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悪役王女に転生しました。でも、パパは何故か私を溺愛してきます。  作者: 下菊みこと


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主人公との初対面です!

初対面

御機嫌よう、ジェンティーレ・プリンチペッサ・アポカリッセです。今日から乙女ゲームの舞台となるパラディーゾ学園に入学します!


「何?ティーレ様。ぼーっとして」


「え?あ、いやぁ、こうしてみんなと入学できるなんて嬉しいなぁと思って」


「ぼ、僕も光栄です…」


「私もとても嬉しいですよ、ティーレ」


「あ、もちろん俺も嬉しいですよ!」


「私も、嬉しいです!」


ネスト、ヴィド、リト、ミーテさんと一緒にパラディーゾ学園に向かいます。


「さあ、着きましたよ。ティーレ。私に掴まってください」


「ありがとうございます!」


「ミーテ嬢も、俺に掴まってください」


「はい、ありがとうございます」


こうして私達は馬車を降り、学園に一歩踏み出したのですが…。


「貴女、高々男爵令嬢のくせに生意気なのよ!」


「しかも平民上がりなんですってね!」


「ちょっと可愛いからって調子に乗ってんじゃないわよ!」


おおう。早速あったよ、ネストとの出会いイベント。乙女ゲームでは、ネストが不当ないじめに遭っている主人公を助けて、それが理由で主人公がなんだかんだとネストの元を訪ねるようになる…のだけど。


「ティーレ様、すみません。先に行っててください。俺、ちょっと野暮用が…」


「いいえ。その必要はないわ」


「え?」


私は自国の高位貴族のご令嬢方に囲まれて泣きそうになっているノービレ様の元へ駆け寄り、高位貴族のご令嬢方の間に入る。


「ティーレ様!そういう役は俺が!」


「…!王女殿下!」


途端に臣下の礼をとる高位貴族のご令嬢方。


「誇り高いアポカリッセの高位貴族が、一体何をしているのですか?」


「そ、その…」


「彼女も我が誇り高いアポカリッセの男爵令嬢。無礼は私が許しません」


高位貴族のご令嬢方をきっ、と睨みつける。


「す、すみませんでした!もうしませんわ!」


「ならば今回の件は不問にします。さっさと入学パーティーの受け付けを済ませて来なさい」


「はっ…はい!」


高位貴族のご令嬢方は逃げていきます。


「大丈夫ですか?」


ノービレ様に話しかけます。もし乙女ゲームの強制力が働くのだとしたらこうして助けるのも無駄かもしれないけれど、怯えている彼女を放ってはおけない。


「…お、王女殿下?」


「はい」


「あっ…あっ、あ、ありがとうございます!」


照れたようにはにかみながらお礼を言うノービレ様。


「あ、あの、なんで私なんかを助けてくれるのですか?」


「臣民ですもの。当たり前です」


私がそういうと、きらきらと感動した!と言わんばかりの瞳で私を見てくるノービレ様。


「あ、失礼しました!私、ジーリョアムレート男爵家のノービレです。えっと、ジェンティーレ・プリンチペッサ・アポカリッセ王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく…」


尻窄みになる挨拶。ちらちらっとこちらを伺ってくる様はまさに乙女ゲームの主人公。可愛いなぁ。これは攻略対象者が落ちるのもわかる。


「ティーレ様!もう、ああいう場面で飛び出しちゃダメでしょ!」


「ごめんね、つい」


ネストに怒られる。ごめんなさい。


「あ、あの、王女殿下。こちらの方々は?」


「あ、紹介しますね。こちら、騎士団長令息、オネスト・コントラットです」


「どうも」


「は、はじめまして!騎士団長様のご令息なのですね!将来は騎士団に所属されるのですか?」


「いや、俺はティーレ様の専属護衛騎士だから騎士団には入らないよ。王家直轄だね」


「私と同い年ですよね!?わあ、すごいなぁ…」


きらきらした目で上目遣いでネストを見るノービレ様。これはネストもときめくんじゃない?


「それはどーも」


「よろしくお願いします!」


「よろしく」


あれ?あんまり興味なさそう…?ま、まあ、出会ったばかりだもんね。


「ノービレ様…さん、こちらは、魔術師団長令息のパーヴィド・リートです」


危なかった。うっかり様付けしてしまった。ノービレさんは一応今は男爵令嬢の身。私が様付けなんておかしい。


「わあ、魔術師団長様の…!はじめまして!よろしくお願いします!」


「よ、よろしくお願いします…」


「魔術師団長のご令息はとても優秀な魔術師だと聞いています!さぞ努力なされたのですね!」


おお!ヴィドの努力を褒めた!これはヴィドの心も揺れるんじゃない?


「は、はい。こうして努力を褒め、褒めていただいたのはティーレ様以来です。あ、ありがとうございます」


頬を染めるヴィド。もう、さすがは主人公。罪作りだなぁ。


「…ティーレ、そこは私を一番に紹介して欲しいのですが」


「リト!ごめんごめん。ノービレさん、こちら私の婚約者で、公爵令息のスピリト・テオロジーアです」


「わあ、こ、公爵様の…はじめまして!よろしくお願いします!」


「ええ、よろしくお願いします」


リトが外行用の笑顔を見せる。


「…なんだか、無理して笑っているような」


「え?」


「あ、いえ、失礼しました!ごめんなさい!」


やっぱり初見でリトの偽物の笑顔を指摘した!さすが主人公!


「ふふ。いえいえ、この笑顔を見破れるのは貴女かティーレくらいのものですよ。すごいですね」


今度は本当の笑顔を見せるリト。うーん。ネストやヴィドが主人公に惹かれるのは仕方がないけど、やっぱり婚約者がノービレさんに近づくのはなんとなくもやもやする…。


「王女殿下の婚約者なんて、羨ましいなぁ…」


「え?ノービレさん、なにか言いました?」


「あ、いえ、なんにも!」


「?」


まあいいか。


「ノービレさん、こちら、私のお友達のミーテ・ジュラメントさんです。伯爵令嬢です」


「王女殿下のお友達…!はじめまして!よろしくお願いします!」


「こちらこそ、王女殿下のお友達同士、よろしくお願いしますね!」


「えっ…わ、わわ、私が王女殿下のお友達?」


ちらちらっとこちらを伺ってくるノービレさん。いちいち可愛いな。羨ましい。


「ええ、今日から私達はお友達ですよ」


「…っ!嬉しいです、王女殿下!改めてよろしくお願いします!」


「それと、ノービレさんもミーテさんも、私のお友達なんですからティーレでいいですよ」


「まあ!ティーレ様、ありがとうございます!では、私のことはミミとお呼びください!」


「じゃ、じゃあティーレ様。私のことはビビって呼んでください」


「はい、ミミさん、ビビさん!」


こうして無事、主人公と仲良くなることが出来ました!どうか乙女ゲームの強制力が働かないことを祈ります!

懐かれた?

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