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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

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第208話 帰還からの、「招待」


 その後、春風とレナはヴァレリー率いるレギオン「紅蓮の猛牛」の面々と共に森をあとにした。


 その最中、


 「こちらの問題が片付き次第、正式に謝罪をさせてほしい」


 と、真面目な表情でそう言ってきたヴァレリーに、


 「それなら、()()()でいいかな? その方が周りに迷惑がかからないと思うし」


 と、レナがそう提案してきたので、


 「そうだな。では、そうさせてもらう」


 と、ヴァレリーはコクリ頷きながら、その提案を受け入れた。


 その後、森を抜けた春風達は、そのままフロントラルへと帰還した。幸い、あれから新しい魔物に遭遇することはなかったので、スムーズに内部へと入ることが出来た。


 そして、無事ギルド総本部に戻ると、春風とレナはそれぞれ仕事が終わったと報告したが、唯一ポイズン・マンティスの討伐仕事だけは春風やヴァレリー達によって倒してしまったので、


 「ご、ごめん、レナ……」


 と、春風は改めてレナに謝罪し、その謝罪を受けたレナは、


 「いいよ、仕事自体に期限はないから明日また倒せばいいよ。だから、気にしないで」


 と、笑いながら許したので、春風は申し訳なさそうな表情をしながら、「う、うん」と頷いた。


 その後、2人が報酬をもらうと、


 「それじゃあ、私達はこれで失礼するよ」


 と、ヴァレリー達はそう言って春風達の前から去ったので、


 「じゃあ、俺達も帰ろうか」


 と、春風がレナに向かってそう言うと、


 「待って、春風」


 と、レナに「待った」をかけられたので、それに春風が「ん?」と反応すると、


 「春風、家に来てほしいの」


 と、レナがそう言ってきたので、春風は「え?」と一瞬戸惑ったが、レナがあまりにも真剣な表情だったので、


 「わ、わかった」


 と、春風はコクリと頷いた。


 それからギルド総本部を出ると、2人はそのまま商業区の商店通りに入った。


 そして、少しの間そこを歩いていると、


 「春風、こっちだよ」


 と、レナがとある道に入って、春風を手招きした。


 そこは、「白い風見鶏」への道から少し離れていて、初めて入る道に春風は不安になったが、すぐに首を左右に振って気持ちを切り替えると、その道に足を踏み入れた。


 その後、レナに案内されるように道を歩いていると、


 「さ、着いたよ春風」


 と、レナはとある場所で立ち止まりながらそう言った。


 そこは、宿屋少々あること以外は普通の一軒家が多い場所で、レナが立ち止まったのはその中の一軒だった。かなり綺麗が外観をしていて、その家の横には小さな庭があった。


 そんな一軒家を見て、


 「あの……もしかしてじゃなくても、ここが?」


 と、春風が恐る恐るそう尋ねると、


 「そ。ここが私が借りてる家だよ」


 と、レナは笑顔でそう答え、それからすぐにその家の敷地内に入り、目の前にある扉を開いて、


 「ほら、こっちこっち」


 と、再び春風を手招きした。


 それに春風は「う!」とビクッとしながらも、すぐ再び首を左右に振ると、その手招きを受けて、レナと共にレナの家の中へと入った。因みに、靴のまま入ってもOKだそうだ。


 中はそれなりに広く、おまけに掃除しているのか凄く綺麗で、


 (そ、そういえば女の子の家にあがったのっていつぶりだっけ?)


 と、春風は緊張しているのか顔を真っ赤にしながら、心の中でそう呟いた。


 その後、レナは春風をリビングにあたる部屋に招くと、そこに設置された椅子に座らせて、


 「ちょっと待ってて、お茶を用意するから」


 と言ってリビングにあたる部屋を出た。


 レナが部屋から出た後、春風は改めて周囲を見回した。


 部屋の中も綺麗に掃除されていて、椅子とテーブル、それと暖炉がある以外は特に目立ったものはなく、春風は何となく「寂しいな」と感じてはいたが、


 (ま、俺が気にしてもしょうがないか)


 と、納得することにした。


 暫くすると、


 「お待たせ」


 と、レナがトレイを持って部屋に入ってきた。そのトレイの上にはシンプルなティーポットとシンプルなティーカップが2つあって、ティーポットの注ぎ口から湯気が出ているのが見えた。


 そして、レナは春風の前にあるテーブルにティーカップを2つ並べると、そこにティーポットの中身であるお茶を注ぎ入れた。


 その後、レナはお茶を注ぎ終えると、春風向き合うようにテーブルを挟んだ反対側にある椅子に座ると、


 「あ、そうだ」


 と、レナは何かを思い出したかのようにハッとなって、すぐに椅子から立ち上がると、近くの窓に寄って外を見て、


 「よし、誰もいないな」


 と、小さくそう呟いた後、再び春風と向き合うように椅子に座って、


 「春風、もうグラシアさん出して大丈夫だから」


 と、春風に向かってそう言ってきたので、それを聞いた春風は「え?」と大きく目を見開いた後、


 「うん、わかった」


 と、一言そう言って、左腕の銀の籠手にセットされたマジスマを外し、


 「グラシアさん、出てきていいですよ」


 と、そのマジスマに向かってそう言った。


 次の瞬間、マジスマの画面がピカッと光ると、そこから幽霊の女性グラシアが現れた。


 「ふぅ、漸く出ることが出来ました」


 と、グラシアがひと息入れながらそう言うと、レナは「ふふ」と笑って、


 「賃貸だけど、私の家にようこそ、グラシアさん」


 と、グラシアに向かってそう言い、


 「こちらこそ、招待してくださってありがとうございます、レナ様」


 と、グラシアも笑顔でレナに向かってそう返事した。


 そんなレナ達のやり取りを見た後、


 「それで、レナはどうして俺とグラシアさんを招待したの?」


 と、春風はレナに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、レナは「うん」と頷くと、


 「春風、今日ポイズン・マンティスを倒した時に使った技って言うべきか、それとも魔術なのかもしれないけど、一体何を試したの?」


 と、レナが真剣な表情でそう尋ねてきたので、それに春風は「あー」と少し気まずそうな表情になったが、それでも「いかんいかん!」と首を左右に振ると、


 「あ、あれはね、俺の『魔力』を合わせて作った、俺の()()()()()(?)()()()なんだ」


 と、レナに向かって少し自信なさそうにそう答えた。

 


 

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