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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第242話 「グラシア・ブルーム」という女・そして、彼女は「未来」を見た

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 そして、今回はいつもより長めの話になります。


 (な、何? 急に真っ暗になった!?)


 スキル「絶対未来視」を使ったことによって、グラシアの周囲が「闇」に包まれた。


 (い、一体……これから何が始まるの!?)


 と、突然のことにグラシアが戸惑っていると、


 「『絶対未来視』が発動されました。これより、『過去』に起きた出来事を再生します」


 と、グラシアの頭の中でそんな声がしたので、その声にグラシアが「え!?」と驚くと、グラシアの目の前で、「声」が言ったように「過去」に起きた出来事が再生された。


 ただ、そこに登場した人物達はというと、()()()()()ではなくまるで幼い子供が描いた()()()のように見えたので、


 (えぇ、何これ?)


 と、グラシアは最初微妙な表情を浮かべたが、その落書きのような感じの登場人物達による「過去に起きた出来事」を見て、


 「な……何よこれ!?」


 と、グラシアは衝撃を受けた。


 目の前で再生された「過去の出来事」。


 それは、500年前にエルード(この世界)で起きた()()の出来事だった。


 そう、500年前に確かに大きな戦いがあったが、それは「悪しき邪神」と「5柱の神々」の戦いではなく、この世界の()()()()()とその加護を受けた2つの種族が、突如空から現れた「侵略者」を相手に戦った時のことで、その戦いの結果、「侵略者」側の勝利に終わり、本当の神々は彼らによって力を奪われ封印され、残された2つの種族は散り散りとなった。


 その後、侵略者達は奪ったこの世界で自分達の文明を築き上げ、やがて1つの「国」が出来上がり、その後も幾つかの「国」も出来た。


 その侵略者達の末裔こそ、グラシア達現在のこの世界の住人である「人間」で、その彼らを束ねる長こそ、現在この世界の人間達が崇めている「5柱の神々」だった。


 「う……嘘」


 グラシア自身は、幼い頃に今は亡き両親からこの世界の「歴史」について聞かされていたが、実際に目の前で再生された出来事は、両親の話とまったく異なっていた。おまけに、スキルを発動した直後から頭の中で聞こえていた「声」が、


 「それは、遥か500年前のこと……」


 と、ナレーターのようにその時の出来事について説明していたので、


 「嘘よ! 嘘! 嘘! こんなの……嘘よぉ!」


 と、グラシアは声に出して何度も「声」による説明を否定した。


 当然だろう、両親から聞かされたこの世界の「歴史」が、まったくの「偽り」だったのだから。


 だが、それから少しすると、今度は別の出来事が再生された。


 それは、500年前の本当の出来事から長い時が過ぎた時のこと。そう、後に「始まりの悪魔」と呼ばれることになる最初の固有職保持者ーー「賢者」が生まれた時のことだった。


 成長した「賢者」はその力を使って祖国の為に頑張っていたが、それを疎ましく思った者達によって大切なものを失うことになり、その結果、自身の力が暴走して祖国が消滅してしまう。


 そしてその出来事が起きてから、世界各地で固有職保持者が誕生し、その中から悪事を働く者達も現れたので、それ以来、固有職保持者は「悪魔の力を持つ者」として恐れられるようになった。


 自分達「固有職保持者」が「悪魔」と呼ばれて恐れられるようなった理由を知って、


 「ま、まさか……こんなことって……」


 と、グラシアはショックでその場に膝から崩れ落ちそうになったが、次の瞬間、


 「『過去に起きた出来事』の再生を終了します。続けて、『現在起きてる出来事』を再生します」


 と、頭の中でそんな声がしたので、グラシアはその「声」に向かって、


 「ちょ、ちょっと待……!」


 と、「待った」をかけようとしたが、時既に遅く、グラシアの目の前に「現在の出来事」が再生された。


 再生されたのは……この世界の本当の神々が、長きに渡る封印から目覚めた時のことだった。


 神々は封印されていた間の出来事や、自分達が「悪しき邪神」に、そして自分達の加護を与えていた2つの種族が「悪しき種族」と呼ばれていることを知ってショックを受けていた。


