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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

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第220話 バージル達の「心配」と、春風の「悩み」

 お待たせしました、1日遅れの投稿にして、今章最終話です。


 その後、春風とレナはデッド・マンティスの鎌で何を造るのか、バージルとその妻ミラと話し合った。


 それから暫くして、造るものが決まると、2人はエリック達と共にバージルとミラの自宅兼2人の工房を後にした。


 春風達と別れた後、


 「ふぅ」


 と、バージルがひと息入れると、


 「あの2人、結構いい子ねぇ」


 と、ミラがそう話しかけてきたので、それにバージルが「ん?」と反応すると、


 「ああ、そうだな」


 と、笑顔でミラに向かってそう返事した。


 だが、


 「ただなぁ……」


 と、バージルが少し暗そうな表情でそう口を開いたので、


 「ん? どうかしたの?」


 と、ミラが首を傾げながらそう尋ねると、


 「春風……あいつ、()()()()だよなぁ」


 と、バージルは暗い表情のままそう答えた。


 その答えを聞いて、ミラは思い当たることがあったのか、「あ……」と声をもらすと、


 「そうね。()()()()()を出せるくらいだから」


 と、何処か心配そうな表情を浮かべながらそう言った。


 そんなミラとバージルの脳裏に浮かんだのは、先程バージルが春風に出した、「お前さんとっての『剣』とは何か?」という質問で出てきた……。


 ーー「斬ること」によって「命を奪う」為の「力」です。


 という春風の答えだった。


 その答えを思い出して、


 「あんなに若い子が、あんな風に答えるなんて……」


 と、ミラが心配そうな表情のままそう言ったので、バージルも「だな」と同じく心配そうな表情でそう返事すると、


 「こいつは俺の勘だが、あいつは何か()()()()()を背負ってるように思えるんだ。それも、()()()()()()()()()をな」


 と、最後にそう付け加えた。


 その言葉を聞いて、


 「そうね。私にもわかるわ」


 と、ミラもそう口を開くと、


 「あの子、大丈夫かしら」


 と、更に心配そうな表情でそう付け加えたので、


 「心配すんなって。あいつに何かあれば、きっとあのレナって子が助けてくれるだろうよ。勿論、エリック達や、俺らもな」


 と、バージルはニヤッとしながらそう言い、それを聞いたミラは、


 「ふふ、確かにそうね」


 と、笑いながらそう言った。


 さて、一方その頃、生産区の通りを歩く春風達はと言うと、


 「はぁ……」


 と、歩きながら溜め息を吐く春風に、


 「どうしたの春風?」


 と、レナが首を傾げなが尋ねると、


 「……バージルさんの『質問』について、改めて考えてたんだ」


 と、春風は表情を暗くしながらそう答えたので、それが聞こえたのか、


 「君とっての『剣』についてだね?」


 と、エリックが春風に向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、春風はゆっくりと頷きながら「はい」と答えると、


 「『剣とは斬ることで命を奪う力』。俺は『師匠』からそう教わってきました。その時の師匠はとても真剣な表情でしたので、俺は今でもこの教えが正しいと思ってるんですが、『本当にそれだけなのか?』って、時々考えちゃうんですよ。だから、バージルさんの質問に対して、もっと()()()()があったんじゃないかって思ってしまって……」


 と、暗い表情のままそう答えた。


 その答えに、レナが「それは……」と声をもらすと、


 「そんなことはないさ春風。あの時、君が出した『答え』は俺達も驚いたが、別に間違ったことは言ってないとも思ってるんだ」


 と、エリックが真面目な表情でそう言い、それに続くように、


 「そうだな。俺らだって『ハンター』として多くの魔物だけじゃなく人間だって相手にして、時にはこの手で殺したりもしてるんだ。ま、『殺戮者』になりたくないって想いも確かにあるけどな」


 と、イアンが苦笑いしながらそう言い、ステラとルーシーも「うんうん」と頷いた。


 そんなエリック達の言葉に、春風が「それは……」と何か言おうとしたが、それを遮るかのように、


 「春風……」


 と、レナが春風の肩に手をポンと置きながらそう話しかけると、


 「エリックさんの言う通りだよ。春風は間違ったことは言ってない。でも、もし何か『別の答えがあるかも?』って思って、それで悩むようなら、その時は遠慮なく言って。どんな時でも、私は春風の味方だから」


 と、真剣な表情でそう言い最後に「ね?」と笑顔でそう付け加えた。当然、レナのその言葉に賛同するかのように、


 「レナだけじゃないさ。ここには俺達だっている」


 「おうよ、なんか悩みとかあるなら、遠慮なく言えよな」


 「そうそう、なんてったって私達、あなたの先輩なんだから」


 「ええ、じゃんじゃん言ってね」


 と、エリック達もそう言ってきたので、その言葉に春風は一瞬泣きそうになったが、すぐにハッとなって首を左右に振ると、


 「ありがとうございます、皆さん」


 と、レナ達に向かって深々と頭を下げながら言った。


 その時だ。


 ーーぐぅううう。


 と、春風のお腹からそんな音が聞こえたので、それに春風達が『あ』と声をもらすと、


 「はは。それじゃあ、みんなで飯にしようか」


 と、エリックがそう提案してきたので、それに春風達が「賛成!」と手を上げながらそう返事すると、


 「春風、レナ。あの時の礼をする為に、ここは奢らせてくれ」


 と、エリックが再びそう提案してきたので、それに春風とレナが「で、でも……」と申し訳なさそうな表情になると、


 「2人共遠慮すんなって」


 「そうよ。ここは黙って奢られなさい」


 「先輩である私達に、ね」


 と、イアン、ステラ、ルーシーも笑顔でそう言ってきたので、春風とレナはお互い顔を見合わせると、2人して「ふふ」と笑って、


 「それじゃあ……」


 「お言葉に甘えさせてもらいます」


 と、エリック達に向かってそう言い、その後、


 「それじゃあ行こうか。この先に俺達の行きつけの店があるんだ」


 と、エリックを先頭に、春風とレナはその後をついていった。


 さて、長くなってしまったが、こうして、それぞれの「運命(物語)」が動き出した。


 しかし、ここからもう少し先の未来で、春風の「運命」が()()()()()で動き出すことになるのだが、この時の春風は勿論、レナ達も知らなかった。

 



 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。


 また、今回で今章の話自体はお終いですが、もう1本投稿した後、「本当の意味」で今章は終了となります。


 お楽しみに。

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