31 スキルの検証と考察二
前書き
本日は二話更新です。(二話目)
スキルの検証と考察を続けるとしよう。
――体術、短剣、投擲、剣術。
それぞれの武器を使用した際に、攻撃力が上がるスキルだろう。
あとは、武器を持った際、戦闘中の動きを、システムが自動で補正してくれるようになるのだろう。
ゲームの中とはいえ、現代人が、剣や槍を自由自在に扱えるはずがない。そういうのは、全てゲームシステムが行動を補助しているからできるようになるだけだ。
もっとも俺の場合、オプションからその設定を切っている。
俺の場合はシステムの補助なしで動いた方が、圧倒的に強いから仕方ない。
ミカちゃん時代に鍛え上げられた俺の戦闘能力は、伊達ではないのだよ!
で、これらのスキルを見ていたら、紐づけされた項目に『武技』というものを発見した。
体術には、カウンターパンチ、アッパー、一本背負い、回し蹴りect……
短剣には、一突き、カウンターナイフ、クリティカルダガー、ウィークポイントクリティカルect……
投擲には、スローイングダガーのみ。
剣術には、スラッシュ、ダブルスラッシュ、パワースラッシュ、回転切りect……
いわゆる必殺技みたいなものか?
どれもこれ、俺が既に使っている気がする武技ばかり。
なんだかスルーしてもいい気がするが、それではダメだろうと思い直す。
今は一応検証をしているわけだからな。
というわけで、試しに剣術スキルにある、武技ダブルスラッシを使ってみた。
このゲームでは刀は、剣技の属性に含まれるらしい。
で、いざ片手刀で使ってみたダブルスラッシュ。
片手刀の刀身に青白い光のエフェクトが付き、その後刀を高速で一閃。
そこから逆になぞる様にして、返す一閃が繰り出された。
「おお、エフェクトがついていて格好いい」
格好いいけど、武技を使った後に、体が硬直する時間があった。
それに武技は使用直後に、連続で放てないよう。
動きはシステムによって制御されていて、物凄く単調。高速で繰り出されると言っても、俺のプレーヤースキルで動かす速度から見れば、泣きたくなるような遅さ。
「武技死亡のお知らせ!」
師匠様様だ。
常識外のチート能力を得てしまった俺の前では、武技はゴミだ。
しかし、それでも使い道はないか?
試しに、近くいたラビットに向けて投擲スキルにある、武技スローイングダガーを使ってみた。
システムによってサポートされた動きで短剣が飛んで行き、それがラビットの傍を掠めて地面に突き刺さった。
つまり外れた。
「スレイ、ウサちゃんをいじめちゃダメ!」
「……」
なにこの武技、使えないにもほどがあるだろう。
それどころか絶を怒らせただけじゃないか!
幸いラビットは攻撃が外れたので、俺に敵対することはなかった。
「ウサちゃん、スレイの近くに来ちゃダメだよ。危ないから……キャンッ!」
傍に寄って来たラビットを、俺から遠ざけようとした絶だが、逆に顔面にラビットの体当たりを受けてしまう。
「絶、これはゲームだから、モンスターからは攻撃されるんだぞ」
「で、でも、こんなに可愛いウサちゃんなのに……キャン!」
またしてもラビットが絶を攻撃。
――ヒュッ
俺は見てられなかったので、兎の頭と胴体を片手刀で切断した。
「あああ、ウサちゃーん!」
絶の悲壮な泣き声だけが平原に響いた。
恨めしい目つきで絶が俺の方を見てくるけど、俺は知らんぞ。
悪いことは、何もしていない。
絶の視線は無視だ、無視。
とりあえず、武技に関しては二度と使用することがないだろう。
ただ夜に使ったら、明るくて面白いかも。
スターウォー○に出てくる、ライト○ーバーっぽい遊びができるかも。
ラ○トセーバーか。
そう言えば、このゲームのもう一つの舞台である惑星ヴァルドワは、SF系の世界だ。そこに行けば、ライトセー○ーがあるかもしれないな。
そう思い、俺は頭上にある惑星ヴァルドワをしばし眺めた。
でも、今のところ惑星ヴァルドワは関係ないので、次のスキル検証にいくとしよう。
――クリティカル。
普通に考えれば、敵を攻撃した際に確率で出る、大ダメージ攻撃――クリティカル――の発生率が上がる。
あるいはクリティカル時のダメージが、大きくなると言ったところだろう。
ただ、このラグーンと言うゲームは、俺がプレーしていたアーク・アース・オンラインと、戦闘システムで似ているところがある。
アーク・アース・オンラインでは、クリティカルとは、敵の弱点部位を攻撃した際、一撃で弱点部位を破壊、または切断できる効果があった。
もちろんそんな攻撃、そうそう連発できるものでない。
だが、あれはタイミングを合わせて攻撃すれば、確実に発生させることが出来た。
並のプレーヤーでは意図的に起こすのは難しいが、俺は規格外なので常に意図的に起こすことが出来た。
それぐらいのプレーヤースキルがないと、アーク・アース・オンラインで、俺の操るミカちゃんが、たった一人で上位陣六人PTを壊滅させるなんて非常識プレーはできないよ。
ついでにこのクリティカルと関係がありそうなのが、弱点部位看破だろう。
敵の弱点部位を見つけることが出来るスキルだろう。
アーク・アース・オンラインみたいに、クリティカルとセットで敵の弱点部位を容赦なく破壊できればいいな。
では次のスキル。
――回避。
敵の攻撃を避けやすくなるスキルだな。
何の役に立つんだ?
