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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第120話 食堂でのひと時


 レナに誘われるかのように、宿屋兼食堂「白い風見鶏」の食堂に入った春風。


 他のお客さん達が次々と春風に視線を向ける中、春風自身は堂々とした態度をとってはいたが、


 (うぅ。し、視線が……)


 内心ではかなり恥ずかしい想いをしていた。


 その後、漸くレナが座っているカウンター席に着いたので、


 「ここに座って!」


 と、春風は空いているレナの隣の椅子に座ると、


 「れ、レナ、待たせちゃってごめん……」


 と、レナに向かってそう謝罪した後、


 「でも、あんな大声で叫びのやめてほしい。すっごく恥ずかしかったから」


 と、本気で懇願するかのようにそう言ったので、


 「あ、ごめんごめん」


 と、レナは「てへっ!」と舌を出しながら謝罪した。


 そんなレナを見て、


 (うん。絶対反省してないなこれ)


 と、春風は呆れ顔になって「はぁ」と溜め息を吐くと、カウンターの奥の部屋から、


 「いらっしゃい」


 と、1人の男性がヌッと現れた。


 真っ赤なエプロンを身につけた、()()()()()()()雰囲気をしたその男性を見て、


 「うお!?」

 

 と、春風が驚いていると、


 「ああ、大丈夫だよ春風!」


 と、レナが慌てた様子でそう言うと、


 「この人はデニスさん。ここの料理人で、()()()()()()()()()()()なんだ」


 と、春風にその男性についてそう紹介した後、


 「デニスさん。彼がさっき話した春風。れっきとした『男の子』です」


 と、今度は男性ーーデニスに春風をそう紹介した。


 その紹介を聞いて、


 「ああ、そうだったのか」


 と、デニスはそう納得すると、


 「はじめましてだな。俺はデニス・シンプソン。女将のレベッカの夫で、ここで料理人をしている。よろしくな」


 と、デニスは改めて春風に向かってそう自己紹介し、


 「はじめまして、春風と申します。一応言っておきますが、レナの言う通り、顔はこんなですが、『男』です」


 と、春風もデニスに向かってそう自己紹介した。


 その後、


 「それじゃあデニスさん、注文は『オススメ』を2つでお願いしまぁす!」


 と、レナがデニスに向かって「はい!」と手を上げながらそう言ってきたので、


 「あいよ。『オススメ』を2つだな」


 と、デニスはそう返事した後、カウンターの奥……恐らく厨房へと戻った。


 そんなデニスを見送った後、


 「あのぉ、レナさん……」


 と春風がそう声をかけてきたので、


 「ん? なぁに春風?」


 と、レナがそう返事すると、春風はレナに顔を近づけて、


 「今注文した『オススメ』って、()()()()になるのでしょうか?」


 と、小声でそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「大丈夫、ここは私が奢るから」


 と、レナも小声でそう答えると、


 「え! ちょ、駄目だよそんなの! 俺の分は俺が……!」


 と、ギョッとなった春風は大慌てで「自分の分は自分で払う」と言おうとしたが、


 「いやいや、今日貰ったお金だと、ここの宿泊費と、多分明日の朝ごはんの分くらいにしかならないと思うから」


 と、レナにそう返されてしまったので、


 (うっ! そ、そういえば俺、まだ宿泊費払ってない!)


 と、春風は今になってそのことを思い出してしまい、「どうしよう……」と頭を抱えていると、


 「心配するんじゃないよ。食事が終わったらでいいから」


 と、背後でそんな声がしたので、春風とレナは思わず後ろを向くと、


 「「あ、レベッカさん」」


 「ヤッホー」


 そこには女将のレベッカいたので、


 (い、いつの間に!)


 と、春風はタラリと汗を流した。


 そんな春風を無視して、


 「どうだい? ここの雰囲気は」


 と、レベッカがそう尋ねてきたので、春風は「え?」と首を傾げた後、周囲を見回して、


 「とっても、いいところだと思います」


 と、真っ直ぐレベッカに向かってそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「はは、嬉しいねぇ。やっぱり、あんたいい子だよ」


 と、レベッカが笑顔でそう言うと、


 「レナ、あんたいい子捕まえたじゃないか」


 と、今度はレナに向かってそう言ったので、


 「え!? いや、ちょっと待って……!」


 と、春風は大慌てで訂正しようとしたが、


 「も、もう、レベッカさんったら! 私と春風はまだ知り合って日が浅いですから!」


 と、レナが顔を真っ赤にしながら先にそう訂正したので、春風も「そ、そうです!」と頷きながらそう言ったが、ふとレナをよく見ると「イヤンイヤン!」と満更でもなさそうな表情をしていたので、


 「れ、レナ! そ、その顔やめてくれぇ! いらん誤解が生まれるでしょうが!」


 と、春風はレナの両肩を掴んでユッサユッサと揺さぶりながらそう懇願した。


 その際、春風の脳裏に、大切な3人……否、4人になるかもしれない少女と女性達の顔が浮かび上がっていたのだが、今はここでは伏せておくとしよう。


 その後、


 「へぇ。じゃあ、()()()を鍛える為に修行の旅をすることになったのかい?」


 と、尋ねてきたレベッカに、


 「ええ。その為に、『ハンター』になることになったんです」


 と、春風はコクリ頷きながらそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「なるほどねぇ。確かに『ハンター』なら()()()()になるだろうけど、このご時世に『修行の旅に出ろ』なんて、一体その『師匠』とやらは何を考えてるんだろうねぇ」


 と、レベッカが「うーん」と唸りながらそう考えだしたので、


 「そ、それは……」


 と、春風が答えようとすると、


 「お待たせ」


 と、カウンターの奥から何やら大きな皿を2つ持っているデニスが現れたので、


 「あ、来た来た!」


 と、レナはパァッと表情を明るくした。


 すると、デニスは春風とレナの前に、持ってきたその大皿を置いた。


 大皿の上には、美味しそうな匂いを放つ肉と野菜の炒めものが、まるで()()()()()()()のように盛り付けられていたので、


 「お、おお。これが『オススメ』ですか……」


 と、それを見た春風がタラリと汗を流しながらそう言うと、デニスは黙ってビシッと自身の親指を立てた。


 それを見て、春風がゴクリと唾を飲むと、


 「それじゃあ、食べよっか」


 と、レナがそう声をかけてきたので、


 「う、うん!」


 と、春風がコクリと頷くと、


 「「いただきます!」」


 と、2人してそう言って、目の前の「オススメ」を食べ始めた。


 因みに、その味はというと、


 「あ、すっごく美味しい!」


 とのことだった。

謝罪)


 大変申し訳ありません、前回の話ですが、誠に勝手ながら少し加筆修正させてもらいました。


 本当にすみません。

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