何が悪い
「何が悪い」
妊娠した
「やるときゃやるぜっ」
そう言った直後のカレの
犬の砂かけみたいなアレ
問題は
「高校どうしよっか?」
そう言うワタシに同級生のカレも
「う~ん、考えてなかった」
と言う
お互いの貯金と
クラスみんなに融資を募るか
そう思いつく
「でもさ」
カレが言う
「何で高校生で
ツクっちゃいけないのかな?」
「それは養えないからよ」
ワタシは大人の真似をする
「じゃあ何で
退学しなきゃならんのかな?」
「不純異性行為ってやつね
他の生徒に悪影響を与えるから」
言ってる自分が先生みたい
「ひとつ腐るとってやつか」
つぶやくカレ
「オロしてなにもなかったことにする」
ひとりごとのようにカレ
そして今度は急に
「それは変だっ
今の時代にそぐわないっ
少子化で大変で
幼児虐待を憎む社会が
高校生だからと
小さな命を殺すっ
そんなのは不条理だっ
腐ってるのは俺たちじゃないっ
社会だっ」
そしてついには
「闘おうっ!」
「だ、誰と?」
しばらく言葉を選んでいたように
おもむろにカレ
「クダラナイ常識とっ!」
「2018年7月15日」