 そして、悲しみに暮れる神々を見たグラシアは、途端に()()()に苛まれ、その場に膝から崩れ落ちると、


 「ご、ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」


 と、涙を流しながら、聞こえてないと、声は届かないとわかっていながらも、何度も何度も謝罪した。


 それからまたすぐに、目の前でとある出来事が再生された。


 今度は何処かの村のようだが、よく見ると、そこに住んでいるのは「人間」ではなかった。


 住んでいたのは、人々から「悪しき種族」と呼ばれていた者達だ。


 「ああ、よかった! まだ生きてたんだわ!」


 と、グラシアは表情を明るくしたが、次の瞬間、彼らの村が炎に包まれた。


 燃え盛る家々を背に、村の住人達が「敵」と戦っている。


 見た目は子供の落書きに見えてたのだが、「敵」が纏っている鎧の形を見て、


 「あ、断罪官」


 と、その正体が「断罪官」であることをグラシアは理解したと同時に、


 (……って、ちょっと待って。これ、『現在の出来事』なら、今何処かで起きてることだっていうの!?)


 という結論に至った。


 グラシアの目の前で繰り広げられている村の住人と断罪官の戦い。


 その最中に両陣営から、1人、また1人と倒れた者が現れる中、村の住人である1人の女性が、()()を抱えて村近くの川に向かっていたのが見えたので、


 (ん? あれは……)


 と、その存在が気になったグラシアは、女性が抱えているものをジッと見つめた。


 よく見ると、それは大きな揺籠みたいなもので、その籠の中には、1人の赤ん坊が眠っていたので、それを見たグラシアは、


 「あ。もしかして、あの人お母さんだったのかな……」


 と、気付いたようにそう呟くと、女性のもとに断罪官の隊員の1人が近づいてきたので、女性は赤ん坊が眠っているその籠をソッと川に流すと、近づいてきた断罪官の隊員と戦い、


 「だ、駄目……!」


 というグラシアの叫びも虚しく、女性は殺されてしまった。


 「ああ、そんな……。折角、『お母さん』になれたっていうのに……」


 目の前転がる女性の死体を見て、グラシアはまた悲しみの涙を流すが、


 「そ、そうだ、あの子は!?」


 と、グラシアはすぐにハッとなって川の方を見た。


 赤ん坊を入れた籠は、流れに身を任せるかのように川を流れていき、それを阻止しようと女性を殺した断罪官の隊員が、川に向かって手を伸ばすが、女性との戦いで負った傷の所為か、隊員はその場に倒れ伏したので、それを見たグラシアは、


 「ふふ、ザマァ見ろ」


 と、鼻で笑った。


 その後、また別の「現在の出来事」が再生されて、


 (今度はなんなの?)


 と、グラシアがゴクリと唾を飲むと、目の前に大きなログハウスが出てきたので、


 「え、何これ!?」


 と、グラシアが驚いていると、そのログハウスの扉が開かれて、


 「あ、本当の神様」


 その向こうから、エルードの本当の神の1柱が現れた。


 本当の神の1柱が向かった先にあるもの。


 「あ、あの()は!」


 それは、断罪官の隊員に殺された女性が川に流した、あの籠だった。


 そして、中に赤ん坊が無事だったのを確認すると、


 「よ、よかったぁ」


 と、グラシアはホッと胸を撫で下ろした。


 次の瞬間、


 「『現在の出来事』の再生を終了します。そして、これより『どんなことをしても絶対に変えることが出来ない未来』をお見せします」


 と、また、グラシアの頭の中でそんな声がした。


 


 


 


謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結果1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。


 そして、次回は「後編」にあたる話になります。

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