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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第248話 迫る不審な「影」

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 ナンシーの店での仕事を終えて、「白い風見鶏」へと帰ろうした春風とグラシア。


 そんな彼ら……いや、正確に言えば春風の後ろ姿を、3()()()()()()()が見つめていた。


 スタスタと「白い風見鶏」へと続く道を歩く春風の後を、3つの不審な影が、気付かれないように息を潜めながら追いかける。


 そして、あと少しで春風のその手が届こうとした、まさにその時、


 「こんばんは!」


 「「「っ!?」」」


 急に春風が後ろを振り向きながら、笑顔でそう挨拶してきたので、それに驚いた3つの不審な影は、思わずビクッとなって全員動きを止めた。


 それを見て、春風が更にニヤリと笑うと、3つの不審な影はすぐにその場から後ろに下がった。


 夜空にて輝く月の光が、3つの不審な影の正体を照らし出す。


 その姿に見覚えがあったのか、


 「()()()()()()()()()か」


 と、春風は目を細めながら、小声でそう呟いた。


 その正体は、昨日のハンターの仕事から戻ってきた時に見かけた、3人のボロボロマントの「侵入者」達だった。


 ただ、昨日は3人共フードをかぶっていたが、今は春風に驚いたのか、後ろに下がった拍子に全員フードが取れて、その素顔があらわになったので、


 「……て言うか」


 その素顔を見て、


 「やっぱり、あなた方でしたか。新しい『宿泊客』のお姉さん達」


 と、春風はそう言うと、最後に「はぁ」と溜め息を吐いた。


 そう、「侵入者」達の正体は、「白い風見鶏」の新しい宿泊客である、ショートヘアの女性と三つ編みの少女、そして幼い少年の3人だったのだ。


 3人の「侵入者」達の正体に、春風は「やれやれ……」と言わんばかりに自身の頭を掻くと、


 「……何故、私達だとわかった?」


 と、ショートヘアの女性が、春風に鋭い視線を向けながらそう尋ねてきたので、


 「昨日、食堂であなた方を見た時から、何となくですが『ああ侵入者はこの人達』かって思いましてね。ただ、ここに来た狙いがわからないから、どうしたものかと悩みましたよ」


 と、春風は再び「やれやれ……」と言わんばかりに頭を掻きながらそう答えた。


 その答えを聞いて、幼い少年はピキッとなったのか、春風に対して「怒り」に満ちた表情で睨みつけた。


 しかし、春風はその視線に構うことなく、


 「ただ、ナンシーさんの店に現れた時は、流石にちょっと驚きましたねぇ。ああ言っときますけど、俺、この通り『男』ですからね! 別に、好きであんな格好したわけじゃありませんから! あくまでも、『ハンター』としての『仕事』で、仕方なくですからね!」


 と、もしこの場に()()()()がいたら、


 「いや、何処のツンデレキャラだよ!」


 と、ツッコミが入ってきそうなセリフをわかりやすそうな「怒り」に満ちた表情で、目の前にいる3人の「侵入者」達に向かってそう言った。


 しかし、


 「「「……」」」


 目の前の3人はそれに反応することなく、ただジッと春風を見つめていたので、


 「ちぇ、ノリが悪いなぁ」


 と、春風はボソリとそう呟くと、


 「で、結局皆さんの『目的』は何なわけですか? まぁ、『訳あり』みたいなのはなんとなくわかりますが……」


 と、表情を真剣なものに変えながら、「侵入者」達に向かってそう尋ねた。


 その質問を受けて、三つ編みの少女と幼い少年が「う……」と2人して春風を警戒すると、ショートヘアの女性が1歩前に出て、


 「すまないが、君には私達と一緒に来てもらう」


 と、春風に向かって自身の右手を差し出しながら言った。


 その言葉を聞いて、春風は「は?」と声をもらした後、


 「おやおや、まさかの()()()ですか。『男』としては女性に誘われて悪い気はしませんが」


 と、冗談を込めてそう返事したが、ショートヘアの女性はそんな春風の言葉に構うことなく、


 「誤解しているようだが、私達は『悪さ』をする為にここに来たわけじゃない。すぐにでもここを離れたいが、君という『目撃者』がいた以上、君をこのままにするわけにはいかない。申し訳ないが、君には私達の『同行者』になってもらう」


 と、かなり真剣な表情でそう言ったので、


 「『嫌だ』と言ったら?」


 と、春風は目を細めながら、ショートヘアの女性に向かってそう尋ねた。


 そんな春風の言葉を聞いて、ショートヘアの女性は春風が本気で同行を断る気だと確信すると、


 「……そうか、ならば無理矢理にでも共に来てもらう」


 と、春風に向かって静かにそう言い、それに合わせたかのように、三つ編みの少女と幼い少年も、ショートヘアの女性と同じように1歩前に出た。


 それを見て、春風は「うーん」と微妙な表情を浮かべながらそう唸ると、


 「あー。申し訳ありませんがお姉さん方」


 と、そんな表情のまま3人に向かってそう声をかけたので、それを聞いた3人が「え?」と言わんばかりの表情になると、


 「いい加減、気付きませんか?」


 と、春風は「はぁ」と溜め息をはきながら、呆れ顔でそう言った。


 その言葉を聞いて、ショートヘアの女性が「何?」と声をもらすと、


 「()()()()()()()()()!」


 と、何かに気付いたかのようにハッとなった幼い少年が、ショートヘアの女性のマントを掴みながらそう叫んだので、それを聞いた三つ編みの少女が「え?」と反応すると、


 「っ! しまった!」


 と、「アメリアお姉ちゃん」と呼ばれたショートヘアの女性はハッとなって周囲を見回し始めた。


 次の瞬間、春風と3人の「侵入者」達の周囲にある建物の影から、複数の武装した男女が現れた。


 その中には、


 「……」


 先程別れたばかりのレナと、


 「よう」


 「やぁ、こんばんは」


 レギオン「紅蓮の猛牛」リーダーのヴァレリーと、レギオン「黄金の両手」リーダーのタイラー、そして、


 「「「……」」」


 アーデ、ディック、フィオナの姿もあった。


 突如周りに現れた複数の人間達に、


 「ね、姉さん……」


 と、三つ編みの少女が怯えたような表情を見せ、


 「く……」


 と、幼い少年がそんな彼女を守るようにその身を寄せて、


 「最初から罠を張ってたか……」


 と、「アメリアお姉ちゃん」と呼ばれたショートヘアの女性がそう呟くと、


 「さて、侵入者の皆さん」


 と、春風が笑顔でそう口を開き、


 「大人しく、捕まってくれませんか?」


 と、「侵入者」達に向かって尋ねるようにそう付け加えた。


 


 


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ずに、結局1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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