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感想を聞かせてよ、捨てた現実世界に花が咲き始めた状況の!(リメイク版)  作者: カラーコーン人間
第8章、ヲタクは2次元も3次元も愛することが可能である
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66ゲーム、着ぐるみの中身が見えて夢を壊してはいけないのは、クリエイターの世界でも常識である

1月20日の土曜日、イベントやギルド設立や交際スタートやら色々あった1週間がようやく終わった。同棲してるのか? と言いたくなるように詠娯邸に居座っていた彼らも、今回は少し様子が違う。


「あーあ、まさかラクの家が改修工事でしばらくおられへんとはなぁ」

「ごめんね……、4月までかかりそうなんだ」

「2ヵ月ちょっと……、リフォーム程度の工事でござるか?」

「さすが建設のことになると詳しいね、まあできてからのお楽しみってことで!」

「お~いお前ら!」

「お、カスキ殿と愛姫殿でござる」


秋葉原駅の広場、ここで彼らは現地集合となっていた。時刻は11時半、もうお昼なので冬でも少し暖かくなり、そしてお腹が減ってきている時間帯だ。


「では愛姫殿が行きたいと申してるラーメン屋さんに行くでござるか」

「何かびっくりやな、愛姫さんがラーメンって」

「あれでしょ? メイデンが経営してるラーメン屋さんに招待されたっていう」

「はい! 面白そうだったんで行ってみたいなって思いまして」

「面白そうって……、せめて美味しそうって言ってあげなよ」

「あぁごめんなさい……!」

「アハハハ!」

「俺らに謝っても意味ないけどね」

「まあでも面白くはあったよな、このラーメンの絵よ」


スマートフォンで見せた今から行くラーメンの画像、『1日の約4/3の野菜が摂れるラーメン』の麺もスープも緑すぎ二郎系特有のもやし類盛りすぎの何の……、とにかくインパクトが凄すぎて笑いが出てくるのだ。


「カスキさんたちは1度お店行ったことあるんですよね?」

「そうでござる、Lapinとヒーラがメイデンに勝ったからってことで、今日と同じように特別予約ができたのでござるよ。行かなきゃ損かなって思って行ってみたけど……、でも正直行って損したタイプ……」

「えっ……!? 美味しくないんですか……?」

「いやもちろん美味しいんだけど……、僕たち二郎系ラーメンなんて食べたことなかったからカスキくん以外完食できなかったんだよね」


4人ともまだ来てないのに思い出しただけで胃もたれした感じが顔に出ていた。


「いや俺でもギリギリだったけどね、だから今日は朝飯抜いてきた」

「ラーメン来てまで残すなんて罪悪感すごいんよなぁ、他の人よくやってることかもしんねぇけど……」

「リョウくんあんま食べないほうだし」

「だからリベンジでござるな」

「あぁ、何かおとめ座ギルドに負けた気がしてならねぇからな!」

「そういう見方なんですね……、うわぁちょっと自信ないかも……」


不安な足踏みでありながらも、店舗まで真っ直ぐ歩き続け……、ることなく、


「あ、スーパー! ちょっと待ってろお前ら」


カスキがスーパーに入って数分後、


「はい」

「おーありがとう」


買ってきたのは黒烏龍茶500ml5本、みんなに渡していた。


「カスキさんこれは?」

「持っておけ」

「はい、頂きます」

「今じゃない、来たるべき時に備えておけ」

「はぁ……?」

「ガチ勢やん」

「でも助かるぅ」


そしてようやく着いた『ヴァル・ゴー・サチ』というラーメン屋。綺麗な建物で外からでも中の様子が分かる玄関が常に開けっ放しになっているタイプで、開店11時前から既に行列ができており、駐車場も近くにある明らかに『人気店』の雰囲気である。


そして、中から漂うスープの匂いが空腹の胃を刺激する。何だかんだ来て良かったと思うほどに待ち遠しい。


「いらっしゃいませ、外でお並びくださいませ」

「あ、すみません特別予約していた『フレイバ』5人です」

「あ、お待ちしておりました! 『フレイバ』様ですね、本日はご来店ありがとうございます! お席ご案内しますね~! 『フレイバ』様5名様入られました~!!」

「「はいよ~いらっしゃいませ!」」


綺麗な女性スタッフの案内に着いていく薫たち、声かけに少し驚くもラーメン屋特有の雰囲気を確かめた薫は少し嬉しい顔になる。お嬢様なだけあって、ラーメン屋は初めて、ついに夢のラーメンデビューができて気分がウキウキである。


コートをハンガーにかけてテーブル席に座って、店員がお冷とおしぼりを渡す。


「当店は二郎系・アンチエイジング・ちゃんぽん・精進スープのハッシュタグがつくほどの個性的なラーメン屋となっております! メインのラーメン二郎系です、スープの種類、精進しょうゆ・精進しお・精進みそ・精進とんこつがございます」

