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第2話 機械工作からは逃げられない

 まだ1話しか投稿してないのに、日間ランキングにのってて思考停止したので初投稿です。

 全身がオリハルコンになってもスクラップはスクラップなんだよな⋯⋯。どうにかしてレベル上げたりしないと。

 経験値を探して部屋を這いまわっていると、この部屋の全貌が見えてくる。部屋の全貌が分かるまで、1時間と30分ほどかかりました。足、遅すぎ⋯⋯。

 そうしてわかったのは、この部屋は部品保管庫か何かだということ。どんなに這いまわっても、部品以上の物がない。組み立てられたパーツが存在しなかった。

 組み立てられた、パーツ⋯⋯?


「そうか、俺が作ればいい⋯⋯! 俺自身がパーツを組み立て、俺自身がパーツとなり、パーツごと切り離して使えばいい!」


 たった一つの冴えたやり方、それは⋯⋯俺自身がパーツとなることだ。

 というわけで、パーツを作っていきたいと⋯⋯思っていた時期が俺にもありました。組み合わせたものを取り込むと、その部品の数だけ増えるんだ。少なくとも、このままじゃ加工も何も出来ないから⋯⋯詰みです。

 運営の"レベルを上げれば解決ですよ^^*"という煽りが幻聴として聞こえてくる。

 部屋出るか⋯⋯。

 部屋を出ると、当然そこは廊下だった。部品保管庫⋯⋯いや、乱雑に置かれてたから部品廃棄所か? から出たので当然なのだが、周りにバネや歯車などが転がっていないため非常に目立つ。戦闘になったら勝ち目ねえな。

 長い廊下(縮尺のせいでそう見えるのか、実際に長いのかは不明)を進み続けるも、どこもドアが閉まっていて入れそうにない。手の無い俺に引き戸が開けられるわけねえだろ!


「敵はいねえ、四肢もねえ、空いてる部屋も見つからねえ! 工具もねえ、武器もねえ、俺は廊下をずーるずる!」


 俺こんな場所嫌だ!

 もう少しこう⋯⋯救済措置というか、もっとこう⋯⋯無いんすか? 強くないけど経験値も美味くない敵の群れとか。

 カサカサ聞こえる。そうそう、そういうのでいいんだよそういうので。

 正面から迫ってきたのは、大量の機械虫だった。見るからに完成品で、見るからに速そうで、実際に俺の数倍速い。形的にモチーフはゴキブリかな?

 強さとか知らんけど、経験値にはなるでしょ。ちなみに、俺はゴキブリを素手で触れるタイプ。


「攻撃手段がなーい! 秘技、即興組みかえ! 潰れろ、オラ! さっさと、経験値に、なるんだよぉ!」


 やるのは簡単。オリハルコンの板と歯車の位置を変え続けることで、それに合わせて体の一部に設定されている部品が動く。部品が動くから、それに巻き込まれて機械虫が潰れたりする。これはバグや裏技じゃない。仕様の範囲内での小技だ。

 このゲーム、戦闘は集団ではなく個体単位で処理される。つまるところ、機械虫が1匹活動を停止する度に俺に経験値が加算されるため、生きている機械虫との戦闘中でもレベルアップ処理が行われる。

 ⋯⋯そういえば、生きてる(?)存在相手に捕食ってどう作用するんだろう。


「『捕食』」

『オリハルコンの金属片×1が追加されました』


 金属片⋯⋯機械虫の破損したパーツか?

 でも、追加された場所的に俺が使おうとした相手じゃねえな⋯⋯。生きてる(?)存在には効果がないのかもしれないな。アンデッドにも効かないのかもしれん。アンデッドを捕食とかしたくないけど。

 数十分かけて機械虫を殲滅し、レベルアップしたステータスを確認する。


『名前:エクスマキナ

 種族:オリハルコンスクラップ

 Lv:13

 筋力:1

 耐久:30

 敏捷:5

 魔攻:1

 魔防:40

 器用:1

 SP:35


 スキル:鑑定Lv1 HP自動回復Lv2 捕食 集合体 改造進化 自己改造』


 あ、鑑定するの忘れてた。モブ相手に使えるのか知らんけど。つーか、レベル上がってんのにステータス変動してないんですけど? 機械だからか? 機械だから、レベルが上がってもステータスが変動しないんか?

 新しいスキルが生えてるのと、最大パーツ数が増えたこと以外に変化がないのは機械だからか!?


