表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第4章 もう1つの「始まり」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/266

第100話 水音の「答え」

 お待たせしました、第100話目です。


 「なぁ、水音」


 「は、はい、何ですか?」


 「今までの話を聞いて、お前さんはどうしたいんだ?」


 と、水音に向かってそう尋ねたヴィンセント。


 その質問に対して、


 「それは……どのような意味でしょうか?」


 と、水音がそう尋ね返すと、


 「言葉の通りだ。これまでの話を聞いて、『雪村春風』はかなり()()()()()()()にいるってことはわかった。そんな奴に対して、お前さんはどうしたいんだ?」


 と、ヴィンセントは更にそう尋ね返した。


 水音ヴィンセントの質問の応酬に、ウィルフレッドマーガレット、そして、爽子ら勇者達がゴクリと唾を飲む中、水音はというと、


 「それは……」


 と、ヴィンセントの質問に対してそう呟きながら顔を下に向けたが、すぐにゆっくりと顔を上げて、


 「正直申しますと、春風のことに関しては、わからないことが多すぎます」


 と、真っ直ぐヴィンセントを見つめながらそう答えた。


 その答えを聞いて、ヴィンセントが「ま、そうだろうな」と呟くと、


 「ですが……」


 と、水音が続けるようにそう口を開いたので、それに周囲が「ん?」と反応すると、


 「少なくとも僕が知ってる『雪村春風』という人物は、()()()()()()みたいな顔して、実は結構()()()()()……」


 『あ、うん。それは、話を聞いて理解出来た』


 「目的の為なら平気で無茶するか、かなり()()()()()真似とかして……」


 『うん、それも理解出来た』


 「『駄目!』って言ってるのに悪党と普通に仲良くなったりなんかして……」


 『う、うーん……?』


 「異性方面でも、海神さんと天上さんに関しては、学校がない日は普通に3()()で遊びに行ったりしてましたし……」


 『何ぃ!?』


 「「いやん!」」


 「それだけでも許せないのに、春風()()()()()()してるから、側から見たら『両手に花』の状態じゃなくて、『仲のいい3人娘』みたいにしか見えないし……!」


 『な、なんて羨ま……いや、けしからん!』


 「師匠に関しては、いつもベタベタというか、思いっきり()()()()されてるくせに……!」


 「え、待って桜庭君! それ、雪村君が()()()()なの!?」


 「そうだよ! 師匠が()()()で、春風が()()()()だよ!」


 『キャアアアアア!』


 『な、なんて羨ま……いや、けしからん!』


 「でもぉ!」


 『ん?』


 「なんか春風、される側の割には全然師匠に注意しないし、寧ろ満更でもなさそうだし!」


 『なぁにぃいいいいい!?』


 『えええええっ!?』


 「ていうかここまで話しましたけど……春風、普通に()()()()()()()()()になってるのに……!」


 『え?』


 「なんか()()1()()増えそうになってますし!」


 『えええええええっ!?』


 『だ、誰!?』


 「先程話した、ギャンブル勝負をした裏社会のとある組織の()()!」


 「おい待て桜庭! まさかとは思うが……その人、女性なのか!?」


 「ええ、そうですよ先生! それも()()()()()で、師匠と同い年です! あと、なんか師匠と因縁があるみたいな感じでしたけど、結局教えてくれませんでした!」


 『なぁにぃいいいいい!?』


 『キャアアアアア!』


 「しかも、春風自身も最初はちょっと迷惑そうにしてましたけど、何度も会っていくうちに『あれ? なんかいい感じになってない?』みたいなことになってますし!」


 『な、な、なぁにぃいいいいい!?』


 『キャアアアアアアア!』


 「もう、フーちゃんったら……」


 「まったく……」


 「それとおまけに……!」


 と、こんな感じで水音は自身が知ってる「雪村春風」という人物について色んなことを暴露していった。


 ただ、言葉の節々に何やら「黒い感情」のようなものが込められているような感じがしたが……。


 まぁそれはさておき、


 「ぜぇ……はぁ……」


 ひと通り暴露(?)し終えたのか、疲れたように肩で息をする水音に対して、


 『……』


 ヴィンセントをはじめとした周囲の人達は、皆、春風の()()()()()()()を聞いて呆然としていた。


 特に一部の女子は顔を真っ赤にしていて、反対に一部の男子は何やら「ぐぬぬ……」と言わんばかりに悔しさを滲ませたような表情をしていた。


 そんな彼らを前に、水音は漸く落ち着いたのかゆっくりと深呼吸すると、


 「……と、『雪村春風』に関することは以上です。かなり無茶苦茶な奴ですが……」


 と、真っ直ぐヴィンセントを見てそう言い、


 「それでも、自分以外の誰かの幸せの為に一生懸命になれる、そんな『いい奴』なんです。もし、そんな彼が、何か困ってることに巻き込まれてたら、僕は彼を助けたいですし、反対に、何か悪いことをしようとするなら、僕は全力で止めたいです……」


 と、そう付け加えたが、水音はすぐに「いいえ」と首を左右に振ると、


 「全力で助けますし、全力で止めます! その両方を成す為にも、僕は、今以上に強くなりたいです!」


 と、更にそう付け加えた。


 そんな水音の、「強い意志」に満ちた答えを聞いて、


 「さ、桜庭……」


 「桜庭君……」


 と、爽子や一部のクラスメイト達がジーンと感動していると、


 「……へぇ、いいじゃねぇか」


 と、ヴィンセントはニヤリとしながらそう言い、そんなヴィンセントに向かって


 「お、おい、ヴィンス?」


 と、ウィルフレッドが恐る恐る声をかけたが、ヴィンセントはそれを無視して、


 「なぁ、桜庭水音……」


 と、水音に向かってそう声をかけたので、それに水音が


 「な、何ですか?」


 と、警戒しながらそう返事すると、


 「その決意、()()ってこといいんだよな?」


 と、ヴィンセントは真剣な表情でそう尋ねた。


 その質問に対して、周囲が「え? え?」と困惑し出す中、


 「はい、勿論本気です!」


 と、水音もヴィンセントと同じように真剣な表情でそう答えると、


 「はは、そうかいそうかい!」


 と、ヴィンセントは笑いながらそう言った。


 その様子を見て、周囲が更に困惑していると、


 「おい、桜庭水音」


 「は、はい、何でしょうか?」


 「お前さん……ストロザイア帝国(うち)に来る気ないかい?」


 と、ヴィンセントは再び水音に向かってそう尋ねた。


 そして、その質問に対して、


 『は、はいいいいいいい!?』


 と、水音だけでなく爽子やクラスメイト達も、驚きに満ちた叫びをあげた。


 


 


 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