俺のプレーヤースキルの完全下位互換だ。
――隠密。
敵に気付かれない、気付かれにくくなるスキルだろう。
今のところ使ったことがないけど、将来的にはPvPで、プレーヤーを襲う時に便利そうだ。
――え、PvPするのが前提でプレーするのかだって?
あくまでも可能性の話だな。
やるかどうかは、後々考えるということで。
あとは、モンスター相手にも使えば、奇襲できて便利そう。
その点で言えば、奇襲というスキルも持っているから、この二つのスキルは相乗効果がありそうだ。
――暗視。
暗闇でも昼間のように周囲が見えるスキルだな。
既に経験したので便利だと思う。
暗闇でも色の識別とかできるから、使い道がないわけじゃない。
暗闇でも物の形を捉えられるという、俺の馬鹿げた空間把握能力があったりするけど、あれでは色は分からないし。
――見切り、切り払い、鎧通し。
全部俺のプレーヤースキルの完全劣化版。
獲得したけど、役に立たん。
以上。
――高速戦闘
使用すると俺の速度が三杯くらいに跳ね上がるスキル。
ただしSPの消費が滅茶苦茶激しくて、その後ぶっ倒れる羽目になった。
これは俺のSPの最大値が低いのが原因だろうか?
何しろまだプレー開始したての新人なので、基本ステータスは低いだろうし。
それにこのスキルがなくても、俺はそれ以上の速さで戦えるので、今のところ死にスキルでしかない。
――気配察知、危機感知
すまんが、俺のチート能力のせいで出番自体なさそう。
――魔力感知
敵の魔法攻撃の範囲が、ピンボケした写真のように見えるようになる。
役に立つような立たないような……ないよりはまし程度に割り切っておこう。
――神速
名前通りなら、移動速度が速くなるスキルだな。
多分効果はあると思う。
俺がプレーヤースキル全開で走っている場合は、多分機能しないだろうけど。
――立体機動
空中で短時間、見えない足場が出るスキル。
連続して空中で三回だけ飛ぶことが出来るので、戦闘ではかなり有用なスキルだ。
三回とはいえ、それだけで戦いの仕方が全く別物になる。
地上で二次元的に動き回るのでなく、空中で三次元的(立体)敵に動き回れるので、敵に対して圧倒的に有利に戦えようになる。
このスキルは、俺の中では乗馬スキルに次いで、二番目に有能なスキルだと思う。
アーク・アース・オンラインでは、時間制限があったとはいえ、天使のミカちゃんは空を飛ぶことが出来た。
ラグーンでも、俺はミカちゃんみたいな戦い方ができるかもしれないぞ。
――乗馬
俺のプレーヤースキルでは補えない部分を補ってくれる、神スキルだな。
馬状態の絶に乗るためには、これがないとへばりつくことしかできなくなる。
あんな格好悪い乗り方は、もう二度とやりたくない。
白馬の王子様ならぬ、黒馬の闇の帝王様(笑)ゴッコをする際にも、必須スキルだ。
あ、そうそう。
以前吸血鬼の真祖として、闇の帝王になってどうたらこうたらってほざいてたけど、マジでそんなのするつもりないから。
『闇の帝王(笑)』をして遊ぶくらいはするけどな。
なおハーレムに関しては、巨乳のお姉さんたちを随時募集中だ!
――馬上戦闘
馬状態の絶の上に乗ってたら、勝手に獲得したスキルだな。
あの時は、絶が平原にいるゴブリンを一方的に足で粉砕していた。
でも俺、馬の上で戦うなんて無理。
地面に自分の足がついてるか、あるいは空中でないと戦えない。
空中戦はアーク・アース・オンラインのミカちゃんで経験済みだから、立体機動持ちのスレイでも、短時間なら空中で戦えるはず。
――正体看破
犯罪者プレーヤーが持っていそうな、変装系のスキルとかを見破れるんじゃないかと考えているスキルだ。
戦闘に関係ないし、今のところ使い道はないな。




