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曇らせ趣味な幼馴染  作者: にやり
10/11

10 僕の気持ち



「え?!ほ、ホント?!」


「うん、だけどさ、離れてみて、莉緒と僕って合わないんじゃないかって思ったんだ」


「そ、そんな事ないよ!!ずっと一緒だったんだよ?!」


「だから、高校では入学してから今までみたいな距離でいいんじゃないかな?」


「い、嫌!私もう他の友達と仲良くしないから!大輝と一緒に居るから!ね?」


「ごめん、なんか最近は莉緒と一緒がつらく感じるんだよ」


「え?だ、だって高校入学してからまだ一週間だよ?」


「そうだね。だけど、莉緒と離れてだいぶ気持ちが変わっちゃったんだよ」


「そ、そんなのってないよ!だ、だって大輝も私の事好きだったんだよね?だったら大丈夫!中学の時みたいに、全部誘いなんか断るから!ね?」


「そうしたら、莉緒、友達居なくなっちゃうでしょ?」


「いいよ?別に構わない!」


「良くないでしょ……」


「だって……あ!そうだ!ねえ、大輝、私と付き合おうよ!そしたら彼氏優先するの当たり前でしょ?」


「……悪いけど、莉緒と付き合おうとは思わない」


「え、どうして?私の事好きだったんでしょ?」


「好きだった、過去形だよ。確かにあの男とキスしたって聞いた時はショックだったけど、今はそうでもないんだ」


「な、なんで?どうして?今朝の話じゃない!」


「そうなんだけどね、今は莉緒と付き合いたいと思わない。好きじゃないのかもしれない」


「そ、そんな……私の……私のせい?」


「どうかな。離れてみて気付いた、って感じかも」


「わ、私、どうしたらいいの?」


「どうしたら、って言われても……」


「イヤだ!私、大輝と離れたくない!」


「莉緒から距離取ったんじゃん……」


「そ、そうだけど、それは……」


「そういうことだから、莉緒、明日から迎えに来なくても」


「!い、嫌!!絶対毎日迎えに来るんだから!ずっとそうして来たんだから!」


「け、けど……」


「お願い!!私が悪かったから!許してよ……お願い……」



そう言って莉緒は泣き崩れてしまった。


どうしようもなかったので、朝の迎えだけは了承した。


莉緒は肩を落として帰って行った。


ずっと莉緒と一緒に居て、莉緒の事をわかっていたつもりだった。


今日聞いた話は、驚く事ばかりだった。


莉緒が僕の事を好きだったなんて。


僕が困ったり、悲しんだり、寂しそうだったりする表情を見るのが好きだ、とか。


わけがわからない。


そんな事されずに、莉緒と高校でも一緒だったなら、まだ僕は莉緒の事を好きでいたんだと思う。


距離が離れて気付いた。


莉緒が他の人を優先する様になって、好きの感情が薄れた。


たった一週間で。


その程度、だったのだろうか。


わからないけど、もう莉緒と付き合いたいとは思えなかった。


これからどうしようか。


僕は僕の友達と高校生活を楽しみたい。


莉緒は、どうするのだろうか。


こんな事を考えるようになるなんて、受験勉強を二人で頑張っていた頃は思いもしなかった。


その日の夜は中々寝付けなかった。


昼寝したからか、それとも考え事をしていたからだろうか。




翌朝。



「お、おはよ。大輝」


「おはよ、莉緒」



いつもの朝が始まった。







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