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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

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第198話 「ハンター」レナの戦い

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 フロントラルから近い位置にある森。


 その森の中で、今、「ハンター」のレナが、今回の討伐対象である魔物「アーマー・ボア」と対峙していた。


 全身が岩のような装甲で覆われている大きな猪の魔物に対して、レナが手にしているのは自身の武器である棒。


 睨み合う両者を、春風と左腕の銀の籠手に装着されたマジスマ内のグラシアが見守っている中、


 「ヴオオオオオ!」


 アーマー・ボアが先に動いた。


 「フン! フン!」と鼻を鳴らしながら、レナに向かって突撃するアーマー・ボア。それを前にしても、レナは落ち着いた様子で棒を構える。


 そして、いよいよアーマー・ボアがレナに激突しようとした次の瞬間、


 「ふっ!」


 と、レナは小さくそう叫びながら、ジャンプでその突進を回避した。


 その後、レナは空中で体を回転させながらアーマー・ボアの真上を飛び、華麗に地面に着地した。


 攻撃を避けられたアーマー・ボアは、ズザザザッと急ブレーキをかけるかのようにその場に止まると、すぐに後ろを振り向いて、レナをギロリと睨んだ。


 再び「フン! フン!」と鼻を鳴らすアーマー・ボア。その表情は、明らかに「怒り」に満ちていた。


 そんなアーマー・ボアを見て、レナは無言でニヤリとすると、まるで挑発するかのようにクイックイと右手を動かした。


 それを見た瞬間、


 「ヴモォオオオオオ!」


 と、アーマー・ボアは顔を真っ赤にしながらそう叫ぶと、再びレナに向かって突撃した。今度は先程以上のスピードを出していたので、


 (うわ! あれ、くらったらタダじゃ済みそうにないぞ!)


 と、それを見た春風は心の中でそう呟きながら、ゴクリと唾を飲んだ。


 しかし、そんな春風を他所に、


 「はっ!」


 再びレナは華麗に空中を舞って、アーマー・ボアの突進を回避した。


 先程以上のスピードを出していた為、再び攻撃を避けられたアーマー・ボアは、今度は簡単に止まることが出来ずに、何本もの木に激突し、バキバキとそれら全てを折っていった。


 そんな悲惨な状況を見て、


 「あー、これ後でこの森の精霊さん達に叱られるなぁ」


 と、レナが「ヤバいヤバい」と言わんばかりに自身の頭をボリボリと掻きながらそう呟くと、


 「ヴ……オオ……」


 と、漸く突進が終わったアーマー・ボアが、ゆっくりとレナの前に戻ってきた。


 よく見ると、突進の時にかなり体力を消耗したのか、今にも倒れるんじゃないかと思われるくらいよろよろとしていたので、


 「うん、そろそろ()()()かな」


 と、それを見たレナが小さくそう呟くと、キリッと真剣な表情になって棒を構え直した。


 そんなレナの姿を見て、アーマー・ボアも「これで決めてやる!」と考えたのか、また「フン!」と鼻を鳴らすと、

 

 「ヴオオオオオ!」


 と、上空に向かって思いっきり叫んだ。


 すると、アーマー・ボアの全身がオレンジ色に輝き出して、そのすぐ後に、アーマー・ボアの周囲の地面の土が少しずつ浮かび上がって、幾つかの塊になったので、


 (何だ? 何が始まるんだ!?)


 と、それを見た春風が再びゴクリと唾を飲むと、その幾つかの土の塊が、アーマー・ボアの全身を覆い始めた。


 その瞬間、体を覆った土の塊は、まるで棘のついた新たな装甲へと変化していった。


 オレンジ色の光に包まれたうえに、新たな装甲によって刺々しい見た目となったアーマー・ボアは、目の前のレナをギロリと睨みつけると、後ろ足で地面を何度も蹴り出した。


 そんなアーマー・ボアを前に、


 「へぇ、中々いいじゃない」


 と、レナがニヤリとしながらそう呟くと、ゆっくりと深呼吸して、


 「フンっ!」


 と、アーマー・ボア程ではないが、思いっきり鼻を鳴らした。


 次の瞬間、レナの全身が赤く輝き出して、その後すぐに、レナの細い両腕や両足……否、全身が、まるで筋肉がついたかのようにムキムキに膨れ上がった。


 そして、手にした棒をまるでフルスイングをするかのような感じに持ち変えると、


 「来なよ、決着をつけようじゃない」


 と、目の前のアーマー・ボアに向かって再び挑発するかのようにクイックイッと手を動かした。


 それを見て、


 「フンンン!」


 と、アーマー・ボアは大きく鼻を鳴らした後、レナに向かってまた突撃を開始した。


 全身を覆った棘付きの新たな装甲に加え、2度目時と同じくらいのスピードで突進するアーマー・ボア。


 それに対して、レナはまだ落ち着いた表情をしているのだが、よく見ると手にしている棒までもが赤く光っていた。


 そして、レナが再びゆっくりと深呼吸すると、棒から出ている赤い光が、片方の先端の方へと集まりだした。


 その後、集まった赤い光は形を変えて大きな球体になると、その表面から何本もの真っ赤な光の棘が出てきた。


 棘付きの球体へと形を変えた赤い光を出す棒。


 その棒をレナはギュッと握りしめると、


 「ハァアアアアアッ!」


 と、レナはそう叫びながら、突進してきたアーマー・ボアに向かってそれを思いっきり振るった。


 ドォンッと大きな音を立てて激突したアーマー・ボアと棘付きの球体とかした赤い光。


 その瞬間、棘のついた新たな装甲に、ピキピキと音を立てながらヒビが入りだした。


 そして、そのヒビが全身を覆い始めた時、ズガンッと大きな音を立てて砕け散った。


 これには春風とグラシアだけでなく、突進したアーマー・ボアさえも驚きのあまり目を大きく見開いたが、レナはそれに構わず、


 「いっけぇえええええええ!」


 と、力いっぱい赤い光を纏わせた棒を振り抜いた。


 その瞬間、装甲を失ったアーマー・ボアは吹っ飛ばされて、思いっきり地面い激突した。


 倒れ伏したアーマー・ボアは、ダメージを受けて全身が傷だらけになりながらもなんとか立ち上がろうとしたが、


 「させる訳ないでしょうがぁあああああ!」


 と、レナがそう叫ぶと共に、いつの間にか振り上げていた棒の先端についている棘付きの球体とかした赤い光を、倒れ伏したアーマー・ボアに向かって力いっぱい振り下ろした。


 ドゴンッとレナからの渾身の一撃を受けたアーマー・ボアは、


 「ヴオオオオオオオッ!」


 と、断末魔の叫びをあげると、白目をむいて意識を失った。


 それからピクリともしなくなったので、


 (勝ったんだ……)


 と、その様子を見た春風が心の中でそう呟いていると、


 「……春風」


 と、いつの間にかムキムキの状態から元に戻っていたレナがそう口を開いたので、


 「何? レナ」


 と、春風がそう返事すると、


 「私の戦い、どうだった?」


 と、レナがそう尋ねてきたので、それに春風は「うん」と頷くと、


 「凄くかっこよかった」


 と、真っ直ぐレナを見つめながらそう答えたので、その答えを聞いたレナは春風の方へと振り向くと、


 「えへへ、ありがと!」


 と、春風に向かって満面の笑みを浮かべながらそう言った。


 


 

 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ずに、結果1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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