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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第124話 その頃、水音達は……

 今回はいつもより短めの話になります。


 「まったく、『結界』を張るなら張るってそう言ってくれよ! 何か()()()()が起きたんじゃないかって心配したんだからさ!」


 と、春風に向かってそう怒鳴ったレベッカ。


 そして、そんな彼女に続くように、


 「本当だよ。私もお母さん程じゃないけど、あなたが何かをやったってことだけはわかったんだからさ!」


 と、娘のウェンディも、春風に向かってプンスカと怒りながらそう言ったので、


 「た、大変、申し訳ありませんでした!」


 と、何度もレベッカとウェンディに向かってペコペコと頭を下げながら謝罪した。


 それから時がすぎて、その日の夜、春風は1人、部屋のベッドの上で横になっていた。


 レナはというと、夜も遅くなってきたということで、フロントラル内にある自宅へと帰っていった。


 ただ、その表情は何処か不満そうにしていたのが見えたが、


 (うん、見間違いだ。絶対に見間違いだ!)


 と、春風はブンブンと首を横に振りながらそう思うことにした。


 グラシアはというと、変わらず春風のマジスマ内で楽しそうに過ごしていた。特に今夢中になっているのは、マジスマ内に保存されている電子書籍(特に漫画や小説など)を読むことで、初めてマジスマの中に入って間もない時に、


 「え、グラシアさん、地球の文字が読めるんですか?」


 と、尋ねてみたところ、


 「それが、どういう訳かこの中に入ってすぐに、文字の読み方がわかるようになってましたので、何の問題もありませんよ」


 と、グラシアは本当に問題ないといった感じでそう答えたので、


 (うーん。これも魔導具に改造した時の影響かな? いや、それとも神様達が改造したからなのか?)


 と、春風はそう考え込んだが、グラシアのあまりにも楽しそうな様子を見て、


 「ま、いっか」


 と、気にしないことにした。


 そして現在、


 (いよいよ明日、俺は『ハンター』ってのになるのか)


 と、春風は心の中でそう呟きながら、明日に備えて早く寝ようとしていた。


 ただ、その際に、


 (ユメちゃん。美羽さん。水音。先生やクラスのみんな。今頃どうしてるだろうなぁ。酷いことされたりしてないだろうか)


 と、ルーセンティア王国に残してきた人達のことを考えて、少し……否、かなり不安になっていたが、


 「って、こんなこと考えたって仕方ないよな」


 と、「はぁ」と溜め息を吐きながら、ゴロンと違う方向を向き、やがてゆっくりと目を閉じた。


 さてここから先は、数時間前まで時を戻すとしよう。


 異世界「エルード」の空。


 ストロザイア帝国で開発された「魔導飛空船」内で、水音、進、耕、祭、絆、祈の6人がそれぞれ休んでいると、


 「おーい勇者達ぃ、着いたぞう」


 と、ヴィンセントがそう声をかけてきたので、水音達は彼について行く形で、魔導飛空船の甲板に向かった。


 そして、全員が甲板に出ると、


 「ほーら、()()()だ」


 と、ヴィンテージが前方を指差しながらそう言ったので、それに合わせて水音達がその方向へと視線を向けると、


 (あ、あれが……)


 そこには、大きな都市のようなものが見えたので、


 「あそこが『ストロザイア帝国』ですか?」


 と、水音がヴィンセントに向かってそう尋ねると、


 「おうよ。あそこが俺らの祖国、『ストロザイア帝国』の主要都市『帝都』だ。因みに、俺らの家である『帝城』もあそこにあるぜ」


 と、ヴィンセントはニヤッとしながらそう答えた。


 それからすぐに、水音達は船内へと戻り、帝都に降りる為の準備に移った。


 そして、そこから更に暫くすると、魔導飛空船は帝都の上空に入った。


 そこは、まさに漫画やアニメとかに出てくる「未来都市」を思わせるかのようなところで、見たこともない大きくて立派な建物があちこちにあったので、


 「うわぁ、すっごいなぁ」


 と、船内の客室の窓越しにそれらの建物を見ながら、水音は感心したかのようにそう呟いた。


 そこからまた更に暫くすると、


 「そろそろ『帝城』に着くぞぉ」


 と、再びヴィンセントがそう声をかけてきたので、水音達はすぐに再び甲板に出た。


 そして、


 「あそこが『帝城』だ」


 と、再び前方を指差しながらそう言ったヴィンセントの言葉に反応したかのように、水音達が一斉にその方向を見ると、そこには、帝都で見た幾つもの大きくて立派な建物よりも、更に立派な建物……否、『城』が見えたので、


 (あそこが、『帝城』か)


 と、水音は心の中でそう呟くと、緊張からかゴクリと唾を飲んだ。


 そして、それは進らクラスメイト達も同様で、皆、目の前の帝城を見て緊張しているのか表情を強張らせていた。


 そんな水音達を見て、ヴィンセントは「ふっふっふ……」と小さく笑うと、


 「ほらほら、もうすぐ帝城に入るから、全員降りる準備してきな」


 と、水音達に向かってそう言ったので、皆、それに従うようにまた船内へと戻り、それぞれ帝城に降りる準備に入った。


 そして、そうこうしていくうちに、魔導飛空船は帝城の真上辺りに着き、その後はゆっくりと帝城の敷地内へと入っていったので、


 「あの、この船は一体何処に向かってるのですか?」


 と、今度は耕がヴィンセントに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、ヴィンセントが「ん?」と反応すると、


 「ああ、この船の『発着場』だよ。帝城の敷地内にあるんだ」


 と、耕だけでなく水音達に向かってそう答えた。


 さて、その発着場内ではというと、


 「うふふ。みんな、漸く帰ってきたのねぇ」


 と、1人の女性が「ふふふ……」と何やら怪しげな笑みを浮かべていた。


 


 

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