなかったとしても、春風さんをここから無理矢理連れ出そうとしたあなた方を許すことは出来ませんが」


 と、すぐにアメリア達をギロリと睨みながらそう付け加え、


 「取り敢えず、ここであなた方を捕まえて、彼らに差し出すとしましょうか。『断罪官から裏切り者が出た』なんて話、教会としてはなんとしても隠しておきたいでしょうし」


 と、すぐにまた表情を変えながら更にそう付け加えた後、最後に「あはは」とわざとらしく笑ったので、


 (フレデリック総本部長さん。お気持ちは大変嬉しいです、ありがとうございます。ですが、こんだけ人がいる中でそんな話したら、もう隠しておけないのでは?)


 と、春風は心の中でフレデリックにお礼を言いつつ、そう疑問に思った。


 その後、


 「さて、お話はこれくらいにしましょうか」


 と、フレデリックがそう締め括った後、ヴァレリーとタイラーが、アメリア達に向かって1歩踏み出した、まさにその時、


 「……い、いや」


 と、三つ編みの少女が震えながらそう口を開いたので、


 「ニーナ?」


 と、「ん?」となったアメリアが、三つ編みの少女をそう呼ぶと、


 「こ……来ないで……来ないでぇ!」


 と、「ニーナ」と呼ばれた少女は、近づいてきたヴァレリーとタイラーに向かってそう叫んだ。


 次の瞬間、ニーナの左右の瞳が紫色に輝き出して……。


 ーーギュルルル!


 「「何!?」」


 ヴァレリーとタイラーの全身に、ニーナの瞳の色と同じ紫色に輝く幾つもの鎖が巻き付いてきた。


 いや、ヴァレリーとタイラーだけではない。


 「うわ! 何だこれ!?」


 「動けない!」


 「く、苦しい……」


 彼らの周囲にいる武装した男女の体にも、紫色に輝く鎖が巻きついていて、それが彼らの動きを封じていた。


 「むむ! 一体、これは……!?」


 当然、フレデリックもその中に含まれていたので、


 「総本部長さん!」


 「「リーダー!」」


 「タイラーさん!」


 と、春風、ディック、フィオナ、アーデはそれを見て驚きの声をあげた。


 その後、


 (あの子、何をしたんだ!? ていうか、一体、何処からあんな鎖が……!?)


 と、疑問に思った春風が、フレデリック達を縛る鎖が何処から現れたのか、その周囲を見回すと、


 「あ、あれは……()から出てるのか!?」


 なんと、その鎖は全て、周囲の建物の影から伸びているのが見えたので、春風は再び驚きの声をあげると、それが聞こえたのか、


 「影? そうか、これは『闇』の力でしたか!」


 と、フレデリックは大きく目を見開いた。


 すると、


 「「リーダーを離せ!」」


 と、「怒り」に満ちた表情のディックとフィオナが、アメリア達に向かって突撃したので、


 「駄目だ、2人とも……!」


 と、ハッとなった春風が2人を止めようとしたが、


 「来ないでぇ!」


 と、それに気付いた「ニーナ」と呼ばれた三つ編みの少女が、ディックとフィオナに向かってそう叫び、その瞬間、近くの建物の影から伸びた紫色に輝く鎖によって、


 「うわ!」


 「きゃ!」


 2人は呆気なく縛られてしまったので、


 「ディック! フィオナさん!」


 と、春風はすぐに2人を助けようと、影から伸びた鎖を掴もうとしたが、


 ーーバチッ!


 「あち!」


 その瞬間、鎖から出た紫色のエネルギーによって、春風の手が弾かれてしまったので、


 「「春風!」」


 と、それを見たレナとアーデがそう叫んだ後、


 「こんのぉ!」


 「許さない!」


 と、ディックとフィオナと同じように「怒り」に満ちた表情でアメリア達に突撃したので、


 「来ないでってば!」


 と、それを見た三つ編みの少女が更にそう叫んだ。


 すると、またしても近くの建物の影から伸びた紫色の鎖が、アーデの全身を締め付けたが、


 「こんなもの!」


 と、レナは素早くそれらを回避して、


 「大人しくしなさい!」


 と、アメリア達のすぐ傍まで近づけたが、


 「やらせるか!」


 と、「獣」の姿と化した幼い少年が、レナに向かって突撃してきた。


 ところが、レナに向かって鋭い爪を伸ばそうとしたその時、


 「……え?」


 と、急にその爪をピタッと止めて、


 「僕と、()()()()がする」


 と、ポカンとした表情でそう言ったので、


 「うっ!」

 

 と、その言葉にレナも動きを止めてしまった。


 その為に……。


 ーーギュルルル!


 「しまった!」


 レナも、全身を紫色の鎖で動きを封じられてしまったので、


 「レナ!」


 と、春風は慌ててレナのもとへと向かった。


 その時、フッと目の前にアメリアが現れたので、


 「どいてください!」


 と、春風はそう怒鳴ったが、


 「すまない」


 と、アメリアはそう言いながら、ハルバードを持ってない自身の右拳に白い光を纏わせると、


 ーーゴスッ!


 その拳で、春風の腹にパンチを入れた。その瞬間、バチバチと春風はまるで電撃をくらったかのようなダメージを受けて、


 「う! れ……レナ……」


 と、春風はそう声をもらすと、その場で意識を失った。


 それを見て、


 「春風!」


 「春風君!」


 と、ヴァレリーとタイラーはそう叫んだ後、鎖から抜け出そうと必死になってもがいたが、もがけばもがくほど縛る力が強くなっていったので、2人はどうすることも出来なかった。それは、レナをはじめとした他の人達も同様だった。


 そんなレナ達を前に、


 「すまない、彼はこのまま連れて行かせてもらう」


 と、気を失った春風を肩に担いだアメリアはそう言うと、


 「ニーナ。ピート。もう行こう」


 と、三つ編みの少女と幼い少年に向かってそう言ったので、


 「う、うん!」


 と、三つ編みの少女はその言葉に従ったが、


 「……」


 幼い少年はチラッとレナを未練がましそうに見つめていたので、


 「ピート?」


 と、三つ編みの少女がそう尋ねると、幼い少年はハッとなって、


 「なんでも……ないよ」


 と返事すると、「獣」の姿から元の人間の少年に戻った。


 そして、


 「失礼する」


 と、アメリアがそう謝罪すると、三つ編みの少女と幼い少年はアメリアにしがみついてきたので、アメリアはそれを確認すると、今度は全身に白い光を纏わせた。


 次の瞬間、春風を肩に担ぎ、三つ編みの少女と幼い少年にしがみつかれたアメリアは、まるでそれが苦になってないかのようにその場から高くジャンプして、建物の屋根の上へと登ると、そこから素早く駆け出したので、


 「春風! 春風ぁあああああ!」


 と、それを見たレナは悲鳴をあげた。


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結果として1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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