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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第2章 「物語」の始まり

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第19話 見知らぬ場所にて

 お待たせしました、本日2本目の投稿にして、第2章の幕開けです。


 (う、うーん……)


 気がつくと、「彼」は見知らぬ場所にいた。


 (ここは……何処なんだろう?)


 と、そう疑問に思った「彼」は、今の自身の状況を知る為に、ゆっくりと首を動かした。


 (これって……寝台……なのかな?)


 と、そう思ったように、そこは大きな寝台のようなものの上で、自身は今その上で寝かされてる状態だというのが理解出来たので、


 (どうして僕、こんなところで寝てるんだ?)


 と、再び疑問に思った「彼」はすぐに起きあがろうとしたが、


 (あ、あれ? 体が、動かない?)


 何故か体を動かすことが出来なかったので、「彼」は「どうなってるんだ?」と思って自身の体をよく見ると、


 (うわ、何だこれ!?)


 と、驚いたように、両手両足がベルトで寝台に固定されていたので、それで体を動かすことが出来なかったのだと理解出来た「彼」は、


 (だ、誰か、助けて……!)


 と、すぐに大声で助けを呼ぼうとしたが、


 「ーーっ! ーーーっ!」


 (あ、あれ? こ、声が出ない!?)


 と、何故か声を出すことも出来なかったので、


 (な、何だよこれ? 僕は、どうなってしまったんだ!?)


 と、「彼」は何が起きてるのかわからず、不安と恐怖で顔を真っ青にしたが、


 (お、落ち着け! 落ち着くんだ僕! 落ち着くんだ、桜庭(さくらば)水音(みなと)!)


 と、心の中で「落ち着いて」と自身にそう言い聞かせた。


 その後、「彼」……否、桜庭水音ーー以下、水音は、


 (と、取り敢えず、今どうしてこんな状況になってるのか考えなきゃ!)


 と、そう考えると、まずは自身の今日の行動を思い出し始めることにした。


 その日、いつものように朝起きて、朝食を済ませて、高校に行く支度をして、妹と共に家を出て、父親に通っている高校まで送ってもらって、高校に着いたら校内に、校内から教室に入って、いつものように授業を受けて、いつものように昼休みを迎えようとしていると、突然奇妙な「声」が聞こえて、教師とクラスメイト達と共に教室に閉じ込められたと思ったら、床が眩しく光り出して、クラスメイト達が1人、また1人とその光に沈んでいった。当然、水音も同じように光に沈んだ。


 (……そうだ。それで、気がついたらここにいるって訳だな)


 と、全てを思い出して、水音は納得の表情を浮かべた。


 その後、


 (先生とみんなは……)


 と、水音は改めて周囲を見回した。


 暗くて狭いが、どうやら小さな部屋の中のようで、正面に1つだけ扉がある以外は、今自身が乗っている寝台のようなものだけだった。


 当然、そこには水音以外は誰もいなくて、


 (うぅ。みんな、どうなってしまったんだろう?)


 と、水音が不安に思っていたその時、ガチャリという音と共に部屋の扉が開かれて、その向こうから数人の人影らしきものが部屋の中に入ってきた。


 (だ、誰だ!?)


 と、水音がゴクリと唾を飲みながらそう思ってるうちに、数人の人影が水音が乗ってる寝台のようなものの周囲に立つと、暗かった部屋の中が、急にピカッと明るくなったので、


 (うわ、眩しい!)


 と、水音は思わず目を閉じた。


 (な、何なんだよ一体!?)


 と、水音は心の中で悪態を吐きながらゆっくりと目を開けると、人影らしきものの人数は5人で、顔こそよく見えなかったが、雰囲気からして3人の若い男性と、2人の若い女性というのがわかった。


 (だ、誰なんだこいつらは?)


 と、薄目を開けた状態でその5人の男女を見る水音を前に、


 「次はこの少年か?」


 と、男女の1人がそう口を開いた。声からして、どうやら3人の男性の1人のようだ。


 そして、その男性に続くように、


 「ええ。調べてみたけど、この子、()()()に何かあるみたい」

 

 と、別の人物がそう口を開いた。今度は2人の女性の1人のようだ。


 すると、


 「そうなの?」


 と、今度は別の男性がそう口を開いた。


 いや、よく聞いてみると、声の高さからしてまだ少年のようだったので、


 (僕と同じ年頃かな?)


 と、水音がそう考えていると、その少年(?)は水音の胸に手を置いて、


 「あ、ホントだ。とても大きな『力』を感じる」


 と、少し驚いたようにそう言ったので、


 (え、まさか、()()()』のことを言ってる!?)


 と、水音は驚いて目を見開こうとしたが、部屋の明かりが眩しすぎたのか、思うように目を開けられないでいた。


 その後、


 「ふむ……」


 と、最初に口を開いた男性も、水音の胸に手を置いて、


 「確かに大きな『力』があるな」


 と、口を開くと、


 「だが、危険な『力』だ。放っておけば、いずれ我々に牙を向けるかもしれない」


 と、声色を変えてそう言ったので、


 「なら、私がこの子の『力』を封じ込めるわ。どうもこの子、素質的に私と相性がいいみたい」


 と、最初に口を開いた女性がそう言った。


 その言葉を聞いて、


 (ま、待って、何を言ってるの!? ていうか『相性』って何!?)


 と、水音は大慌てで体を動かしたが、拘束されている状態だったので思うように動かすことが出来なかった。


 そして、そうこうしているうちに、


 「ほら、大人しくしてなさい」


 と、女性が水音に向かって手を伸ばしてきたので、


 (や、やめろ! 来るなぁ!)


 と、水音は自身の中にあるという「力」を解放しようとしたが、


 「おおっと!」


 「駄目ですよぉ」


 と、残った男性1人と女性1人に、何か大きな「力」のようなもので全身を押さえつけられてしまったので、


 (ぐ! ち、力が、入らない……!)


 と、水音は苦しそうな表情を浮かべた。


 そして、そんな状態の水音を前に、


 「さぁ、私に『全て』を委ねなさい」


 と、女性の手が水音のすぐ傍まで近づいてきたので、


 (い、嫌だぁ! 助けて! 父さん! 母さん! 爺ちゃん! 婆ちゃん! 師匠……!)


 と、水音は恐怖のあまり、心の中で脳裏に浮かんだ身近な人達の名前を叫び、最後に、


 (助けて! ()()ぁ!)


 と、とある1人の少年の名を叫んだ。


 そして、女性の手が水音の胸に手を置かれた瞬間、激しい苦痛に襲われ、


 (うわぁあああああああっ!)


 と、水音は心の中でそう悲鳴をあげて、その後すぐに、


 「おやすみなさい、私の……」


 という女性の声が聞こえた気がしたが、何を言われてるのかわからず、水音は意識を失った。

 どうも、ハヤテです。


 前書きにも書きましたが、今日から第2章の開始となります。


 神々に見送られるように異世界「エルード」へと旅立った春風。


 彼を待ち受けているのは一体何なのか?


 彼の活躍に、ご期待ください。

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