「あ、精進は確定なんですね……。じゃあ、しおで」

「麺はどうされますか?」

「どう……、され……?」

「量と硬さを決めるんだよ。初めてだから半分、硬めで良いと思うよ」

「ではそれで……」

「ニンニク・野菜・背脂・カラメどうされますか?」

「えっと……、え……?」

「あーこの人初めてだからそのままで」

「何かフォローの仕方が風俗童貞をリードする友人みたいでござる」

「下品なたとえすんな!」


飲食店に、女性の前で似つかわしくない表現をするスミであった。


「ではお次にお兄さんご注文は?」

「あー俺精進とんこつで、麺少なめ、硬め、野菜・ニンニク・背脂・カラメを~、マシで」

「手慣れとんなぁ……」

「あ、そうだトッピングにチャーシュー2枚。薫さん、普通にラーメン頼んだら肉2枚しか来ないけどどうする?」

「あ、いえ、私はけっこうですので」

「はい、かしこまりました~!」

「じゃあほら、次リョウたち」

「せやな。じゃあ精進みそで、麺は……、小! 硬め、そのままでトッピングにチャーシュー2枚」

「お~行くね~、リョウ!」

「取り皿っていうか鉢2つください。以上で」

「え!? もしかしてお前ら3人でラーメン1杯食うの!?」

「うん、シェアしようと……」

「おい雪辱戦のいみぃ~」

「さ、3人で1杯を……、普通に頼んで大丈夫でしょうか……?」

「いやあいつらは小食だから良いんだよ。万が一食べきれなかったら、最後食べてあげるから」

「わ、わかりました……」


もう1度注文を繰り返して、問題ないと判断したらお姉さんは厨房のほうへ行ってしまった。


「そういえば、メイデンさんってどんな人なんでしょうね?」


プレイしている人は女性でここのラーメン屋で働いていることは分かっている。だが誰がメイデンかは分からない。リアルの存在なんて知ろうとするものではないが気になるものは気になるのである。


「さっき注文取ってくれた看板娘の人だよ。まあ美人だからあの看板娘さん目当てで来る人もいるんだよね」

「へぇ……」


とカスキは言うが、薫は少し違和感を持っていた。本当に今の看板娘がそうなのか?


気になって目で追って、筒抜けの厨房にいる大きな女将のおばちゃんと看板娘がやり取りしているところに、薫は耳を傾けていた。


「フレイバ様のところは5名なんだろ? どうしてラーメンを3つしか注文してないんだい?」

「シェアするんですって」

「あ〜! アッハハハハ!! 攻略しに来たねぇあの子たち。まあ良いわ、ラーメン3つね!」

「あ……!」

「どした〜?」

「ちょっと、行ってきます……」


薫が席を立ち、厨房にいる女将のおばちゃんのところまで近づいて行った。


「あぁお嬢さん、ラーメンもう少しお待ち下さいね〜」

「はい、楽しみにしてますね。メイデンさん!」

「「え……!?」」


後からついて行ったカスキともう1人の厨房に近いカウンター客が今の薫の発言に驚いていた。


「お嬢さん、どうして私がメイデンだと思ったんだい?」

「えっとそれは……、笑い方? 根拠はないですけど何となく……」

「アッハハハハ! 見事だねぇ、湯婆婆みたいな私がメイデンやってるなんてイメージが崩れると良くないからうちの娘がメイデンですって言わせてたんだけどねぇ!」


確かに40代か50代のぽっちゃりしたおばちゃんが、実は女性すらも魅了する美人アバターでありおとめ座ギルドマスターの中の人なんて普通に考えてありえないと思う事実だ。


「あの人は何か違うんですよね……、カスキさんみたいな、ゲーマーのオーラが感じられなかったので」

「めちゃくちゃ直感的だ……」

「アッハハハハ! 大当たり〜! だよ。私がメイデンよフレイバ、ということはあなたがLapinだね?」

「自然にバレるわなそりゃ、そうでーす」

「で、お前さんはいつまで正体を隠してるつもりなんだい?」

「え……?」


その驚いていたカウンター客、キャップで顔を隠していたが脱いでくれた。そしてその顔にカスキは見覚えがあった。


「あ、やっぱりデネブだ!」

「もう、リアルでゲームの名前言わないで!」


CSOでお馴染みのデネブこと、白鳥店長である。


「なんで白鳥がここに?」

「同じ秋葉原で経営してるライバルでもあるのよ!」

「そういう関係なのかよ、っていうかラーメン屋とコンセプトカフェじゃ勝ち目ないだろ……」

「お黙り! 何を得りにしてるか関係なくとも、負けたくないのよ私は!」

「はいはいそうですか……」


まだ学生のカスキには分かりにくさこそあれど、勝負となれば負けたくないんだろうなという気持ちだけは何となく分かってあげられた。とはいえ同情する相手が白鳥なため淡泊に返していた。


「そんなことより、あなただったのメイデンって!? てっきりあの子だと思って色々愚痴こぼしちゃったけど……」

「あぁ、そこに関しては申し訳ないと思ってるよ、娘に」

「娘にかい!!」


今のやり取りがツボだったのかカスキが大笑いした。


「白鳥さんは何回か来てるんすか?」

「えぇ、でも今日はあなたたちに会いに来たのよ。1度で良いからフレイバに会いたかったからね、女性だとは聞いてたけどまさかここまで可愛い子だったとはねぇ……」

「ど、どうも……」

「あら、メイデンには積極的だったのに私には警戒してるの? 仲良くしましょうよ」

「忘れたとは言わせねぇぞ? お前うちのフレイバを振り回しただろうが」

「あーそういえばそうだったわねぇ……」

「うちの……、あなたたちって付き合ってるの?」


気になってメイデンこと、飯盛幸いいもりさちが2人に質問した。


「いやえっとそれは……、はい……」


2人して初々しく顔を赤くしていた。


「実は4日目です!」

「タイムリーじゃない」

「あらぁ良いわね! じゃあメイデンの正体を見破ったのと2人のカップルを祝ってサービスするわ!」

「あ、ありがとうございます……」

「ただでさえ多いのにサービスされちゃうのか……」

【プチメモ】


おとめ座ギルドマスター、メイデンの中の人、飯盛幸はモデルがいて、その人がおとめ座だったということで繋げました。

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