ボランティア活動へ参加します!
ボランティア活動
御機嫌よう、ジェンティーレ・プリンチペッサ・アポカリッセです。今日も今日とて生徒会室で雑務をこなしています。
「あ、あの、皆さん!」
ビビさんがすっと手を挙げて発言します。
「どうした?ビビ」
アル王太子殿下が書類から目を離します。
「生徒会の仕事もやることがいっぱいで大変ですし、こんなこといっても困らせちゃうかもしれないんですけれど…」
困ったように眉を下げるビビさん。
「なんだ?言ってみろ」
アル王太子殿下が先を促します。
「その。生徒会執行部として、学園内だけの仕事をこなせばいいってものじゃないと思うのです!」
不安からか目をうるうるさせて、緊張からか頬を紅潮させて、手を胸の前で組むビビさん。いちいち可愛いな。
「ふむ。というと?」
アル王太子殿下が聞きます。
「学園外の…ボランティア活動とか、どうでしょうか…?」
言葉が尻窄みになるビビさん。ちらちらっとこちらを伺ってくるのがまた可愛い。
「学園外のボランティア活動。そうだな。例年ではなかった仕事だが…休日を利用して行って、学園外活動時の報告書さえ作成すれば大丈夫だろう。ブルローネ先生に頼めば許可をもぎ取ってきてくれると思う」
アル王太子殿下は面倒くさがる様子もなく同意する。
「本当ですか!?よかった!皆さんはどう思いますか?」
みんなに聞くビビさん。こんなに可愛く聞かれてNOを突きつけられる人は少ないんじゃないかなぁ。
「私は賛成ですよ」
休日っていっても学園内から出ることもほとんどなくてぶっちゃけ暇なのです。
「私も賛成です!学園外のボランティア活動なんて楽しそうじゃないですか!」
興味津々といった様子のミミさん。やっぱり暇ですもんね。わかります。
「私も賛成ですよ。ティーレの市井での評判も上がるでしょうから」
リトはボランティア活動一つにもそこまで考えているんだね。私も見習わないとです。
「俺はパス…って言いたいところだけど、ティーレ様の専属護衛騎士だからね。ティーレ様が行くんなら行くよ」
ネストも来てくれるみたいです!
「ぼ、僕も賛成です!ぼ、僕達魔術師の本来の仕事は市井の人々のきゅ、救済ですから」
ヴィドは真面目だなぁ。さすが魔術師団長令息。
「じゃあ、全員賛成、参加ってことでブルローネ先生にお願いしてきますね!」
ビビさんが立ち上がります。
「おう!呼んだか?」
ノックもせずにばーん!とドアを開けるブルローネ先生。びっくりしたぁ。
「もう!驚かさないでくださいよ、ブルローネ先生!」
「悪い悪い。私の名前が聞こえたもんだからついな」
悪びれもしないブルローネ先生。全くもう。
「それで?今度はどんな面白いことを思い付いたんだ?」
ブルローネ先生は興味津々です。
「生徒会執行部としての、学園外のボランティア活動への参加です。ビビが提案してくれました」
アル王太子殿下が我が事のように誇らしそうにいいます。ビビさんは恥ずかしそうに照れています。可愛い。
「おー、学園外に出るのか。そりゃあ楽しそうだ!引率として私もついていっていいか?」
ブルローネ先生、ノリノリです。
「もちろんです!」
ビビさんは嬉しそうです。
「休日を利用して行って、後で学園外活動時の報告書を作成する方向で考えています。ブルローネ先生、許可をもぎ取ってきてくれますか?」
「じゃあ、今から行ってくる!任せておけ!」
ダッシュで教員室に向かうブルローネ先生。カルロッタ先生に怒られますよ?
