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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第132話 対決、春風vsヴァレリー?


 「……あのぉ、ヴァレリーさん」


 「ん? どうした?」


 「()()()()は……一体何の冗談でしょうか?」


 と、目の前にいるレギオン「紅蓮の猛牛」のリーダー、ヴァレリーに向かって恐る恐るそう尋ねた春風。


 そんな春風の質問に対して、


 「冗談ではないぞ。今からお前には、()()()()()()()()()()()()()


 と、ヴァレリーは真面目な表情でそう答えたので、


 (ど、ど、どうしてこんな状況にぃ!?)


 と、春風は心の中でそう悲鳴をあげた。


 遡ること少し前。


 「ちょ、ちょっと、何処に行くんですか!?」


 と、ヴァレリーに腕を引っ張られながら、ハンターギルド総本部内の廊下を歩く春風。そんな春風の質問に対して、


 「まぁまぁ、いいからいいから!」


 と、ヴァレリーはそう答えるだけで、その後は春風の腕を引っ張りながら、ズカズカと廊下を進んでいた。


 勿論、そんな2人の後を、


 「ちょっと! 春風を何処に連れてく気よ!?」


 と、レナが怒鳴りながら追いかけていた。


 それから少しすると、3人は何やら広い場所に出たので、


 「さぁ、ここだ!」


 と、ヴァレリーはそう言って春風の腕を離し、


 「あの……何ですかここ?」


 と、漸く解放された春風は恐る恐るヴァレリーに向かってそう尋ねた。


 3人が着いたのは、先程語ったようにかなり広い部屋の中で、その中央にはまるで漫画とかに出てくる「闘技台」思わせるかのような大きな石造りの台があった。


 そんな台のある部屋で、春風がヴァレリーに質問すると、


 「ああ、ここはな……」


 と、ヴァレリーが答えようとしたが、それを遮るかのように、


 「ここは『小闘技場』というところで、主にハンター同士の決闘や、ちょっとしたイベントなどを行う為の場所ですよ。そして、あの石造りの台こそが戦う場である『闘技台』なのです」


 と、春風達の背後から現れたフレデリックが、ヴァレリーの代わりにそう答えたので、


 「……ま、そういうことだ」


 と、ヴァレリーは何故かドヤ顔でそう言い、


 「は、はぁ、そうですか」


 と、春風は少しモヤッとしながらも、納得の表情を浮かべ、その後、


 「そ、それで、ヴァレリーさんはどうして俺をここに?」


 と、春風が再び恐る恐るそう尋ねると、


 「それはな……」


 と、ヴァレリーはそう言って、小闘技場の壁際に向かった。


 そこには、数本もの木製の剣や槍、棒が入ったケースが置かれていて、ヴァレリーは背負っていた大剣を壁に立てかけた後、そのケースの前に立つと、


 「()()使う?」


 と、春風に向かってそう尋ねてきたので、春風はその質問に「え?」と首を傾げたが、それから少し考えて、


 「じゃあ、剣でお願いします」


 と、答えると、ヴァレリーは「わかった」と言って木製の剣を2本取った。


 その後、ヴァレリーはその木製の剣ーー以下、木剣2本を持ったまま春風達のところに戻ると、再び春風の腕を引っ張り、一緒に石造りの闘技台に上がった。


 そして、その闘技台の中央近くに着くと、ヴァレリーは春風の腕から手を離し、


 「はいよ」


 と、持っていた木剣の1本を春風に手渡すと、春風から数歩程離れた位置に立って、


 「さぁ、構えな」


 と、春風に向かってもう1本の木剣を構えながらそう言い、


 「一体何の冗談ですか?」


 と、尋ねてきた春風に対して、


 「今からお前には、この私を相手に戦ってもらう」


 と、ヴァレリーがそう答え、現在に至る。


 「いやいやいや、ほんとに何でこうなった!?」


 と、今まさに現実起こってる出来事に対して、春風はそう疑問を口にし、


 「ちょおっとぉおおおおお! アンタ一体何考えてんのぉおおおおお!?」


 と、レナも「訳がわからん!」と言わんばかりに、ヴァレリーに向かって怒鳴るようにそう尋ねると、ヴァレリーはそれに「ん?」と反応し、


 「決まってるだろ? 私とちょっと()()()()をしてほしいんだ」


 と、春風とレナに向かってそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「は? て、『手合わせ』ですか?」


 と、春風は首を傾げ、


 「な、何で春風がアンタにそんなことしなきゃいけないのよ!?」


 と、レナは「益々訳がわからん!」と言わんばかりに更に怒鳴るようにそう尋ねたので、ヴァレリーはそれに「うーん、それは……」と木剣を構えたまま考える仕草をすると、


 「まぁ敢えて言うなら、()()()()()()()()()()』さ」


 と、ちょっとふざけた感じでそう答えたので、


 「何じゃそりゃあああああ!」


 と、レナは顔を真っ赤にしながらそう怒鳴った。


 そんなレナをよそに、


 (えー? 何この状況? 漫画やラノベだったら、普通は『ガラの悪い先輩ハンターに絡まれる』ってのが()()()の筈だよな? なのに、今、俺は目の前にいる女の人から手合わせを申し込まれるって……)


 と、春風は心の中でそう呟くと、


 「現実って、ほんと何が起きるかわからないよなぁ……」


 と、今度は口に出してそう言い、最後に「はぁ」と溜め息を吐いた。


 そんな様子の春風を見て、


 「む! おい何だよその溜め息は?」


 と、ヴァレリーが顔を顰めながらそう尋ねると、


 「……ちょっと確認しますが、これって冗談じゃないんですよね?」


 と、春風は真剣な表情でそう尋ね返したので、それにヴァレリーが「む?」と反応すると、


 「勿論だ。そして、遠慮はいらない。何処からでもかかってきな」


 と、ヴァレリーも春風同じく真剣な表情でそう答えた。


 その答えを聞いて、春風は自分達の周辺を見回した。


 今のところ、この場には自分とヴァレリー、レナとフレデリック、そして、()()()()()()()が幾つかあるのを確認すると、


 「うん」


 と小さな声でそう頷いて、ベルトにさした鞘に納まった翼丸とケースに入った夜羽をベルトから外すと、腰のベルトに取り付けた革製のポーチに入れて、


 「あの、ヴァレリーさん」


 と、ヴァレリーに向かってそう声をかけた。


 その言葉にヴァレリーが「ん?」と反応すると、


 「ヴァレリーさんの個人的な理由って、後で教えてくれたりしますか?」


 と、春風は困ったような笑みを浮かべながらそう尋ねてきたので、その質問に対して、ヴァレリーは「ああ」と頷くと、


 「私に勝つことが出来たら、教えてやるよ」


 と、不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風は「そうですか」と呟くと、


 「わかりました。そういうことでしたら……」


 と、ヴァレリーに向かって木剣を構えながら、


 「遠慮なく、いかせてもらいます」


 と、静かにそう言い放った。


 

 

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