「⋯⋯部品部屋に帰ろう」


 ズルズルと部品部屋に帰る。大量の部品があるから、改造するのに不自由はしないからな。

 とりあえず、最大パーツ数を探るために捕食を使いまくる。部屋の一角がキレイになった。

 10倍以上⋯⋯いや、これ丁度13倍だわ。パーツ数はレベルに比例するのか。

 下がったモチベーションが回復してきた。次は自己改造の確認だな。決して事故改造と間違えてはいけない。俺の改造は事故ってない。


「『自己改造』! ⋯⋯やっべー、パーツの加工ができる! 最高だなオイ!」


 神スキルだった。オリハルコンの板を曲げ、針金をバネにし、歯車は重量の変化無しで歯の数を変えられる。

 パーツの数こそ変わらないものの、改造の自由度は一気に増した。あまりにも楽しくて、他のことを何も考えられなくなる。時間も気にせず改造に勤しんでいたら、突然警告音が鳴り響いた。

 ゲーム側のじゃなく、ハードウェア側の。連続ログインの制限に引っかかるせいだ。あと1分で強制ログアウトさせられる。

 後ろ髪を引かれるものの、強制ログアウトになれば3時間は再ログイン出来ない。仕方が無いので、一旦ログアウトしよう。

 ログアウトして時計を見ると、午後6時。連続ログインは6時間だったか。夕飯を食べたら、風呂に入って少し休もう。一人暮らしで湯船に浸かるのももったいないので、当然のようにシャワーのみ。

 夕飯? 目玉焼きと豚肉をのせたパックご飯に野菜ジュース。洗い物も少なくて栄養も取れる。

 ログアウトしてからちょうど1時間休んだので、もう一度ログイン。そして自己改造。

 間は端折って完成したものがこちら。


『名前:エクスマキナ

 種族:オリハルコンスクラップドール

 Lv:13

 筋力:8

 耐久:50

 敏捷:12

 魔攻:1

 魔防:60

 器用:6

 SP:35


 スキル:鑑定Lv1 HP自動回復Lv2 捕食 集合体 改造進化 自己改造』


 いい加減スクラップって付けるのやめろや! 人型になったんだからオリハルコンドールでいいじゃん!

 ⋯⋯ふぅ、落ち着くんだ。素数を数えて落ち着こう。1(1は素数ではない)。落ち着いた。

 SPはレベルアップで2ポイント、5の倍数になると5ポイント貰える。ヘルプにそう書いてあった。


「SP使おうか迷うな⋯⋯今はいいや。とりあえず調べられなかった部屋調べるか」


 身長は1m無い程度になったし、四肢も出来たから引き戸も開けられる。⋯⋯筋力が足りればな。

 足りた。1番近い部屋は⋯⋯モンスターハウスだった。なんか機械虫がゴキブリタイプ以外にもいる。なんだろう、ムカデ⋯⋯か?

 よく見えんけど、踏み潰せば死ぬ。大きさとは質量、質量とはすなわちエネルギーの大きさ⋯⋯つまり、この場において1番デカくて重たい俺が最強ってこと。

 ⋯⋯全然レベル上がんねーわ。部屋1つ潰したのにレベル上がんねーわ。


「経験値って、レベルじゃなく苦労度で変わったりしない? 運営、性格悪いんじゃねえか?」


 その後も探索を続けたが、レベルは上がらなかった。つーか、機械虫しかいなかった。

 そんな機械虫の説明はこちら。


『ゴキブリ型機械虫

 量産型のゴキブリ型機械虫。オリハルコンで出来ているが、忠実に再現しすぎてオリハルコンの利点を全く活かせていない』


『ムカデ型機械虫

 量産型のムカデ型機械虫。ゴキブリ型よりも硬く、ゴキブリ型よりも強いが、サイズのせいである程度の大きさと重さがあれば負けてしまう不遇な存在』


『ダンゴムシ型機械虫(試作ver.)

 量産型のダンゴムシ型機械虫。ムカデ型よりも硬いが、力が弱く、防御力以外に取り柄がない。正式型は人間大の大きさになるためとても強い』


『フナムシ型機械虫

 量産型のフナムシ型機械虫。水中でもある程度活動できるように制作されたが、戦闘用ではないため戦闘力はお察し』


 ゴキブリ以外、多足類しか居なかった。しかも、みんな踏んだだけで壊れた。成果は鑑定とHP自動回復のレベルが上がったくらい。レベルが上がっても、全っ然変化わからなかったけど。

 HP自動回復は回復のスパンが短くなったかな⋯⋯? くらいの変化で、鑑定に関しては何も変わってない。表示される情報に全く変化がない。

 スクラップ扱いは抜け出せないし、機械虫をいくら踏みつぶしてもレベル上がらないし、俺はどうすればいいんだ? どうしたら、俺は独り言以外で声を出せるようになるんだ?

 教えてくれ、アトランティス⋯⋯。俺は、いったいいつまで虫を踏み潰し続ければいい⋯⋯?

 後書きって何書けばいいんだろう⋯⋯。

 料理のレシピでも書けばいい? 宣伝することも特に無いんだよな⋯⋯。

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― 新着の感想 ―
[一言] レベルでパーツ数増えるのは面白い 今後の進化が楽しみ
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