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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第156話 「市長」と「仲間」

 本日2本目の投稿です。


 「はじめまして、私はオードリー・クロフォード。この『フロントラル』の市長を勤めてます。以後よろしくね」


 と、春風に向かってそう自己紹介した、ここ「中立都市フロントラル」の「市長」を名乗る女性、オードリー・クロフォードーー以下、オードリー。


 そんな彼女の言葉に、


 (まさか、『市長』さんの登場とは……)


 と、春風は開いた口が塞がらなかった。


 無理もないだろう。何せ今日1日だけで様々な出会いがあったというのに、更にこうして「市長」にも出会うことになったのだから。


 ともあれ、いつまで呆けてる訳にもいかないと考えた春風は、


 「レナ、もしかして知ってたの?」


 と、春風は小声でレナに向かってそう尋ねると、


 「う、うん。ハンターの仕事中にちょこっと会ったくらいだけど……」


 と、レナは「ふぅ……」と汗を拭う仕草をしながら、春風と同じように小声でそう答えた。


 その答えを聞いて、春風は「そうなんだ」と呟くと、すぐに真面目な表情になって、


 「これは失礼しました。自分は今日ハンターとして登録しました、春風と申します。よろしくお願いします」


 と、オードリーに向かって丁寧な姿勢と口調でそう自己紹介した。


 その自己紹介を聞いて、周囲から「おお!」と歓声があがる中、


 「まぁ、これはご丁寧に! そして、あなたが春風さんだったのですね!?」


 と、オードリーが春風を見て目を大きく見開きながらそう言ってきたので、


 「え? あの、市長さん……は、自分を知ってるのですか?」


 と、春風が首を傾げながらそう尋ねると、


 「ええ。実は今日、仕事中にフレデリック総本部長から、『今日春風という面白い子がハンターとして登録した』っていう話が来たのですよ。で、詳しい話を聞いて、是非会ってみたいと思って、今日の分の仕事が終わったからこうして会いに来た、という訳ですよ」


 と、オードリーは「うふふ」と朗らかな笑みを浮かべながらそう答えたので、


 (そ、総本部長さん……)


 と、春風は無言でフレデリックをジト目で見つめた。勿論、その視線を受けたフレデリックは、プイッとそっぽを向いて口笛を吹いた。


 そんなフレデリックを見て、春風は「はぁ」と溜め息を吐いた後、すぐにフレデリックの傍にいるエリック、ステラ、イアンの3人をチラッと見た。


 その視線を受けて、エリックら3人は「ん?」と首を傾げたが、彼らを無視して春風はオードリーに近づくと、


 「あの、ちょっとお聞きしたいのですが、自分のことは何処まで聞いたのですか?」


 と、周りに聞こえないように注意しながら、小声でオードリーに向かってそう尋ねた。


 その質問を聞いて、オードリーは最初「え?」と首を傾げたが、すぐに「ああ!」と何かを察したかのようにハッとなると、春風に顔を近づけて、


 「あなたがヴァレリーさんを相手に()()()()をしたところから、あなたが『異世界』の人間だってところまでですよ」


 と、春風と同じように小声でそう答えたので、その答えに春風は「うっ!」と呻いた後、


 「す、すみません。出来ればそのことは黙っていただけると嬉しいのですが」


 と、春風は再びオードリーに向かって小声でそう言った。


 その言葉にオードリーは「うふふ」と小さく笑うと、


 「ええ、勿論ですよ。私自身、他人の秘密を面白半分に暴露する趣味はありませんから」


 と、春風に向かって小声でそう言ったので、春風は「ありがとうございます」と小さな声でお礼を言った。


 その様子を見てエリック達が再び首を傾げると、


 「まぁ、それはさておき。このフロントラルはどうですか春風さん?」


 と、オードリーは両腕を少し広げながら、春風に向かってそう尋ねてきたので、


 「そうですね。まだ、ここに来て間もないですが、とてもいいところだと思ってます」


 と、春風は穏やかな笑みを浮かべながらそう答えた。


 その答えを聞いて、オードリーは「うふふ。そうですか」と笑いながら返事すると、


 「それで春風さん。何やら小闘技場から出てきたみたいですが、今日は仕事はいいのですか?」


 と、春風に向かってそう尋ねてきたので、


 「ああ、それでしたら今日の仕事は終わりまして、これから報酬を受け取るところなんです。小闘技場から出てきたことにつきましては、その……()()()()()()……といったところでして」


 と、春風は若干気まずそうにしながらも、真っ直ぐオードリーを見てそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「ああ、そうだったのですね。ごめんなさい、引き留めてしまって」


 と、オードリーが申し訳なさそうにそう謝罪してきたので、


 「いえ、そんな気にしないでください」


 と、春風は静かにスッと右手を上げながら、オードリーに向かって「気にするな」と励ました。


 その後、


 「もしよかったら、ご一緒してもいいでしょうか?」


 と、オードリーがそう言ってきたので、春風は「え?」少し警戒したが、すぐに「いかんいかん」と首を横に振って、


 「ええ、構いません。一緒に行きましょう」


 と、オードリーに向かってそう返事した。


 その返事を聞いて、


 「うふふ、ありがとう」


 と、オードリーはそうお礼を言った後、春風達と共にその場から歩き出した。


 そして、報酬受け取りの窓口に着いた春風は、


 「こちらが報酬になります」


 と、受け取り窓口の職員から、早速今日の仕事の報酬を受け取った。


 そして、報酬を手に取って、


 (おお、これが初めての報酬か……)


 と、春風が少し感動していた、まさにその時、


 「エリック! ステラ! イアン!」


 と、エリック達の名前を呼ぶ、明らかに女性のものと思われる怒声が聞こえたので、それに春風達はビクッとなった後、


 (な、何だ何だ!?)


 と、心の中でそう叫びながら、ゆっくりと声がした方へと視線を向けると、そこにはシンプルなシャツとスカート姿をした1人の若い女性が立っていた。


 女性は明らかに「怒ってます!」と言わんばかりの表情をしていたのだが、よく見るとその顔は赤く、おまけに何やら苦しそうに肩で息をしていたので、


 (あ、あれ? あの人、なんか調子が良くなさそうだぞ? 何かの病気か?)


 と、春風はその苦しそうな表情をした女性を見て「ん?」と首を傾げると、


 「「「る、ルーシー!?」」」


 と、エリック、ステラ、イアンの3人は、その女性を見てギョッと目を大きく見開いたので、


 「……え?」


 と、春風は思わずそう声をもらした。


 


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありません、誠に勝手ながら、前回投稿した話と、第145話の一部を少し加筆修正させてもらいました。


 本当にすみません。

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