「あの先生、本当に子供っぽいよな…」
「あれで授業は上手いんですから、人間わかりませんよね」
「え?あの先生授業なんてできんの?」
「上手いよ。説明も分かりやすいし、話し上手だから飽きないし」
「す、すごい、ですね」
「一見そんな風には見えませんけど、実は実力派ですよね」
「そうですか?私は最初からいい先生だと思っていましたけれど…」
「素敵な先生ですよね」
私達が好き勝手に言っている間に、ブルローネ先生が戻ってきました。
「戻ったぜー。今回もカルロッタ先生が味方してくれてすぐに案件通った。まあ、かわりに廊下を走るなと怒られたけどな!」
「あらら」
やっぱり。
「早速来週の土日から行こうぜ!」
「はい!」
「具体的に、どんなボランティア活動へ参加するか決まっているのか?」
「それはこれからです」
「そうか。じゃあ私も混ぜてくれ!」
「はい、どうぞ」
生徒会の椅子に座るブルローネ先生。紅茶を淹れてあげます。
「ジェンティーレ王女殿下、ありがとうな」
「いえいえ」
「じゃあ早速だが、誰か意見はあるか?」
「やっぱり定番ですけれど、孤児院への慰問とスラム街での炊き出し、スラム街の平民達への無属性魔法教育、教会への寄付金を募る活動…辺りですかね」
私の無い頭を捻ってもそのくらいしか思いつきません。
「お!いいんじゃないか?私は賛成だぜ?」
ブルローネ先生は賛成してくれます。
「孤児院への慰問か。やはり識字教育とかか?」
アル王太子殿下の国ではそれが一般的なようです。
「アル。アポカリッセでは国王陛下の意向で識字教育は市井の人々にまで広がっているの」
ビビさんがアル王太子殿下に教えてあげます。
「そうなのか?すごいな…」
目を見開くアル王太子殿下。ふふん。パパは聖王様だからね!
「それだけじゃなくて、国王陛下は貴族が余らせてる食材をまだ使っていないものに限って孤児院へ寄付させてるし、あまりぼろぼろじゃない衣服や勉強道具の寄付も推奨されているのよ」
さらに驚くアル王太子殿下。
「それじゃあ、俺たちにできることなんて何もないんじゃないか?」
「何言ってんだ!大事なことがあるだろ?」
ブルローネ先生が突然がたっと立ち上がります。
「え?」
「娯楽だ、娯楽!生活に必要なものとか、勉強はそれなりに行き届いているが、あそこには娯楽が足りないだろ!」
はっとするアル王太子殿下。
「では今回の慰問で娯楽を提供するのですね」
「そうだ!例えばジェンティーレ王女殿下の幻術とか、ミーテ嬢…様の土人形とか、色々できそうだろ?」
「へえ!面白そう!」
ネストが興味津々です。
「な、なら僕、僕も幻術を使えますから、あの、頑張ります」
私の魔力を持っているヴィドも幻術を使えます。
「いや、どうせならパーヴィド様は錬金術でもみせてやった方が喜ばれるんじゃないか?パーヴィド様は錬金術師としても優秀だと教員の中でも有名だぞ?」
突然褒められたヴィドはたじたじです。
「ぼ、僕なんて、そんな…」
「まあそういうなって。やってみろよ、な?」
「は、はい…」
「まあ、各々得意分野で娯楽を提供してやればいいさ。もちろん私も参加するぜ?」
「じゃあ、とりあえず来週の土曜には孤児院への慰問に行きましょう」
ということでとりあえず一回目のボランティア活動は決まりました!
「じゃあ日曜日は?」
「スラム街での炊き出しでいいんじゃないか?学園でも何気に食材を多目に買ってるから、余った食材を貰い受ければできるだろ」
「じゃあ日曜日はスラム街での炊き出しにしましょう!」
「再来週の土曜はどうする?」
「スラム街の平民達への無属性魔法教育でいいんじゃないですか?」
「一応必要最低限の無属性魔法は使える者が多いみたいですけれど、知っておけばもっと生活も楽になるでしょう」
「じゃあそうしましょう!」
「再来週の日曜には何をする?」
「募金活動でいいんじゃないか?ただの募金活動じゃつまらないし、孤児院への慰問の時みたいに芸を披露しながらやろうぜ」
ブルローネ先生が奇抜な提案をします。…でも、いいんじゃないでしょうか?
「そうですね。そうしましょう!」
「じゃあ、そういうことで来週からよろしくな!」
「はい!」
ということで学園外のボランティア活動が決まりました!頑張ります!
生徒会執行部の(というかノービレの)やる気




