廊下の呪い
ーこれは、ダニ氏の幼少期の思い出である、、、、ー
ある日、ダニ氏は小学校を猛スピードで走っていた。
「いっっっけけぇぇぇー!!!!!!!」
ダニ氏は興奮のあまり、正気を失っていた。その姿は、食事前の子犬のようにも見えた。
「キャハッ!!!キャハハハハ!!!!!」
その時、ダニ氏の担任が、チーズ味のカールを食べながら、ダニ氏に怒鳴った。
「廊下を走るな!!!ぶつかる、ぶつカール!!このままでは人にぶつカール!!!!!」
ダニ氏は興奮が収まり、正気にもどった。しかし、ダニ氏の頭の中でクエスチョンマークが乱舞した。疑問は、沼に浮かんでくる薄汚い泡のように意識に浮かび上がってきた。
(、、廊下とは何だろうか、廊下とは何だろうか、、、、よし!、、先生に聞いてみよう!)
しかし、その時には、担任の姿は見えなくなっていた。
ー放課後ー
「今からぁー、帰りの会を始めますぅ、何か先生にお話しすることはありますかぁ?」
ダニ氏は勢い良く手を挙げ、やや甲高い声で叫んだ。
「はーい!!!!!!!!!!!」
「廊下とは何ですか???」
「廊下とは、廊下だ」
「廊下とは、廊下だとは何ですか????」
「廊下とは、廊下だとは、廊下が廊下であるということだ」
ダニ氏の、声にならない声はどんどん大きく疑問を膨らませていった。なぜだろう?なぜだ???ダニ氏は、頭の中で疑問が宇宙のように膨張していると思った。
「廊下とは廊下だとは、廊下が廊下であることだとは、廊下が廊下であることだとは(中略)廊下だとは廊下が廊下であるとは何ですか??????」
「廊下とは廊下だとは、廊下が廊下であることだとは、廊下が廊下であることだとは(中略)廊下だとは廊下が廊下であるとは廊下が廊下であることだ。」
「さようならぁ」
他の生徒が帰ろうとも、ダニ氏は問い、問い続けた。
もう日が沈むころだった。
「廊下とは廊下だとは、廊下が廊下であることだとは、廊下が廊下であることだとは(中略)廊下だとは廊下が廊下であるとは、、」
バゴーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ダニ氏の背後に爆破音が響いた。ダニ氏は後ろを振り向いた。それは結局爆破音だった。
「ギャース!!!ギャアッ!!!ギャース!!!!」
「ギャース!!!ギャアッ!!!ギャース!!!!」
気づいた時には遅かったのだ。ダニ氏と担任は、爆発に巻き込まれてしまった。
ダニ氏と担任の脳みそに直接、何者かの声が聞こえる。
「君の信じるものが廊下だよ。」
ー終わりー