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曇らせ趣味な幼馴染  作者: にやり
5/11

5 僕と小嶋さん



「おはよ、大輝」


「あ、ああ、おはよう、莉緒」



いつも通り、莉緒が家に迎えに来たのだが。


機嫌悪い?


昨日、小嶋さんと話していた時の莉緒の表情は何だったのか?


僕にも友達を作れと言っていたのに。


僕にも、友達が出来たっていうのに。


莉緒は僕以外の友達が、沢山いるっていうのに。



「……」


「……」



お互い無言のまま、しばらく歩く。


僕と莉緒はもう離れた方が良いのかな。


莉緒もクラスの仲の良い友達と一緒に居るときは、楽しそうだし。



「あのさ、莉緒」「あのね、大輝」



被ってしまった。



「な、なに?」


「あ、えっと、大輝はきょう」


「おーっす!!莉緒、おはよ!!」


「え?あ、お、おはよ」


「昨日も楽しかったなー!」


「そ、そうね」


「それでさ?昨日遊びに行ったじゃん?で、その中の一人が今日、誕生日なんだってさ!!」


「そ、そうなの?」



これじゃ僕は話せないな。


先に行こう、もう一緒に居るのもつらいだけだ。


二人を置いて早足で距離を取る。



「あ……」


「で、みんなで祝ってやろうって話になったんだよ!」


「……」


「莉緒も参加するだろ?」


「え?ええ……」


「そうこなくっちゃな!!」



二人の会話が聞こえなくなった。


どうせ僕が居ても、会話には入れない。


それよりも、今日は小嶋さんが小説を持ってきてくれるはずだ。


楽しみだなあ。


僕も昨日、どんな小説が売れているのか調べてみたんだけど。


結論、よくわからない。


まあ、いいか。


小嶋さんのおすすめの小説を、まずは読んでみよう。




「おはよう!宮沢君!」


「あ、おはよ!小嶋さん」


「早速持ってきました!これ、なんですけど……」


「へえ?どんなの?」


「宮沢君はゲームとかする?」


「うん、そんなに数はこなしてないけどね」


「RPGは?」


「ああ、メジャーなタイトルは一応やってるよ」


「なら、わかるかな?異世界の冒険ものなんだけど、魔法とか、剣とかの」


「へえ、RPGの世界みたいな?」


「そう!だったらわかりやすいのかなって……」


「そうなのかな?うん、読んでみるよ!」


「そう?良かった!昨日はああいったものの、男の子ってどういうのが興味あるかわからなくて、結構迷ったの!」


「そうなんだ。ありがとう、選んでくれて!」


「どういたしまして。それより読んだら感想、教えてね?」


「もちろん!で、何冊か読んでいったら、いつか小嶋さんの小説も読ませてくれるのかな?」


「え、あ、うー……」


「あ、やっぱりダメ?」


「ダメっていうか……は、恥ずかしいです……」


「えー?でもさー」


「ふふっ!小説が可哀想、ですか?」


「そうそう!」


「あははっ!そう、ですね……そ、そのうち……」


「よし!じゃあ、頑張って読むよ!」


「あ!頑張って読むんじゃなくて、楽しんで読んで下さいよ?」


「あ、そっか。そうだね!そうするよ!」



やっぱり小嶋さんと話すのは楽しい。


まだ話をして二日目。


こんなにスラスラ会話できるんだ、僕。



「あ、あのさ、小嶋さん」


「え、なあに?」


「昼とかも話しながら一緒に食べない?」


「え?いいですけど?」


「ホント?良かった!」


「大袈裟ですよ?」


「いや、僕友達がまだいなくて。いつも一人で食べてたから」


「私だって一人で食べてました。隣だから、知ってますよね?」


「そ、そうなんだけどさ」


「他にどんなジャンルの小説があるか、教えますよ」


「そうだね!知りたい!」


「ふふっ、私も読書仲間が増えるのは大歓迎です!」


「うん、よろしくね!」



よかった、これで一人で寂しく弁当を食べなくて済む。


高校に入るまではいつも莉緒と一緒に食べてたから。


これで僕も、寂しい高校生活を送らなくて済みそうだ。


思わずニヤけてしまう。


なのに。





























どうしてそんな顔で睨むの?莉緒。


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