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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第4章 もう1つの「始まり」

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第102話 煌良からの「質問」


 ヴィンセントから受けたストロザイア帝国へのお誘い。


 それについての話し合いの最中、


 「俺からも質問していいか?」


 と、「はい」と手を上げた煌良に、


 「な、何、力石君?」


 と、水音がそう返事すると、


 「……召喚初日からずっと、俺はお前に聞きたいことがあった。中々タイミングが掴めないまま今日を迎えたが、今こそお前に尋ねたい」


 と、煌良は真っ直ぐ水音を見ながらそう言ったので、それに水音だけでなく爽子ら勇者達や、ウィルフレッド、マーガレット、ヴィンセントまでもが「え?」と首を傾げていると、


 「召喚初日に雪村が騎士達と戦っていた時に使った()()()についてだ。あれを見た時のお前と海神と天上の反応からして、陸島凛咲関係だと思うが」


 と、煌良は水音から視線を外さずにそう言った。


 その言葉を聞いて、


 「「「あ……」」」


 と、水音、歩夢、美羽の3人は今思い出したかのように声をもらし、


 「ん? そういえば話の中に出てきたなぁ」


 と、ヴィンセントも思い出したかのようにそう呟いていると、


 「あれは()()だろ?」


 と、煌良そう尋ねてきたので、それを聞いたクラスメイト達から「え?」と声があがると、


 「う、うん、そうだよ。それも、複数の鉄板を重ねて作られたタイプ……」


 と、水音は何処かぎこちなさそうにそう答え、最後の「あはは」と苦笑いした。


 すると、


 『えええええええっ!?』


 と、爽子と進らクラスメイト達からそんな驚きの声があがり、


 「ああ、だから騎士の剣を折ることが出来たのか」


 と、ウィルフレッドは納得の表情を浮かべたが、


 「いや待てウィルフ! それでも普通、剣を折るなんてこと出来るのか!?」


 と、ヴィンセントにそうツッコミを入れられてしまった。


 そんな状況の中、


 「ちょ、ちょっと待ってよ桜庭君! どうして雪村君がそんなものを……!?」


 と、ハッと我に返った純輝がそう尋ねてきたので、それに水音が「ん?」と反応すると、


 「ああ、あれはね、春風が高校入学した時のお祝いに師匠から『お守り』としてプレゼントされたものなんだ」


 と、水音は純輝に向かってそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「ええ、高校入学のお祝いに鉄扇って……」


 「どんな師匠だよ……」


 と、クラスメイト達からそんな声があがる中、


 「ん? ということは桜庭ももらっているのか?」


 と、今度は煌良がそう尋ねてきたので、


 「勿論、僕も貰ったよ」


 と、水音がそう答えると、それに続くように、


 「実は……」


 「『弟子』じゃないんだけど、私達も……」


 と、歩夢と美羽が恥ずかしそうに顔を赤くしながらそう言った。


 その後、


 「で、僕のは……」


 と、水音はそう言うと、ズボンのポケットに手を入れて、そこから「あるもの」を取り出した。


 その「あるもの」を見て、


 「あ、それエレクトラ様と戦った時に使ったグローブ!」


 と、進が大きく目を見開くと、


 「うん。そしてこれが、僕が師匠からもらった『お守り』さ」


 と、水音はその「お守り」……黒い革製のグローブを見せながらそう言った。


 そして、それに続くように、


 「私達のは……」


 「これ」


 と、歩夢と美羽はそう言うと、自分達の髪につけてる髪留めを外し、それを周囲の人達に見せた。因みに、歩夢のはシンプルな装飾が施された綺麗な青い髪留めで、美羽のは同じくシンプルな装飾が施された綺麗な緑の髪留めだ。


 それらを見て、クラスメイト達が「おお!」と何処か羨ましそうな表情になると、


 「な、なぁ! ちょっと持ってみていいか!?」


 と、進が目をキラキラとさせながらそう言ってきたので、


 「ん? いいけど……()()()()()()()()よ?」


 と、水音はそう意味深に言いながら、進にグローブの片方を差し出した。


 その言葉を聞いて、進が「へ?」と首を傾げながら、そのグローブを受け取った、次の瞬間、


 「うほう!?」


 と、進はまるで()()()()()()()()を持たされたかのような感覚に陥り、なんとも妙な悲鳴をあげたので、


 「ど、どうしたの進君!?」


 と、驚いた耕がそう尋ねると、


 「な……なんかこれ……もの凄く、重い……」


 と、進は本気で辛そうな表情でそう答えたので、その答えを聞いて、


 「え、お、重い?」


 と、首を傾げた耕が、進が持ってるグローブを手に取ると、


 「う、うわぁ!」


 と、今度は耕が進と同じように、まるでもの凄く重いものを持たされたかのような感覚に陥り、


 「お……重い……」


 と、辛そうに表情を歪ませた。


 そんな耕の様子に驚いたのか、


 「え、ま、待って、そんな馬鹿な……」


 と、純輝をはじめ、他のクラスメイト達もそのグローブを手に取ったが、皆、進や耕と同じような反応をしたので、


 「え、えっとね、そのグローブと春風の鉄扇、そして海神さんと天上さんの髪留めは、師匠曰く『特殊な方法』を使って作ったもので、持ち主以外の人間が持つと、そんな反応するようになるんだ」


 と、水音は申し訳なさそうにそう言った。


 それを聞いて、


 「ほほう、どれどれ……」


 と、ヴィンセントもそう言ってグローブを手に取ると、


 「う! こりゃあスゲェな……」


 と、若干表情を歪め、更に、


 「ふむ、では私も……」


 と、今度はウィルフレッドがそう言って、同じようにグローブを手に取った。


 その後、ウィルフレッドも「む!」と表情を歪めると、


 「これは……魔導具の類か?」


 と、グローブを見てそう呟き、「ありがとう」と言ってグローブを水音に返した。


 その後、水音がグローブをポケットにしまい、歩夢と美羽が髪留めを付け直すと、


 「それにしても、その『師匠』殿はどのような方法でそれらの『お守り』を作ったのだ? 水音殿は何か聞いてないのか?」


 と、ウィルフレッドがそう尋ねてきたので、


 「うーん、それは僕も気になったのですが、残念ながら師匠は、『勿論、ひ・み・つ・よ』とはぐらかすだけで何も教えてくれませんでした」


 と、水音はそう答えて、最後に「申し訳ありません」と謝罪した。


 その謝罪を聞いて、クラスメイト達は「えぇ?」と疑惑の目を水音に向け、


 「ほほーう、どうやらお前さんらの世界も、何やら面白そうな『秘密』みたいなもんがあるみてぇだな」


 と、ヴィンセントはニヤリと口元を歪めた。


 

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