表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

162/264

第157話 「市長」と「仲間」・2


 ハンターギルド総本部に、突如現れた若い女性。


 その姿を見て、エリック、ステラ、イアンの3人が驚いていたことから、彼女がエリック達の仲間だと理解して、


 (へぇ、あの人がエリックさん達の……)


 と、春風は納得の表情を浮かべたが、


 「……あれ?」


 と、すぐにそう声をもらすと、


 「ねぇ、レナ。確かエリックさん達のお仲間さんって、風邪でダウンしてたんじゃ?」


 と、レナに向かって小声でそう尋ねた。


 その質問を聞いて、レナは「ん?」と反応した後、


 「う、うん。確かにエリックさんそう言ってたよ」


 と、レナも小声で春風に向かってそう答えた。


 さて、そんな春風とレナを他所に、


 「る、ルーシー! どうしてここに!?」


 「体は大丈夫なの!?」


 と、エリックとステラが、「ルーシー」と呼んだ若い女性に向かってそう尋ねると、


 「寝てたら大分楽になったから平気!」


 と、若い女性……否、ルーシーは頬を膨らませながらそう答えたが、


 「……いや、どう見ても平気に見えないが?」


 と、イアンがそうツッコミを入れたので、


 (あ、うん。それは俺もなんとなくわかるかも)


 と、それを聞いた春風もコクリと頷きながら、心の中でそう呟いた。


 すると、


 「わ、私のことはいいの! それよりも!」


 と、ルーシーはそう開き直ると、


 「みんな酷いよ! 私には『都市内部の仕事』だって言ってたのに、外に出てたなんて!」


 と、エリック達に向かってそう怒鳴ったので、


 「え!? ちょっと待って! どうしてそれを!?」


 と、驚いたステラがそう尋ねると、


 「今日、私のことを知って見舞いに来てくれた人達から聞いたの! 『みんな都市の外で採取系の仕事をしてる』って!」


 と、ルーシーは怒鳴りながらそう答えたので、


 「げ! マジかよ、何処の誰だよ……」


 と、それを聞いたイアンは「ヤッベェ……」とバツの悪そうな表情になった。勿論、エリックとステラも似たような表情になった。


 しかし、そんな彼らを無視して、


 「もう! 都市の外での仕事は4人でやるって決めてたのに!」


 と、ルーシーはなおも怒鳴り続けてたので、


 「す、すまないルーシー。今日はその……都市内部の仕事がなかったから……」


 と、エリックは謝罪しながらそう言い訳し、


 「そ、そうなの! こればかりは仕方なかったっていうか……」


 「俺達も、別に約束を破る気はなかったというか……」


 と、エリックに続くように、ステラとイアンもそう言い訳したが、次の瞬間、


 「っ」


 ルーシーはガバッとエリックら3人を抱き寄せて、


 「……本当に、心配したんだから」


 と、震えた声でそう言ったので、


 「……すまない」


 「ご、ごめんなさい」


 「悪い……」


 と、3人は申し訳なさそうな表情で、ルーシーに向かってそう謝罪した。


 さて、そんな4人の様子を見て、


 「……」


 と、春風はなんとも言えない表情を浮かべていると、


 「ん? 春風、どうしたの?」


 と、レナがそう声をかけてきたので、それに春風が「ん?」と反応すると、


 「あー、その。あの人達を見てたら、『仲間』っていうのも悪くないかなって……」


 と、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、エリック達に視線を向けた状態のままそう答えたので、その答えを聞いたレナは「あ……」と、何かを察したかのようにそう声をもらすと、


 「もしかして、ルーセンティア王国に残してきた人達や、ストロザイア帝国に行っちゃった人達のこと、思い出しちゃった?」


 と、春風に向かって小声でそう尋ねた。


 その質問を聞いて、春風は「う……」と呻いた後、


 「……うん」


 と、顔を赤くしつつも、何処か複雑そうな表情で頷いた。


 そう、目の前のエリック達を見て、春風の脳裏に「勇者」達こと教師の爽子とクラスメイト達の姿が浮かんだのだ。


 特に、自分が原因でストロザイア帝国に行ったという6人のクラスメイトと、その中の1人の少年を思い出して、春風は「罪悪感」や「後悔」、そして多くの感情が入り混じったかのような心境になった。


 すると、


 「春風……」


 と、レナが春風の手をギュッと握ってきたので、


 「え、レナ?」


 と、春風がそう反応すると、


 「大丈夫だよ。春風には、私()がついてるから」


 と、レナは真剣な表情かつ小声でそう言ってきた。そして、それと同時に、春風の左腕がじんわりと暖かくなったのを感じて、それに春風は思わず左腕……正確に言うと、左腕に装着した銀の籠手に視線を向けた。


 その瞬間、「あ……」と春風はレナが何を言いたいのか理解して、


 「……うん、そうだね」


 と、小さく呟くと、


 「ありがとう」


 と、お礼を言った。


 その時だ。


 「……って、あ!」


 と、ルーシーが何かに気付いたかのように驚きに満ちた声をあげたので、それに春風とレナがビクッと反応すると、


 「エリック、このマント、何?」


 と、ルーシーはエリックが羽織ってる黒いマントを見つめながらそう尋ねた。


 その質問に対して、エリックは「そ、それは……」と言い難そうにしたが、


 「あと、その盾。凄くいいものだってわかるけど、何処で手に入れたの?」


 と、ルーシーは今度はエリックが身につけてる「盾」に視線を向けながら続けてそう尋ねてきたので、


 「そ、その……えっと……」


 と、エリックは更に答え難そうな表情になった。当然、その質問を聞いたステラとイアンも、なんとも言えない表情になったので、


 「ちょ、ちょっと! 本当に何処で手に入れたの!? まさか、『買った』なんて言わないよね!?」


 と、ルーシーはエリックだけでなくステラとイアンにまで問い詰めた。


 その質問に対して、3人は「いやぁ、そのぉ……」とダラダラと滝のような汗を流すと、


 「「「か、彼が用意してくれました」」」


 と、3人同時に春風に視線を向けながらそう言ったので、


 「……ふえ!?」


 と、春風はなんとも間の抜けた声をもらした。


 いきなり話を振られたので、


 「あ、あはは。ど、どうも……」


 と、春風は引き攣った笑顔でそう返事すると、


 「ん……?」


 と、ルーシーは首を傾げながらそう声をもらすと、隣のレナに気付いたのか、


 「あ、レナ……」


 と、レナを見てそう呟いたが、次に春風に視線を向けると、


 「……と、女の子?」


 と、質問してきたので、


 「俺は『男』です!」


 と、春風は顔を真っ赤にしながら、ルーシーに向かってそうツッコミを入れた。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