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曇らせ趣味な幼馴染  作者: にやり
8/11

8 突然の告白


僕は立ち尽くしていた。


高校に入ってから、半分くらいは莉緒と恋人関係になる事は諦めていた。


距離を取られたのは、そういう事だと思っていたから。


それでも、恋心は無くなってはくれなかった。


だから、やっぱりショックだった。


気が付いたら、一人きりだった。


莉緒とあの男は学校へ行ったのか。


何か騒いでいたような気もしたが、よく覚えていない。


二人の声は聞こえていたような気がするが、何を話していたかわからない。


僕の意識が、拒絶していたのだろうか。


どうしようかな。


学校に行く気にならないな。


小嶋さんには会いたい気もするけど……。


サボるか。


夕方まで親は帰ってこないし。


そうしよう。






ピンポーン!ピンポーン!



うるさいな。


せっかく気持ちよく寝てたのに。



ピンポーン!ピンポーン!



しつこいな。



ピンポーン!ピンポーン!



ああ!もう!



ガチャ。



「大輝!!お願い!話を聞いて欲しいの!!」



莉緒だった。


あまりにも必死な様子だったから、リビングに通して話をすることにした。


彼氏との交際報告でも聞かされるのかな。


もう大分落ち着いたから、大丈夫だと思うけど。


それなら、これからは莉緒と一緒には居られないな。


彼氏に悪いし。


彼氏からしたら男の幼馴染なんて、邪魔者以外の何物でもないよね。



「け、今朝の事なんだけど……」


「あの男と付き合ってるの?」


「やっぱり聞こえてなかったんだ?!!違う!!違うよ!!」


「違うって、どういうこと?」


「昨日、いつものメンバーで遊びに行ったの。そしたらみんなに二人きりにされて!それで突然キスされたの!!」


「……そうだったんだ」


「そうなの!だからアイツとは付き合ってなんか無いの!」


「……そう。それだけ?」



そう、莉緒とあの男が付き合っていなかったからって、それが何?


これから何が変わるんだ?


何も変わらない。


今まで通り、学校で莉緒と話すことは無いんだろう。


放課後、莉緒が他の友達と遊びに行くのも変わらないんだろ?


確かに僕は莉緒が好きだったんだと思う。


だけど、この数日で僕と莉緒は、合わないんじゃないか、とも思うようになった。


もし仮に付き合えたとしても、上手く行かないんじゃないか。


莉緒も他の友達と遊びに行くのを楽しんでたし。


僕にも友達が出来た。


それでいいんじゃないか、と思ってしまった。



「えっ?それだけって……」


「うん、わかったよ。莉緒はあの男とは付き合ってない。」


「う、うん」


「なら、今までと変わらないんでしょ?」


「え?」


「話がそれだけなら、帰ってくれる?まだ眠いんだよ」


「ちょ、ちょっと待ってよ!大輝!!」


「なに?まだ何かあるの?」


「だ、大輝はそれでいいの?!」


「それでいいって、どういうこと?」


「だから、学校で私が傍に居なくてもいいの?」


「だって、莉緒がそうしたいんでしょ?なら、仕方ないよ」


「仕方ないって……気にならないの?どうして距離を取ったのか、とか」


「ああ、それなら大体わかるよ?」


「え?わかるの?」


「僕以外の友達と仲良くしたかったんでしょ?」


「え?」


「それか、高校で彼氏が欲しくなったとか?」


「ち、ちがうよ!」


「僕と莉緒じゃ、タイプが違うもんね。莉緒は友達多いし、モテるし」


「そ、そんなんじゃないよ!!」


「え?違うの?」


「あ、あのね?私……」



俯いて黙り込む莉緒。


そんなに言いにくい事?






























「わ、私、ずっと大輝の事が好きだったの!!!」





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